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旅路〜パライソの森⒉〜
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双子は真っ直ぐに“エルフの里の戦士”に走りこんで行った。
「パティ!」
「うん!」
スコルがしゃがみ込み長剣で敵の足を薙ぎ払うのと、パティが高くとび双剣で敵の首を狙ったのは同時の事だった。
それまで、どこか余裕を持って立っていた“エルフの里の戦士”も、素早い上下の攻撃に思わず真後ろに飛び避けた。
「チッ!
低俗種族の獣が!!」
何とか、避け切った“エルフの里の戦士”の後を追うこともなく双子はスタスタとヒューゴの元に戻っていく。
「ちぇっ。
避けられちゃった。」
「やっぱり、素早いね。」
悔しそうなパティと冷静なスコルにヒューゴは苦笑した。
「まぁな。
そんなに簡単な連中なら、ガーディアン達も苦労はしないだろうさ。
お前達の最初の攻撃は避けられた。
次はどうする?」
まるで訓練のような口振りのヒューゴに共に立っていたガーディアン“サバト”のメンバーであるエルフのハルラスは戸惑っているようだ。
ーーーー今の攻撃は素晴らしかった。
並の相手なら重傷を負っていただろう。
「どうやら、奴は相手の出方を見るのに長けているな。」
ヒューゴは、追撃をしてこない敵を見て考え込んだ。
「愚直な相手に合わせてやる事もないだろう。
2人で踊って相手を追いやれよ。」
ヒューゴの提案に2人は顔を見合わせニコニコと頷いた。
ーーーー何をする気なのだろう。
ハルラスの思いを読んだのか、ヒューゴがチラリと振り返った。
「一瞬だ。
一瞬の隙を見逃すなよ。」
何の事を言われているのかは分からなかったが、再び攻撃が始まる事は分かった。
「承知した。」
持っていた槍をギュッと握りしめたハルラスは激昂している敵を見据えた。
「ウラギリモノと低俗種族の獣のガキ共、それに脆弱な人族が・・・我らの邪魔だてするとは烏滸がましい。」
ブツブツと呟いている“エルフの里の戦士”の事などお構いなしにスコルとパティの兄妹は自身の剣を構えた。
「「もういっちょ!!」」
声を揃えたかと思えば、再び突撃していく2人の狼の獣人の子供に“エルフの里の戦士”は歯軋りをした。
「しつこい!!」
今度は“エルフの里の戦士”も目にも止まらぬ速さで槍を突いていく。
それをスコルとパティの2人は、まるでダンスを踊るかのように軽々と避けていく。
「「キャハハ!」」
「クッ!おのれッ!」
笑いながら戦う2人の子供と苦渋な顔に満ちていく“エルフの里の戦士”の光景は異常とも言える物だった。
「ちょこまかと、小賢しい!」
突いていた槍を薙ぎ払い出した“エルフの里の戦士”の攻撃もスコルとパティは何のそのとばかりに合わせていた。
イライラが絶好調になった“エルフの里の戦士”の若干のリズムの乱れに気づいた2人は避けるのをやめて、攻撃をし始める。
「グッ!」
スコルとパティの乱れぬ攻撃に“エルフの里の戦士”が思わず、後に飛び退いた時だった。
ガンっ!!
逃げ道が、見えない壁に阻まれ押し戻された。
「何っ!」
あるはずのない場所に現れた見えない壁に気を取られた瞬間だった。
「ここはお前達の居場所ではない。
出ていけ。」
グサっとの音と共に“エルフの里の戦士”はルーシュピケの“ガーディアン”ハルラスの渾身の一槍に貫かれていた。
「パティ!」
「うん!」
スコルがしゃがみ込み長剣で敵の足を薙ぎ払うのと、パティが高くとび双剣で敵の首を狙ったのは同時の事だった。
それまで、どこか余裕を持って立っていた“エルフの里の戦士”も、素早い上下の攻撃に思わず真後ろに飛び避けた。
「チッ!
低俗種族の獣が!!」
何とか、避け切った“エルフの里の戦士”の後を追うこともなく双子はスタスタとヒューゴの元に戻っていく。
「ちぇっ。
避けられちゃった。」
「やっぱり、素早いね。」
悔しそうなパティと冷静なスコルにヒューゴは苦笑した。
「まぁな。
そんなに簡単な連中なら、ガーディアン達も苦労はしないだろうさ。
お前達の最初の攻撃は避けられた。
次はどうする?」
まるで訓練のような口振りのヒューゴに共に立っていたガーディアン“サバト”のメンバーであるエルフのハルラスは戸惑っているようだ。
ーーーー今の攻撃は素晴らしかった。
並の相手なら重傷を負っていただろう。
「どうやら、奴は相手の出方を見るのに長けているな。」
ヒューゴは、追撃をしてこない敵を見て考え込んだ。
「愚直な相手に合わせてやる事もないだろう。
2人で踊って相手を追いやれよ。」
ヒューゴの提案に2人は顔を見合わせニコニコと頷いた。
ーーーー何をする気なのだろう。
ハルラスの思いを読んだのか、ヒューゴがチラリと振り返った。
「一瞬だ。
一瞬の隙を見逃すなよ。」
何の事を言われているのかは分からなかったが、再び攻撃が始まる事は分かった。
「承知した。」
持っていた槍をギュッと握りしめたハルラスは激昂している敵を見据えた。
「ウラギリモノと低俗種族の獣のガキ共、それに脆弱な人族が・・・我らの邪魔だてするとは烏滸がましい。」
ブツブツと呟いている“エルフの里の戦士”の事などお構いなしにスコルとパティの兄妹は自身の剣を構えた。
「「もういっちょ!!」」
声を揃えたかと思えば、再び突撃していく2人の狼の獣人の子供に“エルフの里の戦士”は歯軋りをした。
「しつこい!!」
今度は“エルフの里の戦士”も目にも止まらぬ速さで槍を突いていく。
それをスコルとパティの2人は、まるでダンスを踊るかのように軽々と避けていく。
「「キャハハ!」」
「クッ!おのれッ!」
笑いながら戦う2人の子供と苦渋な顔に満ちていく“エルフの里の戦士”の光景は異常とも言える物だった。
「ちょこまかと、小賢しい!」
突いていた槍を薙ぎ払い出した“エルフの里の戦士”の攻撃もスコルとパティは何のそのとばかりに合わせていた。
イライラが絶好調になった“エルフの里の戦士”の若干のリズムの乱れに気づいた2人は避けるのをやめて、攻撃をし始める。
「グッ!」
スコルとパティの乱れぬ攻撃に“エルフの里の戦士”が思わず、後に飛び退いた時だった。
ガンっ!!
逃げ道が、見えない壁に阻まれ押し戻された。
「何っ!」
あるはずのない場所に現れた見えない壁に気を取られた瞬間だった。
「ここはお前達の居場所ではない。
出ていけ。」
グサっとの音と共に“エルフの里の戦士”はルーシュピケの“ガーディアン”ハルラスの渾身の一槍に貫かれていた。
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