溜息だって吐きたくなるわっ!〜100賢人仕込みの龍姫は万年反抗期〜

ぽん

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老師との訓練という名の戯れ

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「諸君よ!整列!!」

 朝食を終え、訓練に入ると言い放った老師は号令をかけた。

「是非にも私共にも御教授下さい。」
 
 朝食中にそう言ったのは侍従のクレイだった。
 主人だけに苦難の道を進ませないと心に決めた男は、何処までも共にすると真面目だった。
 教える事が大好きな老師は、これを嬉々として受け入れたのである。

 整列したディミトリオ・ハクヤ、クレイ、スサ、セキエイをグルリと見渡すと老師は満足気に頷いた。

「よし、まずはこれから魔力値を測る。
 それにより、訓練内容が変わってるくるからな。
 お前さんからだ。」

 老師は昨日のディミトリオ・ハクヤにやったようにクレイの額に指を当てた。

「ふむ。
 ・・・よしよし。
 其方の魔力も十分じゃ。
 次っ!」

 クレイの潜在魔力に納得した老師は続いてスサの額に指を当てた。

「ほう。
 これはこれは・・・ウム。
 まぁ、良いだろう。
 次っ!」

 スサは騎士である自分に魔力を扱えるのか心配だったが、老師の言葉に安堵したように息を吐いた。

「あの・・・私は・・。」

 困り顔をしたのはセキエイだった。
 なんせ、幼少期より魔力など感じた事もなかったのだ。
 測定経験もあるが、やはり皆無だった。
 騎士になるのに必要ないと腹を括って生きてきたが、ここに来て必要性を知らされてしまった。

「まぁ、焦るでない。
 どれどれ・・・ウムウム。
 なるほどな。」

 それ以上、何も言わない老師にセキエイは蓋してきた劣等感が湧き上がってくるのを感じていた。

「よしよし。
 最初に説明をしておこう。
 これから、お前さん達に教えるのは妖精との付き合い方だ。
 本来の人間と妖精・・・そして龍の関係は昨日も話したであろう?
 実際、妖精は魔力を糧として契約者に力を貸してくれる。
 当然、魔力を多く持っている者の方が妖精の力を借りやすくなる。」

 老師の言葉をディミトリオ・ハクヤは必死で理解しようとしていた。

「まさか、我々は妖精と契約を?」

「その通りじゃ。大公殿は勘が良い。
 契約した妖精は、其方らの力になる。
 ひいては、リリィの助けとなるだろう・・・。」

 庭に実っていたチェリーをルーチェと共に採っていたリリィの横顔を見つめて老師は微笑んだ。
 それは、可愛い孫を愛でる老人の様だった。

「ゴホン。
 そして、魔力の少ない者よ。」

 老師に名指しされ、セキエイはドキンっと心臓が跳ね上がった。

「安心せいよ。
 魔力が何のなら、代わりに体力を捧げよ。
 魔力と違い、副作用があるが問題なかろう。」

「副作用・・・?」

 戸惑うセキエイに老師はケラケラと笑った。

「なぁに、簡単な事だ。
 腹が減るのじゃよ。
 だから、よう食え。
 食うて体力をつけよ。」

 思わぬ解決方法にセキエイは目を見張った。

 


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