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英傑の記憶③〜ほころび〜
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ーーーそれは貴方の役目ではない
確かに龍の巫女セレティアはジョルジュにそう言った。
「役目?」
瞠目するジョルジュにセレティアは優しく微笑んだ。
「龍と人が再び関係を築く上でトワ様は大きな役目を果たしてくれました。
“龍王”はトワ様以外の人間とお会いする事はないでしょう。
龍がもたらす力、それに伴う世界への影響力はトワ様が十分に学んでこられた。
もう、対話は不要とのお考えなのです。」
「・・・何故、フランコ・トワなんだ?
いや、アイツが良い奴で俺達の恩人である事には変わりないが、龍王とやらは何故フランコ・トワを選んだ?」
それはジョルジュにとって純粋な疑問だった。
「“龍王”が何を思い、トワ様を選ばれたのか・・・。
本当の所は私にも分かっていないのでしょう。
でも、トワ様も命からがら“龍王島”に辿り着いて直ぐに龍王へ謁見できたわけではありません。
自分の命をどう使うのか・・・見極められていたのだと思います。」
ジョルジュは村人達と楽しく談笑するフランコ・トワを見つめていた。
「『あの男と何故違う?』そう考える必要はありません。
貴方にもトワと共に役目がある。
行き場を見失い、世界中で迷っておられる人々がいる。
貴方は、その人達を率いていかなければなりません。」
「俺が・・・?」
戸惑うジョルジュにセレティアはコクンと頷いた。
「人々を導く・・・それはトワ様1人でなせる事ではありません。
貴方も、重積を担う1人です。
どうか、トワ様にお力をお貸し下さい。」
セレティアとジョルジュの会話が聞こえているわけもないだろうに、フランコ・トワは2人に向かって楽しそうに手を振っている。
その呑気な顔を見ているうちにジョルジュは、何だか緊迫している自分が阿呆らしくなった。
「良いだろう。
フランコ・トワが龍に導かれ人々を支える運命なのだとしたら、俺がフランコ・トワを・・・あの男を支えよう。
恩人を支えるなど栄誉な事だ。」
溜息を吐きながら笑うジョルジュの顔をセレティアが覗き込んだ。
「恩人などと言わずに友となって差し上げてください。
強大な力は時には人を孤独にします。
トワ様を孤独にさせない。
それが私の大いなる役目です。
私は貴方にも期待しているのです。」
この時には美しいセレティアへの憧れなど忘れていた。
1人の男を支えるために、信頼する仲間を得た。
それはジョルジュにとってもセレティアにとっても、この後の人生で大きな出会いを果たした瞬間であった。
フランコ・トワの故郷の漁村が復興の目処が付くと、ジョルジュを含めた多くの者が故郷へ帰って行った。
互いに協力することを誓い合って別れた者たちの絆は、この時に始まったのだ。
_____
確かに龍の巫女セレティアはジョルジュにそう言った。
「役目?」
瞠目するジョルジュにセレティアは優しく微笑んだ。
「龍と人が再び関係を築く上でトワ様は大きな役目を果たしてくれました。
“龍王”はトワ様以外の人間とお会いする事はないでしょう。
龍がもたらす力、それに伴う世界への影響力はトワ様が十分に学んでこられた。
もう、対話は不要とのお考えなのです。」
「・・・何故、フランコ・トワなんだ?
いや、アイツが良い奴で俺達の恩人である事には変わりないが、龍王とやらは何故フランコ・トワを選んだ?」
それはジョルジュにとって純粋な疑問だった。
「“龍王”が何を思い、トワ様を選ばれたのか・・・。
本当の所は私にも分かっていないのでしょう。
でも、トワ様も命からがら“龍王島”に辿り着いて直ぐに龍王へ謁見できたわけではありません。
自分の命をどう使うのか・・・見極められていたのだと思います。」
ジョルジュは村人達と楽しく談笑するフランコ・トワを見つめていた。
「『あの男と何故違う?』そう考える必要はありません。
貴方にもトワと共に役目がある。
行き場を見失い、世界中で迷っておられる人々がいる。
貴方は、その人達を率いていかなければなりません。」
「俺が・・・?」
戸惑うジョルジュにセレティアはコクンと頷いた。
「人々を導く・・・それはトワ様1人でなせる事ではありません。
貴方も、重積を担う1人です。
どうか、トワ様にお力をお貸し下さい。」
セレティアとジョルジュの会話が聞こえているわけもないだろうに、フランコ・トワは2人に向かって楽しそうに手を振っている。
その呑気な顔を見ているうちにジョルジュは、何だか緊迫している自分が阿呆らしくなった。
「良いだろう。
フランコ・トワが龍に導かれ人々を支える運命なのだとしたら、俺がフランコ・トワを・・・あの男を支えよう。
恩人を支えるなど栄誉な事だ。」
溜息を吐きながら笑うジョルジュの顔をセレティアが覗き込んだ。
「恩人などと言わずに友となって差し上げてください。
強大な力は時には人を孤独にします。
トワ様を孤独にさせない。
それが私の大いなる役目です。
私は貴方にも期待しているのです。」
この時には美しいセレティアへの憧れなど忘れていた。
1人の男を支えるために、信頼する仲間を得た。
それはジョルジュにとってもセレティアにとっても、この後の人生で大きな出会いを果たした瞬間であった。
フランコ・トワの故郷の漁村が復興の目処が付くと、ジョルジュを含めた多くの者が故郷へ帰って行った。
互いに協力することを誓い合って別れた者たちの絆は、この時に始まったのだ。
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