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後宮にも新たな風が吹く
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「終わんなーい!」
現在のリリィは龍の姫巫女だけでなく、新皇帝ファヴィリエ・ルカの婚約者としての立場がある。
彼女が寛ぐ“百合の宮”のダイニングリビングは書類で埋め尽くされていた。
それもこれもディミトリオ・ハクヤの従者であるクレイの所為である。
皇妃教育でもやろうかと思っていたリリィであったが、既に龍王島にて学び終えている事が判明。
ならば国の歴史でも勉強しようと思っていたリリィが図書館に赴けば、全てを一瞬で読み終えてしまった。
図書館の中央に立ち、両手を広げたリリィを中心に本棚から本が飛び出てグルグルと周り出した。
数分もして本達が行儀良く元に戻った事を確認するとリリィはつまらなそうに振り返った。
「全部読み終えたけど・・・殆どが昔読んだ事のあるものばかりだったわ。」
新たな知識を得られるかと楽しみにしていたリリィにとって残念な結果になった図書館巡りに、クレイは呆れると各所から書類を集め出したのだ。
「これらは帝国各地から集まった報告書です。
脱税、冤罪、災害支援、新皇帝や龍の姫巫女への茶会の招待。
貴族の横暴を止めるよう嘆願するものもあります。
かつての知識を全て得てしまったのなら、新たに湧いてでる情報なら如何です?」
ドンッと音を立ててテーブルに乗せられた資料に片眉を上げてリリィはクレイを睨め付けた。
「面倒な書類を私に押し付けてるわね?」
「ファヴィリエ・ルカ様も我が主人も新たな御代の始まりに忙しいのです。
全てに手が回っているわけではありません。
しかも、今まで王宮で主力に働いていた多くの者が粛清されたんです。
人手はいくらあっても良いんですよ。
今は猫の手・・・いや、龍の鍵爪だって借りたい気分なんです。
まだ、婚約者の立場だから公務はしなくていいと皇帝陛下は仰られましたが、リリィ様、お暇なんですよね?
助かります!!」
意気揚々と書類を集めてくるクレイに溜息を吐くとリリィは一枚の書類を手に取った。
「・・・これ、本気?」
そこには、粛清されて財政が苦しいから国庫から補填してくれと書かれていた。
「この人、粛清の意味わかってないの?」
呆れた様にペラペラと書類を振るリリィにクレイが肩を竦めた。
「そんなものばっかりです。
これを大変忙しくされてる皇帝陛下と我が主人に見せるのも憚られます。」
「おい。私は良いのか?」
「リリィ様、お暇でしょう?」
「プハッ!」
龍の姫巫女を顎で使うクレイにリリィは吹き出すように笑った。
誰よりもリリィを普通に扱うクレイをリリィは気に入っていた。
龍が怒りださないのも、そんなリリィの気持ちを理解しているからだろう。
騙されたと騒ぐ事なくリリィは次々と書類を処理していく。
ルーチェが戻ってきたのは、そんな時だった。
「双子の皇子様と皇姫様ねぇ・・・。」
報告を聞いたリリィは手を止めると何かを考える様に考え込んだ。
現在のリリィは龍の姫巫女だけでなく、新皇帝ファヴィリエ・ルカの婚約者としての立場がある。
彼女が寛ぐ“百合の宮”のダイニングリビングは書類で埋め尽くされていた。
それもこれもディミトリオ・ハクヤの従者であるクレイの所為である。
皇妃教育でもやろうかと思っていたリリィであったが、既に龍王島にて学び終えている事が判明。
ならば国の歴史でも勉強しようと思っていたリリィが図書館に赴けば、全てを一瞬で読み終えてしまった。
図書館の中央に立ち、両手を広げたリリィを中心に本棚から本が飛び出てグルグルと周り出した。
数分もして本達が行儀良く元に戻った事を確認するとリリィはつまらなそうに振り返った。
「全部読み終えたけど・・・殆どが昔読んだ事のあるものばかりだったわ。」
新たな知識を得られるかと楽しみにしていたリリィにとって残念な結果になった図書館巡りに、クレイは呆れると各所から書類を集め出したのだ。
「これらは帝国各地から集まった報告書です。
脱税、冤罪、災害支援、新皇帝や龍の姫巫女への茶会の招待。
貴族の横暴を止めるよう嘆願するものもあります。
かつての知識を全て得てしまったのなら、新たに湧いてでる情報なら如何です?」
ドンッと音を立ててテーブルに乗せられた資料に片眉を上げてリリィはクレイを睨め付けた。
「面倒な書類を私に押し付けてるわね?」
「ファヴィリエ・ルカ様も我が主人も新たな御代の始まりに忙しいのです。
全てに手が回っているわけではありません。
しかも、今まで王宮で主力に働いていた多くの者が粛清されたんです。
人手はいくらあっても良いんですよ。
今は猫の手・・・いや、龍の鍵爪だって借りたい気分なんです。
まだ、婚約者の立場だから公務はしなくていいと皇帝陛下は仰られましたが、リリィ様、お暇なんですよね?
助かります!!」
意気揚々と書類を集めてくるクレイに溜息を吐くとリリィは一枚の書類を手に取った。
「・・・これ、本気?」
そこには、粛清されて財政が苦しいから国庫から補填してくれと書かれていた。
「この人、粛清の意味わかってないの?」
呆れた様にペラペラと書類を振るリリィにクレイが肩を竦めた。
「そんなものばっかりです。
これを大変忙しくされてる皇帝陛下と我が主人に見せるのも憚られます。」
「おい。私は良いのか?」
「リリィ様、お暇でしょう?」
「プハッ!」
龍の姫巫女を顎で使うクレイにリリィは吹き出すように笑った。
誰よりもリリィを普通に扱うクレイをリリィは気に入っていた。
龍が怒りださないのも、そんなリリィの気持ちを理解しているからだろう。
騙されたと騒ぐ事なくリリィは次々と書類を処理していく。
ルーチェが戻ってきたのは、そんな時だった。
「双子の皇子様と皇姫様ねぇ・・・。」
報告を聞いたリリィは手を止めると何かを考える様に考え込んだ。
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