112 / 505
初めての旅
148
しおりを挟む
旅に出ると伝えてから3日間。
イオリ達は馬車の調整に保存食作り、ダンに捕まり髪を整えられたりと忙しくしていた。
合間にはボーと花壇の花を摘んだり、コック達の新メニューの味見という襲撃にあったりと目まぐるしい。
そして現在、目の下にクマを作ったカサドにより工房へ呼び出されていた。
「おう・・・。武器は研いでおいたぞ。
パティの右の刀のグリップにクセが付いていたから直しといたぞ。
で、お前らこっち来い。」
パティを先頭に奥の部屋へ行ってみれば、大小のマネキンが置かれていた。
「カサドさん!これは?!」
「旅に出るんだろ?何時ものとは違うのも必要だと思って作った。
持ってけ!」
双子とナギは嬉しそうに足をバタつかせカサドに抱きついた。
「「カサドさん。ありがとー!」」
「ありがとー!」
「いいから、ほら!着てみろ!」
カサドは照れを隠すかの様に大きな声で怒鳴った。
双子達はクスクスと笑いながら黒革で出来たショートジャケットの袖に腕を通した。
ナギは黒革のポンチョを纏いボタンをとめた。
そしてイオリのは・・・。
「お前さんのはコートだ。
上はタイトに、下は動きやすい様になびかせといた。
まぁ、真っ黒だけどな。裏には守護の刺繍がしてある。」
それぞれの裏側にあるフェンリルやバトルホースの模様をした刺繍を見てゼンとアウラが感動してカサドに抱きついた。
「わっ!やめろ!」
子供達は楽しそうに一緒に戯れ始めた。
「そうだった!パティ。
お前には欲しがっていた。キュロットスカートとソックス作っておいたぞ!
オイ!こら!離れろ!」
イオリ達と同じパンツスタイルでの戦闘服について以前からパティはスカートが良いと言っていた。
しかしパティが蹴り技で足を上げる事を知ったカサドはガンとして受け付けなかった。
「女が足を開くなって、全く!!」
怒るカサドにイオリが紙に書いたのがキュロットスカートだった。
これなら良いと何故か乗り気になったカサドが早速作ってくれた様だ。
「やった!嬉しい!!」
黒いキュロットスカートと髪の毛と同じ菫色のニーハイソックスを抱きしめてパティは喜んだ。
「3日で全てやってくれたんですか?
ありがとうございます!!
今日はこれをお持ちしました。」
イオリはそう言うと茄子の味噌肉丼と日本酒を入れた木筒を出した。
カサドは真っ先に木筒を開け匂いを嗅いだ
「おぉ!これだ!これだ!
お前さんに貰った最初の酒は。」
嬉しそうに礼を言うカサドにイオリは微笑んだ。
「本当に有難うございました。
しっかり食べて休んでください。」
お暇しようと子供達と工房の扉に向かうとカサドに声を掛けられた。
「出発日にワシは見送りには行かんぞ。
帰ってきたら顔出せ・・・。」
振り返れば直ぐに背を向けるカサドの背にイオリ達はニッコリして言った。
「「「「行ってきます!」」」」
扉が閉まった音がしてカサドは視線を戻す。
「フン。無事に帰って来いよ。」
カサドの呟きは竈門の火の音に包まれて行った。
イオリ達は馬車の調整に保存食作り、ダンに捕まり髪を整えられたりと忙しくしていた。
合間にはボーと花壇の花を摘んだり、コック達の新メニューの味見という襲撃にあったりと目まぐるしい。
そして現在、目の下にクマを作ったカサドにより工房へ呼び出されていた。
「おう・・・。武器は研いでおいたぞ。
パティの右の刀のグリップにクセが付いていたから直しといたぞ。
で、お前らこっち来い。」
パティを先頭に奥の部屋へ行ってみれば、大小のマネキンが置かれていた。
「カサドさん!これは?!」
「旅に出るんだろ?何時ものとは違うのも必要だと思って作った。
持ってけ!」
双子とナギは嬉しそうに足をバタつかせカサドに抱きついた。
「「カサドさん。ありがとー!」」
「ありがとー!」
「いいから、ほら!着てみろ!」
カサドは照れを隠すかの様に大きな声で怒鳴った。
双子達はクスクスと笑いながら黒革で出来たショートジャケットの袖に腕を通した。
ナギは黒革のポンチョを纏いボタンをとめた。
そしてイオリのは・・・。
「お前さんのはコートだ。
上はタイトに、下は動きやすい様になびかせといた。
まぁ、真っ黒だけどな。裏には守護の刺繍がしてある。」
それぞれの裏側にあるフェンリルやバトルホースの模様をした刺繍を見てゼンとアウラが感動してカサドに抱きついた。
「わっ!やめろ!」
子供達は楽しそうに一緒に戯れ始めた。
「そうだった!パティ。
お前には欲しがっていた。キュロットスカートとソックス作っておいたぞ!
オイ!こら!離れろ!」
イオリ達と同じパンツスタイルでの戦闘服について以前からパティはスカートが良いと言っていた。
しかしパティが蹴り技で足を上げる事を知ったカサドはガンとして受け付けなかった。
「女が足を開くなって、全く!!」
怒るカサドにイオリが紙に書いたのがキュロットスカートだった。
これなら良いと何故か乗り気になったカサドが早速作ってくれた様だ。
「やった!嬉しい!!」
黒いキュロットスカートと髪の毛と同じ菫色のニーハイソックスを抱きしめてパティは喜んだ。
「3日で全てやってくれたんですか?
ありがとうございます!!
今日はこれをお持ちしました。」
イオリはそう言うと茄子の味噌肉丼と日本酒を入れた木筒を出した。
カサドは真っ先に木筒を開け匂いを嗅いだ
「おぉ!これだ!これだ!
お前さんに貰った最初の酒は。」
嬉しそうに礼を言うカサドにイオリは微笑んだ。
「本当に有難うございました。
しっかり食べて休んでください。」
お暇しようと子供達と工房の扉に向かうとカサドに声を掛けられた。
「出発日にワシは見送りには行かんぞ。
帰ってきたら顔出せ・・・。」
振り返れば直ぐに背を向けるカサドの背にイオリ達はニッコリして言った。
「「「「行ってきます!」」」」
扉が閉まった音がしてカサドは視線を戻す。
「フン。無事に帰って来いよ。」
カサドの呟きは竈門の火の音に包まれて行った。
応援ありがとうございます!
230
お気に入りに追加
17,103
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。