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アダウチカンシャナミダガトマラナイ
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丸の内での騒動からしばらく経っても山音莢の身辺にはこれと言って捜査の手が及ぶことはなかった。
おそらくピンストライプの例の男が自分の悪行の諸々が世の中にバレることをおそれ口を閉ざしたためだろうと思われた。
拘置所に弁護士と一緒に沙原莉子に面会に行った樫脇有希が莢に伝えたところによると彼女は今回の件については「お金が戻るまではなんも喋らないから」
そう言って一切の黙秘を通しているそうだ。
一人の女子学生が起こした小さないざこざも機動隊が出動したということで新聞やテレビメディアでも報道され大学側も知ることになった。
ただ学内では学生自治会を中心に沙原莉子擁護の声が次第に大きくなっていて
大学側もそんな様子を見守っているのか彼女に対する処分の発表は騒動から2週間経っても発表はされなかった。
学生自治会にことの詳細を伝えて協力を求めたのは山音莢で軽音サークルの小田香ナーナ等部員はもちろん砂原莉子の親友の樫脇有希もその擁護活動の先頭に立って参加した。
樫脇有希はヘルメットを被り口にはタオルを巻き手には拡声器を携え、まるでサリコの化身の様な出で立ちで莢やナーナ等と共に正門前に立ち彼女のした事の詳細を伝えて大学側にも警察や公安当局に対してもその正当性と無実を訴えた。
小さな騒動が大きな案件に発展した事が余程奇異に映ったのかテレビ各局を含むマスメディアはこの事を詳細に伝え広く世間の知ることとなった。
関東一帯の全学連や全共闘もその流れに乗っかった格好で関東のみならず全国から大挙して学生が押し寄せ、学内には「サハラリコ返せ!!」のシュプレヒコールが響き渡るに至った。
「おそらく不起訴になって大学側も重くて停学処分くらいになるだろうって」
弁護士からそう連絡があったと言って樫脇有希が軽音の部室にやって来たのは
騒動から3週間ほど経った時だった。
夏休みも目前に控える七月の始め二十数名は在籍しているはずの部員たちも早くも田舎に帰ったりバイトに精を出したりしているのかここ数日部室に顔を出しているのは爽と小田香ナーナを除けば他は数名が生存確認で部室を覗くくらいだった。
「大丈夫ですよ、有希さん。もうサリコさんの学内の人気は凄すぎて掌返しもほどがあるって状態だし、テレビでも週刊誌でももう女性運動のヒロインみたいに扱われてて大変なんだから」
「まるで昭和のジャンヌダルクやな」
ナーナの弾むような声に爽がトーンを下げた声で突っ込みを入れる。
「ほらみんな見てくださいよ、これこれ」
ナーナがチャンピオンのスポーツバッグからごそごそとまさぐって取り出したのは今週発売の週刊文秋。
「今日発売で生協で売ってて、私の腰ぐらいまで積んであるんですよ、どんだけ仕入れてんねんみたいな、ふふふっ」
ナーナがコロコロと鈴を鳴らすような笑い声で目の前のテーブルに置いた週刊文秋。その表紙を見て爽が思わず声を上げた。
「ちょっ、ちょっと待って、なにこれ!?」
「これって?」
「この表紙やん、この突き上げてる右腕と親指、これサリコのやから」
爽が驚くのも無理はない。それはまるで爽の脳内にあるあの騒動のラストシーンを切り取ったかのような一枚だった。
機動隊の青いヘルメットの集団に囲まれてその中から真っ白な腕が一本伸びて
親指を空へと突き上げている。鮮やかな初夏の真っ青な雲一つない空と邪悪に青黒く光るヘルメット。その真ん中に浮き上がるように光を帯びるサリコの右腕はまさに女性解放の象徴のようだった。
そんな自分が最後に沙原莉子を見送って感動の涙にくれたあの場所から見た景色。それがそのまま週刊文秋の表紙に収まっている。
そんな奇跡がるのだろうか。
あの場所であんな騒動を起こすなんて誰も知らないはずだし週刊誌のカメラマンが張り付いてたなんてまずは考えられない。たまたまカメラを持ち合わせた人間がいてもこれほどに構えた写真を咄嗟に撮る芸当なんて奇跡にもほどがある。
「どういうことやねん?」
「機動隊に新聞社や週刊誌のカメラマンが付いてきてたんじゃないですか?」
「いや、誰も付いてきてなかったはずやし。機動隊は列を成して整然とやって来たからカメラやら機材担いでやってきた人間は目立つしすぐに分かるはずや」
予めそこで準備して待ち構えていた人間。それも週刊誌の表紙を飾れるような写真ともなると一眼レフの本格的なカメラを携えてそこに居たということになる。山音爽と沙原莉子が丸の内ビルヂングに押し掛けることを前もって知りえた人間。その可能性が極めて高いと爽は思った。
「ご、ごめんなさい」
薩摩なまりの発音がやけに生々しく聞こえた。
「有希さん?」
唐突にテーブルにバタンと手を付き、額を擦り付けんばかりに頭を下げる樫脇有希。
「えっなになに、こわいこわい」
ナーナの声も上ずって泣きそうになりながら体を震わせる。
「大学の新聞部に話して部長さんを連れて行ったのは私なんです」
「分かったから、とりあえず顔は上げましょ、ね有希さん」
爽はその一言ですべてを理解した。おそらくそれは樫脇有希の一存ではなくサハラリコの差し金に寄るものだろうと。
詳しく話を聞くとまさにその通りでいい絵が撮れたら出版社に売るようにとサリコの指示は出ていたようで、それは、
(半分はもらうけど半分は越後の妻有にでも送ればいい)とのことだった。
「ほんまにルパン三世みたいなひとやなサリコさんって」
自分の取り分のお金はきっちりとそして小田香ナーナの心までも盗んでいったそんなサハラリコだった。
「あと、繭さんのお金戻るんでしょ?」
男から謝罪文が届いていてお金も払うらしいと有希は弁護士から聞かされていた。
「昨日、繭さんの口座に振り込まれたらしい、満額やないみたいやけど」
「で、繭さんはなんて?」
「今朝、電報届いてて、まだ見てないんやけど。こんなもんはみんなで見やんとと思て」
「いいじゃない、初めて見たことにしたら。ねえ、有希さん!」
「こらこら、やぶれるやろ!」
ナーナが爽の手からひったくるようにして電報を手元に寄せる。
渡良瀬繭の第一の信奉者ともいえる小田香ナーナ。繭さんは必ず私の為に帰ってきてくれる、そう今でも信じ切っている。
「電報読むなんて初めて」そう小さな声で囁きながら封筒の中を覗き込む。手垢がつかないように親指と人差し指だけでそっと中の電報を抜き取る。目をつぶって胸に手を当て二度ほど大きく深呼吸した後、祈るようにその目をゆっくりと開けた。
思わずナーナは口に手を当てる。みるみるうちにその大きな瞳が潤み、淡雪のような真っ白な肌が薄紅色に染まる。
「まゆさん・・・」
顔を涙でくしゃくしゃに崩しながら、電報を爽の前に両手で突き出すようにして差し出すナーナ。
── アダウチカンシャ ナミダガトマラナイ モウワタシハワタシダ
「仇討ち感謝、涙が止まらない、もう私は私だ 」
すべての言葉の響きが彼女だった。媚びないめげないそして怯まない。
繭さんが帰ってきた、ナーナの涙はそんな意味を持つ涙なのだろう。
(きれいな涙を流すのよ、あの子は。見ているこちらの心まで真っ白になるような涙。わかる、さや姉?)
彼女が語っていたナーナの涙、これもひとつの爽たちの大切な宝ものだ。
「ようわかる繭さん。あんたの言うた通りや」
「なに?さや姉」
「ううん、うちらの繭さんが戻ってきた、それでええねんやろナーナ」
「うん、うん」
彼女の失われたものはお金以外、爽たちにはもうどうすることもできない。
あとは彼女が自分のなかでどう決着をつけるかだけ。砕け散ったものを拾い集めて探し求めて、長い長い自分探しを続けていくのか、それともすべてを忘れすべてを捨て全く別の渡良瀬繭を求めていくのか。
「どっちでもええんや、繭さん。うちらはずっと待ってる、あんたの笑い声が聞こえるところで、あんたの微笑む顔が見えるところで」
1972年の夏ももう終わる。
渡良瀬繭の新たな闘いを横目で見ながら爽達の闘いもまた始まる。
翼を捨てた天使たち(早春編)完結
おそらくピンストライプの例の男が自分の悪行の諸々が世の中にバレることをおそれ口を閉ざしたためだろうと思われた。
拘置所に弁護士と一緒に沙原莉子に面会に行った樫脇有希が莢に伝えたところによると彼女は今回の件については「お金が戻るまではなんも喋らないから」
そう言って一切の黙秘を通しているそうだ。
一人の女子学生が起こした小さないざこざも機動隊が出動したということで新聞やテレビメディアでも報道され大学側も知ることになった。
ただ学内では学生自治会を中心に沙原莉子擁護の声が次第に大きくなっていて
大学側もそんな様子を見守っているのか彼女に対する処分の発表は騒動から2週間経っても発表はされなかった。
学生自治会にことの詳細を伝えて協力を求めたのは山音莢で軽音サークルの小田香ナーナ等部員はもちろん砂原莉子の親友の樫脇有希もその擁護活動の先頭に立って参加した。
樫脇有希はヘルメットを被り口にはタオルを巻き手には拡声器を携え、まるでサリコの化身の様な出で立ちで莢やナーナ等と共に正門前に立ち彼女のした事の詳細を伝えて大学側にも警察や公安当局に対してもその正当性と無実を訴えた。
小さな騒動が大きな案件に発展した事が余程奇異に映ったのかテレビ各局を含むマスメディアはこの事を詳細に伝え広く世間の知ることとなった。
関東一帯の全学連や全共闘もその流れに乗っかった格好で関東のみならず全国から大挙して学生が押し寄せ、学内には「サハラリコ返せ!!」のシュプレヒコールが響き渡るに至った。
「おそらく不起訴になって大学側も重くて停学処分くらいになるだろうって」
弁護士からそう連絡があったと言って樫脇有希が軽音の部室にやって来たのは
騒動から3週間ほど経った時だった。
夏休みも目前に控える七月の始め二十数名は在籍しているはずの部員たちも早くも田舎に帰ったりバイトに精を出したりしているのかここ数日部室に顔を出しているのは爽と小田香ナーナを除けば他は数名が生存確認で部室を覗くくらいだった。
「大丈夫ですよ、有希さん。もうサリコさんの学内の人気は凄すぎて掌返しもほどがあるって状態だし、テレビでも週刊誌でももう女性運動のヒロインみたいに扱われてて大変なんだから」
「まるで昭和のジャンヌダルクやな」
ナーナの弾むような声に爽がトーンを下げた声で突っ込みを入れる。
「ほらみんな見てくださいよ、これこれ」
ナーナがチャンピオンのスポーツバッグからごそごそとまさぐって取り出したのは今週発売の週刊文秋。
「今日発売で生協で売ってて、私の腰ぐらいまで積んであるんですよ、どんだけ仕入れてんねんみたいな、ふふふっ」
ナーナがコロコロと鈴を鳴らすような笑い声で目の前のテーブルに置いた週刊文秋。その表紙を見て爽が思わず声を上げた。
「ちょっ、ちょっと待って、なにこれ!?」
「これって?」
「この表紙やん、この突き上げてる右腕と親指、これサリコのやから」
爽が驚くのも無理はない。それはまるで爽の脳内にあるあの騒動のラストシーンを切り取ったかのような一枚だった。
機動隊の青いヘルメットの集団に囲まれてその中から真っ白な腕が一本伸びて
親指を空へと突き上げている。鮮やかな初夏の真っ青な雲一つない空と邪悪に青黒く光るヘルメット。その真ん中に浮き上がるように光を帯びるサリコの右腕はまさに女性解放の象徴のようだった。
そんな自分が最後に沙原莉子を見送って感動の涙にくれたあの場所から見た景色。それがそのまま週刊文秋の表紙に収まっている。
そんな奇跡がるのだろうか。
あの場所であんな騒動を起こすなんて誰も知らないはずだし週刊誌のカメラマンが張り付いてたなんてまずは考えられない。たまたまカメラを持ち合わせた人間がいてもこれほどに構えた写真を咄嗟に撮る芸当なんて奇跡にもほどがある。
「どういうことやねん?」
「機動隊に新聞社や週刊誌のカメラマンが付いてきてたんじゃないですか?」
「いや、誰も付いてきてなかったはずやし。機動隊は列を成して整然とやって来たからカメラやら機材担いでやってきた人間は目立つしすぐに分かるはずや」
予めそこで準備して待ち構えていた人間。それも週刊誌の表紙を飾れるような写真ともなると一眼レフの本格的なカメラを携えてそこに居たということになる。山音爽と沙原莉子が丸の内ビルヂングに押し掛けることを前もって知りえた人間。その可能性が極めて高いと爽は思った。
「ご、ごめんなさい」
薩摩なまりの発音がやけに生々しく聞こえた。
「有希さん?」
唐突にテーブルにバタンと手を付き、額を擦り付けんばかりに頭を下げる樫脇有希。
「えっなになに、こわいこわい」
ナーナの声も上ずって泣きそうになりながら体を震わせる。
「大学の新聞部に話して部長さんを連れて行ったのは私なんです」
「分かったから、とりあえず顔は上げましょ、ね有希さん」
爽はその一言ですべてを理解した。おそらくそれは樫脇有希の一存ではなくサハラリコの差し金に寄るものだろうと。
詳しく話を聞くとまさにその通りでいい絵が撮れたら出版社に売るようにとサリコの指示は出ていたようで、それは、
(半分はもらうけど半分は越後の妻有にでも送ればいい)とのことだった。
「ほんまにルパン三世みたいなひとやなサリコさんって」
自分の取り分のお金はきっちりとそして小田香ナーナの心までも盗んでいったそんなサハラリコだった。
「あと、繭さんのお金戻るんでしょ?」
男から謝罪文が届いていてお金も払うらしいと有希は弁護士から聞かされていた。
「昨日、繭さんの口座に振り込まれたらしい、満額やないみたいやけど」
「で、繭さんはなんて?」
「今朝、電報届いてて、まだ見てないんやけど。こんなもんはみんなで見やんとと思て」
「いいじゃない、初めて見たことにしたら。ねえ、有希さん!」
「こらこら、やぶれるやろ!」
ナーナが爽の手からひったくるようにして電報を手元に寄せる。
渡良瀬繭の第一の信奉者ともいえる小田香ナーナ。繭さんは必ず私の為に帰ってきてくれる、そう今でも信じ切っている。
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思わずナーナは口に手を当てる。みるみるうちにその大きな瞳が潤み、淡雪のような真っ白な肌が薄紅色に染まる。
「まゆさん・・・」
顔を涙でくしゃくしゃに崩しながら、電報を爽の前に両手で突き出すようにして差し出すナーナ。
── アダウチカンシャ ナミダガトマラナイ モウワタシハワタシダ
「仇討ち感謝、涙が止まらない、もう私は私だ 」
すべての言葉の響きが彼女だった。媚びないめげないそして怯まない。
繭さんが帰ってきた、ナーナの涙はそんな意味を持つ涙なのだろう。
(きれいな涙を流すのよ、あの子は。見ているこちらの心まで真っ白になるような涙。わかる、さや姉?)
彼女が語っていたナーナの涙、これもひとつの爽たちの大切な宝ものだ。
「ようわかる繭さん。あんたの言うた通りや」
「なに?さや姉」
「ううん、うちらの繭さんが戻ってきた、それでええねんやろナーナ」
「うん、うん」
彼女の失われたものはお金以外、爽たちにはもうどうすることもできない。
あとは彼女が自分のなかでどう決着をつけるかだけ。砕け散ったものを拾い集めて探し求めて、長い長い自分探しを続けていくのか、それともすべてを忘れすべてを捨て全く別の渡良瀬繭を求めていくのか。
「どっちでもええんや、繭さん。うちらはずっと待ってる、あんたの笑い声が聞こえるところで、あんたの微笑む顔が見えるところで」
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