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旅路〜パライソの森⒉〜
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「・・・アースガイル。」
呟くムネタカにイオリは微笑む。
「ご縁があり、ルーシュピケの皆さんに良くしていただいているのです。
ショーグン様・・・あの・・ムネタカ様で良いですか?」
イオリとしてはムズ痒い苗字である相手に照れるように頬を掻くと、後にいる家臣達がピクリと反応している。
「構わぬ。
私もイオリ殿と呼ばせて貰おう。」
互いに紹介ができたところで、イオリは話し合いを続けた。
「端的に申し上げます。
ルーシュピケの民は怯えています。
人族に危害を加えられた者達も多いのです。
そんな中、貴方達がパライソの森で隠れるように過ごしていた。
ここに来たのは、先程おっしゃられていた短い期間ではないはずです。
彼らの言葉で言えば、森が教えてくれたそうですよ。」
柔和なイオリの話し方で誤魔化されているが、ムネタカ達は嘘を暴かれている事に気づいていた。
「・・・そうであったか。
我々はそちら側に悪い印象を与えてしまったのだな。」
「そうなりますね。」
苦笑したイオリに絆されるようにムネタカは困ったように微笑んだ。
「実は・・・我々は国から逃げていきたのだ。
助けを求めにデザリアに向かおうとしていた。
しかし、追っての気配があり身を隠していた次第だ。」
あっさりと話し始めた主人に家臣達が驚いた。
「ムネタカ!
どこの誰か分からぬ者に軽々しく話すな!」
「そうです。
貴方様は命を狙われているのですよ。」
家臣の2人の目はイオリを睨んでいた。
「良いのだ。
ここは我らの国ではない。
本来はルーシュピケに道理を通し、助けを求めたら良かったのだろうが、ルーシュピケの民は人嫌いと聞くし、目立つのを避けたいが為に洞窟に身を隠していたのだ。
余計に混乱させたのは申し訳ない事だ。」
どこか諦めたようなムネタカは優しげに笑った。
「我が国の国難において逃げる選択をした時点で私は“火の男”として失格なのだ。」
その言葉に後にいる家臣達も顔を歪めていた。
「・・・だとしても。
情けない姿だとしても・・・どんな方法を使っても私は国を取り戻さなければならないのだ!!」
「取り戻さないとならない?」
苦しげに叫ぶムネタカにイオリが首を傾げた。
「・・・私では解決など出来ないのだ。」
悲しげに呟く彼が小さく見えた。
「それでデザリアに向かおうと思ったんですね?」
「あぁ。
彼の国は我が国とは違い、魔法に長けた国だ。
助力を願えば何とかなるかもしれないと考えたのだ。」
「それを阻止したい人達に命を狙われているのですね?」
「・・・その通りだ。」
イオリの言葉が疑問ではなく確認になっている事に気づいたのだろう。
ムネタカが問いかけるように見上げた。
「“エルフの里の戦士”との戦いでルーシュピケのガーディアンにも被害が出ました。
彼らに納得してもらうには、貴方は全てを話す必要があります。
分かっているのは、貴方の敵は“エルフの里の戦士”を送ってくるほどに貴方を止めだがっているという事です。
そして、危険は今も同じです。」
「主っ!!」
イオリの言葉に目を見開くムネタカが理解できていない内にロクが覆いかぶさってきた。
「ロク?ロク!!
あぁぁぁぁぁぁ!」
家臣の背に矢が刺さったのが見えたムネタカは絶叫した。
呟くムネタカにイオリは微笑む。
「ご縁があり、ルーシュピケの皆さんに良くしていただいているのです。
ショーグン様・・・あの・・ムネタカ様で良いですか?」
イオリとしてはムズ痒い苗字である相手に照れるように頬を掻くと、後にいる家臣達がピクリと反応している。
「構わぬ。
私もイオリ殿と呼ばせて貰おう。」
互いに紹介ができたところで、イオリは話し合いを続けた。
「端的に申し上げます。
ルーシュピケの民は怯えています。
人族に危害を加えられた者達も多いのです。
そんな中、貴方達がパライソの森で隠れるように過ごしていた。
ここに来たのは、先程おっしゃられていた短い期間ではないはずです。
彼らの言葉で言えば、森が教えてくれたそうですよ。」
柔和なイオリの話し方で誤魔化されているが、ムネタカ達は嘘を暴かれている事に気づいていた。
「・・・そうであったか。
我々はそちら側に悪い印象を与えてしまったのだな。」
「そうなりますね。」
苦笑したイオリに絆されるようにムネタカは困ったように微笑んだ。
「実は・・・我々は国から逃げていきたのだ。
助けを求めにデザリアに向かおうとしていた。
しかし、追っての気配があり身を隠していた次第だ。」
あっさりと話し始めた主人に家臣達が驚いた。
「ムネタカ!
どこの誰か分からぬ者に軽々しく話すな!」
「そうです。
貴方様は命を狙われているのですよ。」
家臣の2人の目はイオリを睨んでいた。
「良いのだ。
ここは我らの国ではない。
本来はルーシュピケに道理を通し、助けを求めたら良かったのだろうが、ルーシュピケの民は人嫌いと聞くし、目立つのを避けたいが為に洞窟に身を隠していたのだ。
余計に混乱させたのは申し訳ない事だ。」
どこか諦めたようなムネタカは優しげに笑った。
「我が国の国難において逃げる選択をした時点で私は“火の男”として失格なのだ。」
その言葉に後にいる家臣達も顔を歪めていた。
「・・・だとしても。
情けない姿だとしても・・・どんな方法を使っても私は国を取り戻さなければならないのだ!!」
「取り戻さないとならない?」
苦しげに叫ぶムネタカにイオリが首を傾げた。
「・・・私では解決など出来ないのだ。」
悲しげに呟く彼が小さく見えた。
「それでデザリアに向かおうと思ったんですね?」
「あぁ。
彼の国は我が国とは違い、魔法に長けた国だ。
助力を願えば何とかなるかもしれないと考えたのだ。」
「それを阻止したい人達に命を狙われているのですね?」
「・・・その通りだ。」
イオリの言葉が疑問ではなく確認になっている事に気づいたのだろう。
ムネタカが問いかけるように見上げた。
「“エルフの里の戦士”との戦いでルーシュピケのガーディアンにも被害が出ました。
彼らに納得してもらうには、貴方は全てを話す必要があります。
分かっているのは、貴方の敵は“エルフの里の戦士”を送ってくるほどに貴方を止めだがっているという事です。
そして、危険は今も同じです。」
「主っ!!」
イオリの言葉に目を見開くムネタカが理解できていない内にロクが覆いかぶさってきた。
「ロク?ロク!!
あぁぁぁぁぁぁ!」
家臣の背に矢が刺さったのが見えたムネタカは絶叫した。
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