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旅路〜イルツク〜
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焚き火にフライパンを置き蓋を押さえながら揺すっているとポンッポンッと弾ける音がする。
「ポップコーンです。
特定の品種のトウモロコシを乾燥させて加熱すると、弾けて美味しいお菓子になるんですよ。
そっちから塩バター味。キャラメル味。ブラックペッパー味にシナモンシュガー味ですよ。
アレックスさんもロジャーさんも遠慮なさらずにどうぞ。」
未だに戸惑っているアレックスであったが、ロジャーは飲み込みの良さから塩バター味を口に放り込んだ。
「何これ。
バカ美味いじゃん!
トウモロコシなの!?本当に?」
その後もパクパクと味比べしたロジャーはどうやらシナモンシュガー味が気に入ったらしい。
「はい。アレックス。
イオリ特製のジンジャエールは最高だよ。」
スコルがカップを渡すとアレックスは思わず手に取った。
「あぁ、ありがとう。」
ぎこちなく座り込んだアレックスをディエゴ・ギロック騎士団長が楽しそうに笑った。
「貴殿の気持ちはよく分かる。
私も当初、同じように戸惑っていたのだ。
しかし、騙されたと思って飲んでみてくれ。」
ディエゴに言われアレックスとカップを覗き込んだ。
「・・・エールかい?
にしては色が薄いな。」
「違う違う!
ジンジャエールだってば。
生姜のジュースだよ。
スッキリ甘くてサッパリするよ。」
スコルに言われ一口飲んだアレックスは目を見開いた。
「美味しい・・・。
本当に美味しいよ!
冷たくてシュワシュワしてて、甘くて辛くて・・・やっぱり甘い!」
ニナがクスクス笑いながらポップコーンを持ってくるとアレックスは礼を言いつつ1掴みした。
「・・・ゴクン。
本当だ。まるでトウモロコシじゃないみたいだ。
軽くていくらでもいけそうだよ。」
先程までの戸惑いは何だったのか、アレックスとロジャーは団欒を楽しんだ。
「それで、“エルフの里の戦士”の討伐は完了してくれたのだな?」
ディエゴ・ギロック騎士団長に話しかけられアレックスは頷いた。
「えぇ、と言っても殆どが双子とヒューゴに良い所を持って行かれましたがね。
3人中2人は確保、1人は自爆しました。
・・・それで、ダンジョンの主はどうなりました?」
アレックスの報告にホッとしていたディエゴ・ギロックであったが、ダンジョンの主と聞いて何とも言えない顔で指を刺した。
そこにはナギと共に出来立ての大量のポップコーンを岩の割れ目に入れているイオリの姿があった。
「ん?
何をしているんだ?あい・・つ・・・は・・・。
ハァァァァァァ!!?」
驚きで立ち上がったアレックスに双子が不思議そうな顔で見上げた。
「どうしたのアレックス?」
「ポップコーンならまだあるよ?」
「・・・・いや。あれを見てみろ。
イオリがポップコーンをやってる奴を。」
アレックスが震えながら指を刺す方を双子とロジャーは視線を動かした。
初めは何だか分からなかった。
正体がわかると双子はワクワクしたように飛び上がり、ロジャーは声も出せずに座り込んだ。
先程まで冷静だったヒューゴも思わず、あんぐりと口を開けニナにポップコーンを詰められていく。
「あれは・・・。」
「「亀だぁぁぁぁぁぁ!!」」
「・・・馬鹿デカイすぎるだろう。」
小さな人間が騒ぐのも気にも止めず、イルツクの守護者“オリオン”は初めて食べるポップコーンとやらを堪能していた。
『フォフォフォ・・・。
人間とは実におかしな食べ物を食いよる。
これはまるで泡のようだ。
食った気がせんな。』
その後、イオリはスコルの手を借りてせっせとポップコーンを作るハメになるのだった。
「ポップコーンです。
特定の品種のトウモロコシを乾燥させて加熱すると、弾けて美味しいお菓子になるんですよ。
そっちから塩バター味。キャラメル味。ブラックペッパー味にシナモンシュガー味ですよ。
アレックスさんもロジャーさんも遠慮なさらずにどうぞ。」
未だに戸惑っているアレックスであったが、ロジャーは飲み込みの良さから塩バター味を口に放り込んだ。
「何これ。
バカ美味いじゃん!
トウモロコシなの!?本当に?」
その後もパクパクと味比べしたロジャーはどうやらシナモンシュガー味が気に入ったらしい。
「はい。アレックス。
イオリ特製のジンジャエールは最高だよ。」
スコルがカップを渡すとアレックスは思わず手に取った。
「あぁ、ありがとう。」
ぎこちなく座り込んだアレックスをディエゴ・ギロック騎士団長が楽しそうに笑った。
「貴殿の気持ちはよく分かる。
私も当初、同じように戸惑っていたのだ。
しかし、騙されたと思って飲んでみてくれ。」
ディエゴに言われアレックスとカップを覗き込んだ。
「・・・エールかい?
にしては色が薄いな。」
「違う違う!
ジンジャエールだってば。
生姜のジュースだよ。
スッキリ甘くてサッパリするよ。」
スコルに言われ一口飲んだアレックスは目を見開いた。
「美味しい・・・。
本当に美味しいよ!
冷たくてシュワシュワしてて、甘くて辛くて・・・やっぱり甘い!」
ニナがクスクス笑いながらポップコーンを持ってくるとアレックスは礼を言いつつ1掴みした。
「・・・ゴクン。
本当だ。まるでトウモロコシじゃないみたいだ。
軽くていくらでもいけそうだよ。」
先程までの戸惑いは何だったのか、アレックスとロジャーは団欒を楽しんだ。
「それで、“エルフの里の戦士”の討伐は完了してくれたのだな?」
ディエゴ・ギロック騎士団長に話しかけられアレックスは頷いた。
「えぇ、と言っても殆どが双子とヒューゴに良い所を持って行かれましたがね。
3人中2人は確保、1人は自爆しました。
・・・それで、ダンジョンの主はどうなりました?」
アレックスの報告にホッとしていたディエゴ・ギロックであったが、ダンジョンの主と聞いて何とも言えない顔で指を刺した。
そこにはナギと共に出来立ての大量のポップコーンを岩の割れ目に入れているイオリの姿があった。
「ん?
何をしているんだ?あい・・つ・・・は・・・。
ハァァァァァァ!!?」
驚きで立ち上がったアレックスに双子が不思議そうな顔で見上げた。
「どうしたのアレックス?」
「ポップコーンならまだあるよ?」
「・・・・いや。あれを見てみろ。
イオリがポップコーンをやってる奴を。」
アレックスが震えながら指を刺す方を双子とロジャーは視線を動かした。
初めは何だか分からなかった。
正体がわかると双子はワクワクしたように飛び上がり、ロジャーは声も出せずに座り込んだ。
先程まで冷静だったヒューゴも思わず、あんぐりと口を開けニナにポップコーンを詰められていく。
「あれは・・・。」
「「亀だぁぁぁぁぁぁ!!」」
「・・・馬鹿デカイすぎるだろう。」
小さな人間が騒ぐのも気にも止めず、イルツクの守護者“オリオン”は初めて食べるポップコーンとやらを堪能していた。
『フォフォフォ・・・。
人間とは実におかしな食べ物を食いよる。
これはまるで泡のようだ。
食った気がせんな。』
その後、イオリはスコルの手を借りてせっせとポップコーンを作るハメになるのだった。
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