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混沌なる後宮
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『オラ!
何見てんだよ!
姫様以外の人間が、私を好きに出来ると思うなよ。』
荒っぽい口調で周囲を威嚇するのは赤龍の名前をカシャという。
火の力で全てを無に返す事を得意とするが怒りっぽく、リリィに忠実で彼女以外の話はなかなか聞き入れる事がない。
『カシャがうるさい。』
『カシャは頭が足りない。』
そんな赤龍を揶揄う2匹の琥珀色の龍がいた。
双子であり1匹はサン、もう1匹はノームの名を持っていた。
土や植物に干渉する力を持ち、命を芽吹かせる事が出来る比較的に幼い龍は、リリィの事が大好きでイタズラしては彼女を笑わせていた。
『本当にお前らは喧しいのぉ。』
赤と琥珀の3匹の龍を呆れた様に見つめているのが、緑龍のジンである。
大事を届ける風の力を持つ老齢の龍は知恵者であり、豊富な経験で皆を導く事だろう。
『・・・くだらない。』
そう呟き、リリィの肩に腰掛けたのは青龍、名をスイテンと言った。
水の力を持つ彼は恵みを齎す力を持つ。
クールな性格で無口なほうだが、他の龍と同じく楽しい事には興味があり、時折口にする言葉にはユーモアがある。
『みんな、はしゃいでるね。』
そう言って、リリィに頬擦りしたのは、お馴染みである白銀龍のルーチェであった。
未来を照らす光の力は龍の姫巫女として誕生したリリィと1番相性が良く、幼い事から共に過ごし親友として彼女の側を片時も離れる事はない。
「身につけていた宝石はこの子達だったのだよ。
謁見の大広間に大きな風穴を開けたのは彼らの力のお陰なの。」
何気なく紹介するリリィにディミトリオ・ハクヤは唖然とした。
彼らは確かにロンサンティエ帝国を滅ぼせるだけの力を持っていたのだ・・・。
皇室が・・・市民が・・・国が・・・考えを改めない限り、嘗てのように龍達はロンサンティエ帝国に鉄槌を下す事だろう。
『案ずるな。大公。
お前の様な者もいる。
我らが今すぐに何か事を起こす事はないだろう。』
緑の龍がプカプカと近づいてきた。
年寄りじみた話し方をする1番の年長者の言葉には重みがある。
「しかし、現にリリィは今だに宝樹を治してはいない。
貴族の中には、それを危ぶむ者もいるのだ。
私は、奴らの動きが心配でならない。」
『時が来る。
それまで待て。
ワシらが言えるのはそこまでだ。』
龍の姫巫女が宝樹に力を込めるのに時が必要と緑の龍は言った。
理由は分からないがディミトリオ・ハクヤは素直に信じようと思った。
人は嘘を付くが、龍は嘘をつかない。
そんなディミトリオ・ハクヤに満足したのか緑の龍はリリィの元へ戻って行った。
「それじゃ、宴とやらの話をしましょうか?」
何見てんだよ!
姫様以外の人間が、私を好きに出来ると思うなよ。』
荒っぽい口調で周囲を威嚇するのは赤龍の名前をカシャという。
火の力で全てを無に返す事を得意とするが怒りっぽく、リリィに忠実で彼女以外の話はなかなか聞き入れる事がない。
『カシャがうるさい。』
『カシャは頭が足りない。』
そんな赤龍を揶揄う2匹の琥珀色の龍がいた。
双子であり1匹はサン、もう1匹はノームの名を持っていた。
土や植物に干渉する力を持ち、命を芽吹かせる事が出来る比較的に幼い龍は、リリィの事が大好きでイタズラしては彼女を笑わせていた。
『本当にお前らは喧しいのぉ。』
赤と琥珀の3匹の龍を呆れた様に見つめているのが、緑龍のジンである。
大事を届ける風の力を持つ老齢の龍は知恵者であり、豊富な経験で皆を導く事だろう。
『・・・くだらない。』
そう呟き、リリィの肩に腰掛けたのは青龍、名をスイテンと言った。
水の力を持つ彼は恵みを齎す力を持つ。
クールな性格で無口なほうだが、他の龍と同じく楽しい事には興味があり、時折口にする言葉にはユーモアがある。
『みんな、はしゃいでるね。』
そう言って、リリィに頬擦りしたのは、お馴染みである白銀龍のルーチェであった。
未来を照らす光の力は龍の姫巫女として誕生したリリィと1番相性が良く、幼い事から共に過ごし親友として彼女の側を片時も離れる事はない。
「身につけていた宝石はこの子達だったのだよ。
謁見の大広間に大きな風穴を開けたのは彼らの力のお陰なの。」
何気なく紹介するリリィにディミトリオ・ハクヤは唖然とした。
彼らは確かにロンサンティエ帝国を滅ぼせるだけの力を持っていたのだ・・・。
皇室が・・・市民が・・・国が・・・考えを改めない限り、嘗てのように龍達はロンサンティエ帝国に鉄槌を下す事だろう。
『案ずるな。大公。
お前の様な者もいる。
我らが今すぐに何か事を起こす事はないだろう。』
緑の龍がプカプカと近づいてきた。
年寄りじみた話し方をする1番の年長者の言葉には重みがある。
「しかし、現にリリィは今だに宝樹を治してはいない。
貴族の中には、それを危ぶむ者もいるのだ。
私は、奴らの動きが心配でならない。」
『時が来る。
それまで待て。
ワシらが言えるのはそこまでだ。』
龍の姫巫女が宝樹に力を込めるのに時が必要と緑の龍は言った。
理由は分からないがディミトリオ・ハクヤは素直に信じようと思った。
人は嘘を付くが、龍は嘘をつかない。
そんなディミトリオ・ハクヤに満足したのか緑の龍はリリィの元へ戻って行った。
「それじゃ、宴とやらの話をしましょうか?」
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