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舞踏会と言う名の
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「爵位の返上・・・?」
あまりの事に理解が追いついていないオレゴ伯爵家の騎士達はオロオロとし始めた。
「この者達には、妹が外と連絡を取らないように指示を出していました。
当主である私の命令ではなく、妹の我儘を優先したのです。
この者達の主人は私ではなく、妹・ダリアなのでしょう。
我がオレゴ伯爵家に当主の命令を聞かない家人などいりません。
この者達の処分は如何様にも・・・。」
ヤコボ・オレゴの言葉にオレゴ伯爵家の騎士達は驚き慄き、跪きながら縋るように近づいていく。
「御当主様を蔑ろにしたわけでは!」
「ダリア様が頼まれたのです!」
「手紙を・・・お孫様に手紙だけでもと・・・。」
「オレゴ家の為と思い・・・。」
そんな騎士達に視線を向ける事なくヤコボ・オレゴは淡々とした声で囁いた。
「悪い事だと分かっていたから、舞踏会の隙をついて忍び込もうとしたのだろう?
そもそも何故これまでの状況で、ダリアやお前達に選択肢があるのだ?」
オレゴ伯爵家の騎士達はキョトンとしているが、見守っていた皇帝ファヴィリエ・ルカも宰相フィリックス・ガルシアもヤコボ・オレゴの言葉の意味を理解していた。
「陛下はユニエ・アミ、テムズ・ダン両殿下に自由を与えられた。
国民の税を己の贅沢の為に使った母の存在を思えば、両殿下は王宮から放逐されても文句も言えない立場。
にも関わらず、今も変わらず皇姫と皇子の立場を与え下されたばかりか、自由な教育まで施してくださっている。
もう一度言う。
陛下は両殿下に自由を与えて下された。
その両殿下が祖母であるダリアを頼った事があったか?
一度でも手紙を送ってきた事があったか?」
主人の話を聞き、騎士達は唖然とした。
それでも、ヤコボ・オレゴはやめなかった。
「両殿下にとって祖母であるダリアは必要な存在ではないのだ。」
家庭が崩壊し実家に身を寄せるダリア。
皇帝の側妃の母。皇帝の子の祖母。伯爵の妻。
その全ての肩書きを失ったダリアが日に日に変わっていく姿を彼女に従う侍女や騎士達は見ていた。
その思いが間違った道を選んでしまった。
「選ぶのはユニエ・アミ、テムズ・ダン両殿下であり、こちらに座す皇帝陛下だ。
罪人を生み出した家の我々が望むべき選択肢などあるはずがない。」
ヤコボ・オレゴは夢を見ない男だった。
何よりも実直過ぎる男だった。
そして、自分に厳しい男だった。
「オレゴ伯爵家は爵位を返上し、処分の全てをお任せ致します。
大役を頂いたにも関わらず、ご期待に応えられず申し訳御座いませんでした。
どうか、この騒動にてユニエ・アミ、テムズ・ダン両殿下に再び迷惑を掛けずにいられればいいのですが・・・。
皇帝陛下、そして龍の姫巫女様が開かれた初めての舞踏会に大罪を持ち込みまして心よりお詫び申し上げます。」
この日、オレゴ伯爵家が消滅した。
無断で後宮に侵入した騎士達は罪人として捌かれ、オレゴの領地に戻る事なく刑期を全うする事になるだろう。
事の発端であったオレゴ家のダリアは医師より精神崩壊の診断を受け鉄格子付きの静養所に入れられた。
犯罪を犯した貴族が収容される静養所で、娘であるロザンナと会う事になるのは、もう少し先の事である。
現実を見ずに厳しい修道院で過ごしていた彼女もまた・・・。
あまりの事に理解が追いついていないオレゴ伯爵家の騎士達はオロオロとし始めた。
「この者達には、妹が外と連絡を取らないように指示を出していました。
当主である私の命令ではなく、妹の我儘を優先したのです。
この者達の主人は私ではなく、妹・ダリアなのでしょう。
我がオレゴ伯爵家に当主の命令を聞かない家人などいりません。
この者達の処分は如何様にも・・・。」
ヤコボ・オレゴの言葉にオレゴ伯爵家の騎士達は驚き慄き、跪きながら縋るように近づいていく。
「御当主様を蔑ろにしたわけでは!」
「ダリア様が頼まれたのです!」
「手紙を・・・お孫様に手紙だけでもと・・・。」
「オレゴ家の為と思い・・・。」
そんな騎士達に視線を向ける事なくヤコボ・オレゴは淡々とした声で囁いた。
「悪い事だと分かっていたから、舞踏会の隙をついて忍び込もうとしたのだろう?
そもそも何故これまでの状況で、ダリアやお前達に選択肢があるのだ?」
オレゴ伯爵家の騎士達はキョトンとしているが、見守っていた皇帝ファヴィリエ・ルカも宰相フィリックス・ガルシアもヤコボ・オレゴの言葉の意味を理解していた。
「陛下はユニエ・アミ、テムズ・ダン両殿下に自由を与えられた。
国民の税を己の贅沢の為に使った母の存在を思えば、両殿下は王宮から放逐されても文句も言えない立場。
にも関わらず、今も変わらず皇姫と皇子の立場を与え下されたばかりか、自由な教育まで施してくださっている。
もう一度言う。
陛下は両殿下に自由を与えて下された。
その両殿下が祖母であるダリアを頼った事があったか?
一度でも手紙を送ってきた事があったか?」
主人の話を聞き、騎士達は唖然とした。
それでも、ヤコボ・オレゴはやめなかった。
「両殿下にとって祖母であるダリアは必要な存在ではないのだ。」
家庭が崩壊し実家に身を寄せるダリア。
皇帝の側妃の母。皇帝の子の祖母。伯爵の妻。
その全ての肩書きを失ったダリアが日に日に変わっていく姿を彼女に従う侍女や騎士達は見ていた。
その思いが間違った道を選んでしまった。
「選ぶのはユニエ・アミ、テムズ・ダン両殿下であり、こちらに座す皇帝陛下だ。
罪人を生み出した家の我々が望むべき選択肢などあるはずがない。」
ヤコボ・オレゴは夢を見ない男だった。
何よりも実直過ぎる男だった。
そして、自分に厳しい男だった。
「オレゴ伯爵家は爵位を返上し、処分の全てをお任せ致します。
大役を頂いたにも関わらず、ご期待に応えられず申し訳御座いませんでした。
どうか、この騒動にてユニエ・アミ、テムズ・ダン両殿下に再び迷惑を掛けずにいられればいいのですが・・・。
皇帝陛下、そして龍の姫巫女様が開かれた初めての舞踏会に大罪を持ち込みまして心よりお詫び申し上げます。」
この日、オレゴ伯爵家が消滅した。
無断で後宮に侵入した騎士達は罪人として捌かれ、オレゴの領地に戻る事なく刑期を全うする事になるだろう。
事の発端であったオレゴ家のダリアは医師より精神崩壊の診断を受け鉄格子付きの静養所に入れられた。
犯罪を犯した貴族が収容される静養所で、娘であるロザンナと会う事になるのは、もう少し先の事である。
現実を見ずに厳しい修道院で過ごしていた彼女もまた・・・。
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