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ついでに昌史に関して智也はあまり詳しく知らない。
一つ年下の後輩で元々ゲーム制作経験もなく、ゲーム自体に興味あるかどうかも謎だ。どちらかといえば音楽などが好きなようで、中学高校と吹奏楽部に入っていたらしい。自分でパソコンを使って曲を作ったり編集したりもできる関係で、大学へ入ってから今のサークルメンバーの一員である林 伸行(はやし のぶゆき)がノベル系ホラーアドベンチャーゲームを個人で作った時、サウンドを頼まれたようだ。その伸行が美恵と元々知り合いだったらしく、その流れで今のサークルに勧誘された流れだと聞いた。
ゲームに興味あるかどうかよくわからないだけに、なぜ勧誘されてすんなり入ったのかも智也は知らない。中、高と吹奏楽部だったという、見た目からの意外性はさておき、こういう系のサークルよりテニスとかサーフィンとか、よくわからないがリア充が楽しみそうなサークルのほうが合っているように思える。もしかして誘ってきた美恵のことが好きだからだろうかと恋愛脳でもないくせに思ってみたが、どうもそういうのでもない気がする。
前に「もし作るかプレイするならどんなゲームがいい?」と聞いたことがある。その時もはっきりした答えがなかったため、少なくとも普段もゲーム自体していなさそうだ。
「ゲーム、ですか。……うーん……、そう、ですねー青春溢れる学園もの、とか?」
「いや、そんなゲームジャンルないから。まあ、今作ってるような恋愛ゲームみたいなのだろかな。ああでもそういうものだったらRPGだろうがノベルゲーだろうが何でも楽しめるってことかな」
「よくわからないけど多分そうです」
「適当すぎんだろ……」
ちなみに昌史は相当イケメンだと智也は思うし、周りも思っているだろう。身長もかなりあるしスタイルもいいし、何より顔がいい。ずるいくらい、いい。絶対ゲームの主人公は昌史で決まりだろうがと断言したいくらい目立つイケメンだし、見るからにリア充ぽい。しかし驚くことに十九年間生きてきて、今まで彼女がいたことないらしい。
「こいつね、コクられたことならクソほどあるんっすよ」
「余計なこと言うなよ。だいたい何でお前が得意げなんだよ」
実際得意げに話す伸行に対し、智也にはとても愛想いい昌史は、素っ気なく言い放っていた。
「ふーん。そんなに告白されてんならつき合ってみたらいいだろ」
「えぇ。いやーそういうもんじゃないんです。第一その気になれなかったし」
「モテるやつの余裕ってやつだな」
「だから何で伸行が得意げなんだよ」
「じゃあ辻村くんて好きな子もいたことないのか?」
「えっ? な、何で」
「何でって、別に……。辻村くんが好きになって打ち明けたら、まず相手は即落ちだろって思うしさ」
「そ、う思います?」
「ん? ああ」
「……、はは。どうでしょうね」
結局好きな相手がいるかどうかもわからないままだが、正直なところどうでもいいことでもあるため、追及していない。
いちいち得意げだった伸行は、昌史と高校の時に出会い、仲いいらしい。昌史と違いゲームで遊んだりするし、制作も一度きりだがしたことある。その時作ったのもノベルゲームだったし、今のゲームでもシナリオを担当している。当時制作した際にはフリー素材を使わずサウンドは昌史に頼み、立ち絵関連は美恵に頼んだようだ。それなりにこだわりありそうだが、本人曰くゲームは楽しければ何でも好きらしい。
本人も明るいムードメーカータイプだが、得意なシナリオはホラーや重みのあるストーリーだから、人はわからないと智也は改めて思う。第一印象クラッシャーの亮人ほどではないが、こういうのがギャップというのだろうか。
二つ上の望美とは幼馴染か何からしく、前から望美のことが好きなようだ。わりとその辺わかりやすい。ただ肝心の望美は二次元キャラにしか興味ないため全く意識されていない。
望美の友人である美恵に伸行が相談したところ、乙女ゲームの王子キャラのようにキラキラ系二次元美形男子になれ、ちなみに赤毛が望ましいと無理難題言われたらしい。望美は実際そういったキャラクターが好みのようだ。
ちなみに伸行と同じくシナリオを担当してくれている。そして伸行と違い、恋愛要素満載の明るいもの、特に学園ものが得意らしい。ゲーム制作は今のサークルを除けば美恵と仲よくなってから初めて二人で作った乙女ゲームが今のところ最初で最後の経験のようだ。
男女ものの乙女ゲームが好きだがBLも大丈夫ではあるらしい。また、とてつもなくケモミミ系を愛している。その辺の気持ちは申し訳ないが智也にはわからない。
「何で? 篠原くんだって猫耳の生えたかわいい女の子想像してみて。最高だと思うはず」
言われた通り想像したが、何かしたくとも虐待になりそうでしかなく、萎えそうだ。
「……いやぁ。俺もまぁ、二次元女子嫌いじゃないけど、できるのであれば人間の女の子が好みっす」
ただ望美にはあえてそう言っておいた。
その望美は一見ゆるふわ系のかわいいタイプで、智也も初めて会った時はほんのりこの先を期待したりもしてみた。だがその実ゆるふわとは、と問いたくなるほどサバサバした男らしい人だ。どのみち二次元男子が大好きで、智也や伸行を含めリアル男子には数ミリたりとも興味ない。
ちなみに美恵の押しは現在、とある乙女ゲームのキラキラ系赤髪王子様らしい。確かタイトルは『闇夜に輝く星王子(プリンス)』だったか。あまり口にしにくいタイトルだと、聞いた時とりあえず智也は思った。
一つ年下の後輩で元々ゲーム制作経験もなく、ゲーム自体に興味あるかどうかも謎だ。どちらかといえば音楽などが好きなようで、中学高校と吹奏楽部に入っていたらしい。自分でパソコンを使って曲を作ったり編集したりもできる関係で、大学へ入ってから今のサークルメンバーの一員である林 伸行(はやし のぶゆき)がノベル系ホラーアドベンチャーゲームを個人で作った時、サウンドを頼まれたようだ。その伸行が美恵と元々知り合いだったらしく、その流れで今のサークルに勧誘された流れだと聞いた。
ゲームに興味あるかどうかよくわからないだけに、なぜ勧誘されてすんなり入ったのかも智也は知らない。中、高と吹奏楽部だったという、見た目からの意外性はさておき、こういう系のサークルよりテニスとかサーフィンとか、よくわからないがリア充が楽しみそうなサークルのほうが合っているように思える。もしかして誘ってきた美恵のことが好きだからだろうかと恋愛脳でもないくせに思ってみたが、どうもそういうのでもない気がする。
前に「もし作るかプレイするならどんなゲームがいい?」と聞いたことがある。その時もはっきりした答えがなかったため、少なくとも普段もゲーム自体していなさそうだ。
「ゲーム、ですか。……うーん……、そう、ですねー青春溢れる学園もの、とか?」
「いや、そんなゲームジャンルないから。まあ、今作ってるような恋愛ゲームみたいなのだろかな。ああでもそういうものだったらRPGだろうがノベルゲーだろうが何でも楽しめるってことかな」
「よくわからないけど多分そうです」
「適当すぎんだろ……」
ちなみに昌史は相当イケメンだと智也は思うし、周りも思っているだろう。身長もかなりあるしスタイルもいいし、何より顔がいい。ずるいくらい、いい。絶対ゲームの主人公は昌史で決まりだろうがと断言したいくらい目立つイケメンだし、見るからにリア充ぽい。しかし驚くことに十九年間生きてきて、今まで彼女がいたことないらしい。
「こいつね、コクられたことならクソほどあるんっすよ」
「余計なこと言うなよ。だいたい何でお前が得意げなんだよ」
実際得意げに話す伸行に対し、智也にはとても愛想いい昌史は、素っ気なく言い放っていた。
「ふーん。そんなに告白されてんならつき合ってみたらいいだろ」
「えぇ。いやーそういうもんじゃないんです。第一その気になれなかったし」
「モテるやつの余裕ってやつだな」
「だから何で伸行が得意げなんだよ」
「じゃあ辻村くんて好きな子もいたことないのか?」
「えっ? な、何で」
「何でって、別に……。辻村くんが好きになって打ち明けたら、まず相手は即落ちだろって思うしさ」
「そ、う思います?」
「ん? ああ」
「……、はは。どうでしょうね」
結局好きな相手がいるかどうかもわからないままだが、正直なところどうでもいいことでもあるため、追及していない。
いちいち得意げだった伸行は、昌史と高校の時に出会い、仲いいらしい。昌史と違いゲームで遊んだりするし、制作も一度きりだがしたことある。その時作ったのもノベルゲームだったし、今のゲームでもシナリオを担当している。当時制作した際にはフリー素材を使わずサウンドは昌史に頼み、立ち絵関連は美恵に頼んだようだ。それなりにこだわりありそうだが、本人曰くゲームは楽しければ何でも好きらしい。
本人も明るいムードメーカータイプだが、得意なシナリオはホラーや重みのあるストーリーだから、人はわからないと智也は改めて思う。第一印象クラッシャーの亮人ほどではないが、こういうのがギャップというのだろうか。
二つ上の望美とは幼馴染か何からしく、前から望美のことが好きなようだ。わりとその辺わかりやすい。ただ肝心の望美は二次元キャラにしか興味ないため全く意識されていない。
望美の友人である美恵に伸行が相談したところ、乙女ゲームの王子キャラのようにキラキラ系二次元美形男子になれ、ちなみに赤毛が望ましいと無理難題言われたらしい。望美は実際そういったキャラクターが好みのようだ。
ちなみに伸行と同じくシナリオを担当してくれている。そして伸行と違い、恋愛要素満載の明るいもの、特に学園ものが得意らしい。ゲーム制作は今のサークルを除けば美恵と仲よくなってから初めて二人で作った乙女ゲームが今のところ最初で最後の経験のようだ。
男女ものの乙女ゲームが好きだがBLも大丈夫ではあるらしい。また、とてつもなくケモミミ系を愛している。その辺の気持ちは申し訳ないが智也にはわからない。
「何で? 篠原くんだって猫耳の生えたかわいい女の子想像してみて。最高だと思うはず」
言われた通り想像したが、何かしたくとも虐待になりそうでしかなく、萎えそうだ。
「……いやぁ。俺もまぁ、二次元女子嫌いじゃないけど、できるのであれば人間の女の子が好みっす」
ただ望美にはあえてそう言っておいた。
その望美は一見ゆるふわ系のかわいいタイプで、智也も初めて会った時はほんのりこの先を期待したりもしてみた。だがその実ゆるふわとは、と問いたくなるほどサバサバした男らしい人だ。どのみち二次元男子が大好きで、智也や伸行を含めリアル男子には数ミリたりとも興味ない。
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