183 / 194
第六章
『王』の業火
しおりを挟む
『で、デカい……!!』
大鴉に変形したラウルを目の当たりにして、先ず驚いたのがその大きさだ。威圧感も質量も人型だった時と同じ…なんてもんじゃなくて、もしかするとボス火竜より大きくなってしまってる。
『グガァアアーーッ!!』
咆哮した嘴から発せられるのは、毒々しい瘴気。
そして、床を陥没させている脚のかぎ爪は鋭く、大理石をチーズの様に削っている。それらがアダマンティンの如き硬度を持っているのは一目瞭然で、羽ばたいた翼からは重苦しい熱風が放射されていた。
『!?この空気……』
カルカンヌに滞在していた時に感じた、ねっとりと重くて死の匂いを纏った風と似ている。ラウルがグリフォンに掛けた魔力の波動が、あの国の気候にまで影響を及ぼしていたんだ。
「ヒィイ!!」
「ばっ、ば、バケモノ……!!」
周囲の人間達は、ラウルの真の姿に悲鳴を上げる。次々と起こる恐怖のオンパレードに耐え切れず、腰を抜かしたまま失神したり失禁する者も出ていて、真面目に混沌だった。
『俺の『目』は、まだ効いている…のか?』
緊張でこくり、と喉が鳴った。混じり気のない殺意を向けている先は、俺かベルか判断がつかない。怒り心頭に発して理性を失っているのなら、魅了が破られている恐れもある。
何せ伯爵位とはいえ、こいつは七大君主の一柱の腹心を務める大悪魔だ。『黒の祝福』で力も増している中、更に『本体』を晒け出したコイツを止められるのは……。
「ふふ…それにしても。下位悪魔といい上位悪魔といい、魔界の絶対的不文律を容易く犯させる『お前』と言う存在は、末恐ろしくもあるな」
「え?」
ベルの言葉の意味が分からず、俺は僅かに苦笑が混じった声に眉を顰める。だが、不意に腕の拘束が解かれてトン…と身体を軽く押された。
強くはないものの、予期しなかった為に踏鞴を踏んでしまった俺の全身に、続けてベルの防御結界が張られる。
「ベル…!?」
「彼奴の相手をするのに少し邪魔だ。ザビア達の所まで離れていろ」
唖然とする俺をチラリと一瞥し、ベルは偉そうに腕を組んで大鴉へ視線を戻した。大鴉…ラウルも離れた俺を眼中に入れず、ベルを睨みつけ威嚇している。
俺が今ここでやれるべき事はない。そう判断し、大人しくザビア将軍達の結界側へと移動したものの、僅かな不安が胸をよぎった。
先程までの一方的な私刑を見るに、王と伯爵の力量は歴然としている。今も自信満々なベルを見る限り杞憂だとは思うけど、窮鼠猫を噛む事もあり得る…かもしれないから。
『だけどこれ……凄いな…!』
自身で掛けるものとは比べ物にならない結界の強固さに、驚きを隠せない。将軍達を護っている物も同じで、ベル…ベリアルの強大な力そのものを具現しているのだと身をもって分かった。
そして、俺だけじゃなくて将軍達にも手を抜かずに護ってくれてる事に、ちょっとだけ頬が緩んでしまった。
『ガァアアアアーーーッ!!』
大鴉の濁声が謁見の間に再び響き渡る。絶叫は超音波となって鼓膜に突き刺さり、ベルの結界に護られていない殆どの者達が耳を塞ぎ、蹲ってしまった。玉座の王達も然りで、シェンナ姫が蹲ったコリン王太子を見て叫んでいる。
『ソノ『シホウ』ハ ワタシノモノダ……!!ワタサナイ!!ヨコセ…ヨコセェエエーー!!』
ガリガリと床を削って粉塵を撒き散らし、大鴉は翼を広げたかと思うと、生み出した何十もの瘴気の大楔をベルへと放った。物凄い速さで串刺しにせんと襲いかかるそれらに対し、ベルは凪いだ表情で腕を組んだままだった。
「べ……!?」
出かかった声は立ち消えとなる。
何故なら尖った先端がベルに触れる直前、ノーモーションで幾重にも連なった魔法陣が展開されたからだ。それらに衝突した楔は、瞬時にぐずぐずと溶けて消え失せてしまう。
大型魔獣の群れであっても一撃で瞬殺出来るだろう上位悪魔の攻撃を、ベルはあっさりと防いでみせた。
『ガアァ……!!』
「これは児戯か?くだらん小手先の技など、俺の毛一本も害せんぞ」
言葉の通り、あれだけの凄まじい攻撃はベルに届く事もなく霧散した。悔しそうに唸る大鴉の双眼が、ベルのせせら笑いを受けた途端に焔が宿る。
『グガァアアーー!!』
黒い炎を全身から噴出させ、大鴉は抉った床を蹴り飛び上がった。そしてベルへと長く鋭い鍵爪をふり被り、突き立てようとするが、またしても魔法陣がそれらを阻む。
だが先刻の楔とは違い、鍵爪はぎちぎちと軋む音を立て魔法陣に食い込んだ。やはり硬度はレアメタル並みなのか、溶けもせず防壁を壊そうとしている。しかも大鴉は嘴を開け、黒焔を吐き出したのだった。
「!!」
大鴉の物理的攻撃を受けても尚、ベルは無表情で腕を組んだままだった。けれど、纏わりついた黒い焔が魔法陣を溶かしていき、立てた爪も力を増し、軋む音が大きくなって…ついに亀裂が入ったのがはっきりと見えた。
「ベル…!!」
悪魔公で七大君主の一柱だと分かっていても、ベルと大鴉の余りの体格差は見ていて心臓に悪い。思わずベルの名を叫んでしまったのと魔法陣が砕け散ったのは、ほぼ同時だった。
シェンナ姫の小さな悲鳴が聞こえ、俺も息を呑んだ。鍵爪がベルを突き刺した…様に見えた瞬間、衝撃で火花が飛び散り視界が奪われてしまう。強く瞑ってから懸命に目を凝らし、ベルと大鴉を確認すると……。
『ガ……ッ!?』
「ほぉ……俺の魔法陣を突破するとは。よくやったと褒めてやろう」
信じられない光景だった。ベルは片手で大鴉の爪を纏めて掴み、物理的に止めていたのだ。その手を振り解こうとするも、縫いとめられたかの様にピクリとも動けず、焦って翼をばたつかせる大鴉を見上げ、ベルはにぃと牙を剥き出す。
「褒美に、『王』の業火をその身に喰らわせてやろう」
『!!ヒィ!?』
厳かに放たれた言霊は、巨大な紅焔となって大鴉を包み込む。そして、凄まじい火力でもってその身体を焼き潰していった。
『ギャアアアアーー!!!』
大鴉から苦痛に塗れた絶叫が迸る。俺達や周囲を全く巻き込まず、灼熱の焔は踠き羽撃くそれのみを燃やし尽くしたのだった。
大鴉に変形したラウルを目の当たりにして、先ず驚いたのがその大きさだ。威圧感も質量も人型だった時と同じ…なんてもんじゃなくて、もしかするとボス火竜より大きくなってしまってる。
『グガァアアーーッ!!』
咆哮した嘴から発せられるのは、毒々しい瘴気。
そして、床を陥没させている脚のかぎ爪は鋭く、大理石をチーズの様に削っている。それらがアダマンティンの如き硬度を持っているのは一目瞭然で、羽ばたいた翼からは重苦しい熱風が放射されていた。
『!?この空気……』
カルカンヌに滞在していた時に感じた、ねっとりと重くて死の匂いを纏った風と似ている。ラウルがグリフォンに掛けた魔力の波動が、あの国の気候にまで影響を及ぼしていたんだ。
「ヒィイ!!」
「ばっ、ば、バケモノ……!!」
周囲の人間達は、ラウルの真の姿に悲鳴を上げる。次々と起こる恐怖のオンパレードに耐え切れず、腰を抜かしたまま失神したり失禁する者も出ていて、真面目に混沌だった。
『俺の『目』は、まだ効いている…のか?』
緊張でこくり、と喉が鳴った。混じり気のない殺意を向けている先は、俺かベルか判断がつかない。怒り心頭に発して理性を失っているのなら、魅了が破られている恐れもある。
何せ伯爵位とはいえ、こいつは七大君主の一柱の腹心を務める大悪魔だ。『黒の祝福』で力も増している中、更に『本体』を晒け出したコイツを止められるのは……。
「ふふ…それにしても。下位悪魔といい上位悪魔といい、魔界の絶対的不文律を容易く犯させる『お前』と言う存在は、末恐ろしくもあるな」
「え?」
ベルの言葉の意味が分からず、俺は僅かに苦笑が混じった声に眉を顰める。だが、不意に腕の拘束が解かれてトン…と身体を軽く押された。
強くはないものの、予期しなかった為に踏鞴を踏んでしまった俺の全身に、続けてベルの防御結界が張られる。
「ベル…!?」
「彼奴の相手をするのに少し邪魔だ。ザビア達の所まで離れていろ」
唖然とする俺をチラリと一瞥し、ベルは偉そうに腕を組んで大鴉へ視線を戻した。大鴉…ラウルも離れた俺を眼中に入れず、ベルを睨みつけ威嚇している。
俺が今ここでやれるべき事はない。そう判断し、大人しくザビア将軍達の結界側へと移動したものの、僅かな不安が胸をよぎった。
先程までの一方的な私刑を見るに、王と伯爵の力量は歴然としている。今も自信満々なベルを見る限り杞憂だとは思うけど、窮鼠猫を噛む事もあり得る…かもしれないから。
『だけどこれ……凄いな…!』
自身で掛けるものとは比べ物にならない結界の強固さに、驚きを隠せない。将軍達を護っている物も同じで、ベル…ベリアルの強大な力そのものを具現しているのだと身をもって分かった。
そして、俺だけじゃなくて将軍達にも手を抜かずに護ってくれてる事に、ちょっとだけ頬が緩んでしまった。
『ガァアアアアーーーッ!!』
大鴉の濁声が謁見の間に再び響き渡る。絶叫は超音波となって鼓膜に突き刺さり、ベルの結界に護られていない殆どの者達が耳を塞ぎ、蹲ってしまった。玉座の王達も然りで、シェンナ姫が蹲ったコリン王太子を見て叫んでいる。
『ソノ『シホウ』ハ ワタシノモノダ……!!ワタサナイ!!ヨコセ…ヨコセェエエーー!!』
ガリガリと床を削って粉塵を撒き散らし、大鴉は翼を広げたかと思うと、生み出した何十もの瘴気の大楔をベルへと放った。物凄い速さで串刺しにせんと襲いかかるそれらに対し、ベルは凪いだ表情で腕を組んだままだった。
「べ……!?」
出かかった声は立ち消えとなる。
何故なら尖った先端がベルに触れる直前、ノーモーションで幾重にも連なった魔法陣が展開されたからだ。それらに衝突した楔は、瞬時にぐずぐずと溶けて消え失せてしまう。
大型魔獣の群れであっても一撃で瞬殺出来るだろう上位悪魔の攻撃を、ベルはあっさりと防いでみせた。
『ガアァ……!!』
「これは児戯か?くだらん小手先の技など、俺の毛一本も害せんぞ」
言葉の通り、あれだけの凄まじい攻撃はベルに届く事もなく霧散した。悔しそうに唸る大鴉の双眼が、ベルのせせら笑いを受けた途端に焔が宿る。
『グガァアアーー!!』
黒い炎を全身から噴出させ、大鴉は抉った床を蹴り飛び上がった。そしてベルへと長く鋭い鍵爪をふり被り、突き立てようとするが、またしても魔法陣がそれらを阻む。
だが先刻の楔とは違い、鍵爪はぎちぎちと軋む音を立て魔法陣に食い込んだ。やはり硬度はレアメタル並みなのか、溶けもせず防壁を壊そうとしている。しかも大鴉は嘴を開け、黒焔を吐き出したのだった。
「!!」
大鴉の物理的攻撃を受けても尚、ベルは無表情で腕を組んだままだった。けれど、纏わりついた黒い焔が魔法陣を溶かしていき、立てた爪も力を増し、軋む音が大きくなって…ついに亀裂が入ったのがはっきりと見えた。
「ベル…!!」
悪魔公で七大君主の一柱だと分かっていても、ベルと大鴉の余りの体格差は見ていて心臓に悪い。思わずベルの名を叫んでしまったのと魔法陣が砕け散ったのは、ほぼ同時だった。
シェンナ姫の小さな悲鳴が聞こえ、俺も息を呑んだ。鍵爪がベルを突き刺した…様に見えた瞬間、衝撃で火花が飛び散り視界が奪われてしまう。強く瞑ってから懸命に目を凝らし、ベルと大鴉を確認すると……。
『ガ……ッ!?』
「ほぉ……俺の魔法陣を突破するとは。よくやったと褒めてやろう」
信じられない光景だった。ベルは片手で大鴉の爪を纏めて掴み、物理的に止めていたのだ。その手を振り解こうとするも、縫いとめられたかの様にピクリとも動けず、焦って翼をばたつかせる大鴉を見上げ、ベルはにぃと牙を剥き出す。
「褒美に、『王』の業火をその身に喰らわせてやろう」
『!!ヒィ!?』
厳かに放たれた言霊は、巨大な紅焔となって大鴉を包み込む。そして、凄まじい火力でもってその身体を焼き潰していった。
『ギャアアアアーー!!!』
大鴉から苦痛に塗れた絶叫が迸る。俺達や周囲を全く巻き込まず、灼熱の焔は踠き羽撃くそれのみを燃やし尽くしたのだった。
15
あなたにおすすめの小説
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結】婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する
とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。
「隣国以外でお願いします!」
死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。
彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。
いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。
転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。
小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる