323 / 780
旅路〜デザリア・ガレー〜
331
しおりを挟む
イオリが屋敷に戻ると子供達とヒューゴが朝食を始めていた。
一緒にテーブルを囲んでいたのは、屋敷の主人であるジュード・ガレー公爵とデザリアの筆頭魔法使いシモン・ヤティムそして、1人の少年がいた。
「おぉ、帰られたか。
どうであった?
朝のガレーは。」
どこか誇らしげなジュード・ガレーにイオリは微笑んだ。
「おはようございます。
朝霧が晴れて、とても美しかったです。」
「そうであろう。
雨上がりの朝もデザリアの多くの人間が溜息を吐くほどに素晴らしいのだ。
さぁ、イオリ殿も朝食を取るがいい。」
「ありがとうございます。」
イオリがテーブルに着くと、興味津々といった少年と目があった。
イオリが微笑むとニコッとする。
「そうであった。
イオリ殿。
息子のアシィールだ。
息子はデザリアを救ってくれた英雄に会えるのを楽しみにしていたのだ。」
ジュード・ガレーの紹介にイオリは苦笑した。
「初めまして、アシィール君。
イオリです。
英雄ではなくてイオリと・・・冒険者のイオリと覚えてほしいです。」
「初めまして!
あの・・・神鳥様にお会いしたって本当ですか!?」
嬉々として聞いてくるアシィールにイオリは頷いた。
「そうだね。
トルトルとポルポルっていうんだよ。
あの日はオレだけじゃなくて、バッカスにいた多くの人が神鳥を見たんだ。」
イオリが丁寧に答えると、子供達も我先にと答えた。
「キラキラしてて、すっごく綺麗だったよ!」
「めちゃめちゃデッカイよ。
この屋敷くらいデカい。」
「トルトルが空の青色でポルポルが太陽の黄色だよ。
ニナが、お守り持ってる。」
「うん!
後で見せてあげるね。」
話を聞いていたアシィールは顔を輝かして頷いた。
「楽しみだな~。
父上。
みんなを呼んで良いですか?」
「客人に迷惑がかからないようにな。」
ジュード・ガレーが息子に威厳たっぷりに頷くと同時に1人の女性がトレーに壺を乗せて入って来た。
「あら?イオリ様がお戻りですか?」
優しく微笑む女性をジュード・ガレーは「妻のセルマだ。」と紹介する。
初対面のイオリは挨拶をすると滞在の礼を述べた。
そんなイオリにセルマ夫人は、楽しそうに微笑む。
「よくお休みになられました?
なんでも仰って下さいね。
さぁ、皆さん、こちらも召し上がって下さいな。
イチゴと蜂蜜を煮たソースです。
パンに合いますよ。」
「私と友達が摘んできたんだ。」
セルマとアシィールの笑顔につられるように子供達も嬉しそうに壺を覗き込んだ。
「わぁ~。
ジャムだね。
美味しそう。
頂きます!!」
真っ先に食いしん坊のパティが手を伸ばす。
「ジャム?」
不思議そうなセルマにイオリはジャムの作り方を説明した。
「砂糖を大量に?
とっても贅沢ね・・・。」
「アースガイルでは、砂糖の生産に力を入れているんです。
ポーレットという街では砂糖の事業は公共事業です。
一般市民にも手が届く価格で流通し始めているんですよ。」
ヒューゴの説明に驚いたのはセルマだけではなくジュード・ガレーも同じだった。
「公共事業・・・?
それは一体なんだ?」
これは話が長くなる。
察したスコルはセルマを含めて子供達に目線で合図をすると、イチゴジャムの壺とパンの籠を手にすると、コッソリと庭に逃げだすのだった。
一緒にテーブルを囲んでいたのは、屋敷の主人であるジュード・ガレー公爵とデザリアの筆頭魔法使いシモン・ヤティムそして、1人の少年がいた。
「おぉ、帰られたか。
どうであった?
朝のガレーは。」
どこか誇らしげなジュード・ガレーにイオリは微笑んだ。
「おはようございます。
朝霧が晴れて、とても美しかったです。」
「そうであろう。
雨上がりの朝もデザリアの多くの人間が溜息を吐くほどに素晴らしいのだ。
さぁ、イオリ殿も朝食を取るがいい。」
「ありがとうございます。」
イオリがテーブルに着くと、興味津々といった少年と目があった。
イオリが微笑むとニコッとする。
「そうであった。
イオリ殿。
息子のアシィールだ。
息子はデザリアを救ってくれた英雄に会えるのを楽しみにしていたのだ。」
ジュード・ガレーの紹介にイオリは苦笑した。
「初めまして、アシィール君。
イオリです。
英雄ではなくてイオリと・・・冒険者のイオリと覚えてほしいです。」
「初めまして!
あの・・・神鳥様にお会いしたって本当ですか!?」
嬉々として聞いてくるアシィールにイオリは頷いた。
「そうだね。
トルトルとポルポルっていうんだよ。
あの日はオレだけじゃなくて、バッカスにいた多くの人が神鳥を見たんだ。」
イオリが丁寧に答えると、子供達も我先にと答えた。
「キラキラしてて、すっごく綺麗だったよ!」
「めちゃめちゃデッカイよ。
この屋敷くらいデカい。」
「トルトルが空の青色でポルポルが太陽の黄色だよ。
ニナが、お守り持ってる。」
「うん!
後で見せてあげるね。」
話を聞いていたアシィールは顔を輝かして頷いた。
「楽しみだな~。
父上。
みんなを呼んで良いですか?」
「客人に迷惑がかからないようにな。」
ジュード・ガレーが息子に威厳たっぷりに頷くと同時に1人の女性がトレーに壺を乗せて入って来た。
「あら?イオリ様がお戻りですか?」
優しく微笑む女性をジュード・ガレーは「妻のセルマだ。」と紹介する。
初対面のイオリは挨拶をすると滞在の礼を述べた。
そんなイオリにセルマ夫人は、楽しそうに微笑む。
「よくお休みになられました?
なんでも仰って下さいね。
さぁ、皆さん、こちらも召し上がって下さいな。
イチゴと蜂蜜を煮たソースです。
パンに合いますよ。」
「私と友達が摘んできたんだ。」
セルマとアシィールの笑顔につられるように子供達も嬉しそうに壺を覗き込んだ。
「わぁ~。
ジャムだね。
美味しそう。
頂きます!!」
真っ先に食いしん坊のパティが手を伸ばす。
「ジャム?」
不思議そうなセルマにイオリはジャムの作り方を説明した。
「砂糖を大量に?
とっても贅沢ね・・・。」
「アースガイルでは、砂糖の生産に力を入れているんです。
ポーレットという街では砂糖の事業は公共事業です。
一般市民にも手が届く価格で流通し始めているんですよ。」
ヒューゴの説明に驚いたのはセルマだけではなくジュード・ガレーも同じだった。
「公共事業・・・?
それは一体なんだ?」
これは話が長くなる。
察したスコルはセルマを含めて子供達に目線で合図をすると、イチゴジャムの壺とパンの籠を手にすると、コッソリと庭に逃げだすのだった。
応援ありがとうございます!
100
お気に入りに追加
9,840
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる