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旅路〜ルーシュピケ〜
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「ほうほう。
これは面白いな。
のう、ダイダや。」
「うむうむ。
これなら、私等でも出来るな。
なあ、カロスや。」
2人の老エルフはイオリが作った鍵編み棒で器用に編み物を続けていた。
「太い毛糸で太い鍵編みなら、ザックリと大ぶりな編み込みが出来ますし、細い糸で細い鍵編みなら細かい模様が出来ますよ。
レースですね。」
意気揚々なイオリに2人の眼光は鋭い。
「レースとな。
これは、また面白いな。」
「若いの、細い鍵編み棒も作っておくれ。」
体力的に機織りが出来なくなり、後進を育てる事に従事している2人であったが、鍵編みならば出来ると気合が入ったようだ。
それを見て、グラバーが頭の中でそろばんを弾いているのが見えて、イオリは苦笑した。
「はいはい。
待っててくださいね。」
イオリが立ち上がると、2人の老エルフは既に自分の世界に入り鍵編みに夢中になっていた。
「いやー。
イオリ様。
お見事です。
機織りを引退した2人が現役時代に戻ったかのようにイキイキされていますよ。」
感心するグラバーにイオリは微笑んだ。
「祖母が、手仕事としてやってたんですよ。
俺は見ているだけだったんで、出来るか分からなかったけれど、思ってたよりも上手く仕上がりましたね。
うちの子にも作らないと不貞腐れそうですよ。」
イオリは、恐らく今も尚、街で騒々しくしている2人の娘を思い笑い出した。
その時だった。
「おい!
ここに、客人がいるって聞いたんだが、どこにいる?
イオリ様って名前の男だ!」
2人のエルフが機織りの工場に飛び込んできた。
慌てた様子の2人に視線が集まる中、イオリがのんびりと顔を出した。
「ここにいますよ?
どうしました?」
「いた!
客人!!
大変なんだ。」
「ハニエルの爺様が!
爺様が!」
血相を変える2人にイオリの顔が真剣になる。
「どうしたんです?
ハニエル老が何か?」
すでに職人達も手を止めて、心配そうに様子を伺っている。
「爺様が胸を押さえて苦しそうにしながら《今すぐにイオリ様を大樹に連れて行け》って言うんだ。
どうしてだか分からないが、ガーディアンが先導する。
一緒に来てくれ。」
状況が掴めないが、事は急ぐらしい。
イオリは頷くとカロンとダイダに視線を向けた。
すると、2人は構わずに行けと手を振っている。
「ボクも行く!」
「僕も!」
ナギとラックも先程までの和やかな顔つきではない。
イオリは不安そうなコーラルを見つめた。
コーラルは手をギュっと握りしめると、コクンと頷いた。
「この子を迎えに来るように、獣人の里に伝を出そう。
安心して行って来い。」
カロンの一言にイオリの腹が座った。
「よろしくお願いします。
行きましょう。」
イオリはナギとラックを連れて、2人のエルフの後を追いかけて行った。
「愛し子の運命か・・・。」
「何やら起きるかもしれんな。」
カロンとダイダの呟きにコーラルは不安そうにイオリ達の背中を見つめた。
これは面白いな。
のう、ダイダや。」
「うむうむ。
これなら、私等でも出来るな。
なあ、カロスや。」
2人の老エルフはイオリが作った鍵編み棒で器用に編み物を続けていた。
「太い毛糸で太い鍵編みなら、ザックリと大ぶりな編み込みが出来ますし、細い糸で細い鍵編みなら細かい模様が出来ますよ。
レースですね。」
意気揚々なイオリに2人の眼光は鋭い。
「レースとな。
これは、また面白いな。」
「若いの、細い鍵編み棒も作っておくれ。」
体力的に機織りが出来なくなり、後進を育てる事に従事している2人であったが、鍵編みならば出来ると気合が入ったようだ。
それを見て、グラバーが頭の中でそろばんを弾いているのが見えて、イオリは苦笑した。
「はいはい。
待っててくださいね。」
イオリが立ち上がると、2人の老エルフは既に自分の世界に入り鍵編みに夢中になっていた。
「いやー。
イオリ様。
お見事です。
機織りを引退した2人が現役時代に戻ったかのようにイキイキされていますよ。」
感心するグラバーにイオリは微笑んだ。
「祖母が、手仕事としてやってたんですよ。
俺は見ているだけだったんで、出来るか分からなかったけれど、思ってたよりも上手く仕上がりましたね。
うちの子にも作らないと不貞腐れそうですよ。」
イオリは、恐らく今も尚、街で騒々しくしている2人の娘を思い笑い出した。
その時だった。
「おい!
ここに、客人がいるって聞いたんだが、どこにいる?
イオリ様って名前の男だ!」
2人のエルフが機織りの工場に飛び込んできた。
慌てた様子の2人に視線が集まる中、イオリがのんびりと顔を出した。
「ここにいますよ?
どうしました?」
「いた!
客人!!
大変なんだ。」
「ハニエルの爺様が!
爺様が!」
血相を変える2人にイオリの顔が真剣になる。
「どうしたんです?
ハニエル老が何か?」
すでに職人達も手を止めて、心配そうに様子を伺っている。
「爺様が胸を押さえて苦しそうにしながら《今すぐにイオリ様を大樹に連れて行け》って言うんだ。
どうしてだか分からないが、ガーディアンが先導する。
一緒に来てくれ。」
状況が掴めないが、事は急ぐらしい。
イオリは頷くとカロンとダイダに視線を向けた。
すると、2人は構わずに行けと手を振っている。
「ボクも行く!」
「僕も!」
ナギとラックも先程までの和やかな顔つきではない。
イオリは不安そうなコーラルを見つめた。
コーラルは手をギュっと握りしめると、コクンと頷いた。
「この子を迎えに来るように、獣人の里に伝を出そう。
安心して行って来い。」
カロンの一言にイオリの腹が座った。
「よろしくお願いします。
行きましょう。」
イオリはナギとラックを連れて、2人のエルフの後を追いかけて行った。
「愛し子の運命か・・・。」
「何やら起きるかもしれんな。」
カロンとダイダの呟きにコーラルは不安そうにイオリ達の背中を見つめた。
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