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皇帝の弟殿下の大いなる溜息
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「皇帝陛下は大公閣下を亡き者にしたいのか・・・?」
呟くセキエイにスサが微笑んだ。
「寝とけよ。
余計な事を考えると、寝れなくなるぞ。」
「あぁ。そうだな。」
ーーー皇帝陛下は大公閣下を亡き者にしたいのか
セキエイが思わず口にした言葉はロンサンティエの人間なら誰もが一度は思う事だった。
スサもセキエイも侯爵家と伯爵家を実家に持つ立派な貴族の御曹司だった。
互いに次男であったり、3男であったりと他に後継者がいる事から早々に騎士学校へ通い、親元から離れた立場である。
配属された先が後宮に捨てられた弟大公だと知った時は落ち込みもしたが、出来の良い上司と気付けば今や忠誠を誓うまでになった。
実家が安定しているのだから結婚も無用だと、2人は望んで宦官になりディミトリオ・ハクヤの側にいる。
だからこそ皇帝陛下の気まぐれに付き合わされている上司が哀れで他ならないのだ。
ディミトリオ・ハクヤの後宮での人気は顔だけでなく、誠実で柔和な事も起因していると2人は知っていた。
それは何かと揉め事の多い後宮での妃達の争いのみならず、末端の洗濯娘の悩み事まで耳を傾ける彼の細やかな気遣いが後宮のピリついた空気を何とかして平静に保たせているのだ。
自分の好きな時に来て横暴に振る舞う皇帝陛下と比べティミトリオ・ハクヤが後宮の女性達の心を掴んでしまうことなど明白である。
「閣下が何をお考えであろうとも、俺は最後まで付いて行くよ。」
何となく思った事を口にしたスサであったが、眠っていたと思っていた侍従と目が合うとギョッとした顔で息を呑んだ。
「それは心強いですね。
私、1人では主様を支えるのは重たいですからね。
貴方達がいると助かります。」
珍しく微笑む侍従・クレイに気恥ずかしくなったスサは顔を背けて頭を掻いた。
「寝て下さい。
明日の天気がどうなるか分かりませんが、出発は早朝になるでしょうから。」
「えぇ。
貴方も交代まで頑張って下さい。」
寝が入りをしたクレイの背を見つめスサは小さく息を吐いた。
そんな部下達の言葉を聞いていたディミトリオ・ハクヤは漏れる微笑みを押し殺して、再び眠りにつくのだった。
男4人が肩身を狭めて休む中、龍王島の奥の奥の方では誰かと誰かが顔を寄せ合い話す声がした。
『ほう。珍しい。
久々に血脈の気配がします。』
『しかし、紛いものもいるな。』
『アチラはご時世の変化がありますからねぇ。
血脈が1人で来るわけにもいかなくなったのでしょう。』
『気に入らんな。』
『フフフ。
まぁまぁ、とりあえず楽しみではないですか。
何者が来るのか見極めてやりましょうぞ。』
夜も更ける暗闇で何ものかの目がギラリと光のだった。
呟くセキエイにスサが微笑んだ。
「寝とけよ。
余計な事を考えると、寝れなくなるぞ。」
「あぁ。そうだな。」
ーーー皇帝陛下は大公閣下を亡き者にしたいのか
セキエイが思わず口にした言葉はロンサンティエの人間なら誰もが一度は思う事だった。
スサもセキエイも侯爵家と伯爵家を実家に持つ立派な貴族の御曹司だった。
互いに次男であったり、3男であったりと他に後継者がいる事から早々に騎士学校へ通い、親元から離れた立場である。
配属された先が後宮に捨てられた弟大公だと知った時は落ち込みもしたが、出来の良い上司と気付けば今や忠誠を誓うまでになった。
実家が安定しているのだから結婚も無用だと、2人は望んで宦官になりディミトリオ・ハクヤの側にいる。
だからこそ皇帝陛下の気まぐれに付き合わされている上司が哀れで他ならないのだ。
ディミトリオ・ハクヤの後宮での人気は顔だけでなく、誠実で柔和な事も起因していると2人は知っていた。
それは何かと揉め事の多い後宮での妃達の争いのみならず、末端の洗濯娘の悩み事まで耳を傾ける彼の細やかな気遣いが後宮のピリついた空気を何とかして平静に保たせているのだ。
自分の好きな時に来て横暴に振る舞う皇帝陛下と比べティミトリオ・ハクヤが後宮の女性達の心を掴んでしまうことなど明白である。
「閣下が何をお考えであろうとも、俺は最後まで付いて行くよ。」
何となく思った事を口にしたスサであったが、眠っていたと思っていた侍従と目が合うとギョッとした顔で息を呑んだ。
「それは心強いですね。
私、1人では主様を支えるのは重たいですからね。
貴方達がいると助かります。」
珍しく微笑む侍従・クレイに気恥ずかしくなったスサは顔を背けて頭を掻いた。
「寝て下さい。
明日の天気がどうなるか分かりませんが、出発は早朝になるでしょうから。」
「えぇ。
貴方も交代まで頑張って下さい。」
寝が入りをしたクレイの背を見つめスサは小さく息を吐いた。
そんな部下達の言葉を聞いていたディミトリオ・ハクヤは漏れる微笑みを押し殺して、再び眠りにつくのだった。
男4人が肩身を狭めて休む中、龍王島の奥の奥の方では誰かと誰かが顔を寄せ合い話す声がした。
『ほう。珍しい。
久々に血脈の気配がします。』
『しかし、紛いものもいるな。』
『アチラはご時世の変化がありますからねぇ。
血脈が1人で来るわけにもいかなくなったのでしょう。』
『気に入らんな。』
『フフフ。
まぁまぁ、とりあえず楽しみではないですか。
何者が来るのか見極めてやりましょうぞ。』
夜も更ける暗闇で何ものかの目がギラリと光のだった。
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