溜息だって吐きたくなるわっ!〜100賢人仕込みの龍姫は万年反抗期〜

ぽん

文字の大きさ
391 / 473
契約者たちの戦い方

371

しおりを挟む
「やっちまえっ!!」

 口汚い罵りを発しなら走り込んでくる侵入者達。

 手には刀だけでなく、それぞれ魔法を纏わせている。

「おっと。そうはさせない。」

 リチャード・ディライトが地面に手を当てると、地面から飛び出してきた手が侵入者達の足を捕まえる。

 勢いよく走っていた敵は前のめりに倒れて行った。

 苦悶の表情を浮かべる侵入者達を見ては3匹のリスがケラケラと笑っていた。

「このまま拘束する。
 キャメル、コルク、ナッツ。
 力を貸してくれ。」

 リチャード・ディライトが再び魔力を放出させると、3人の男が土の牢に簡単に捕まってしまった。

「クソっ!」

 ガンガンと牢を叩く男達にリチャード・ディライトはニヤリとした。

「殴ってもダメだよ。
 その檻は既に硬化させているから、人の力では破壊は出来ない。
 土魔法は、土壌開発とかに重宝されるけど、うちのお転婆リス達の力はそんなもんじゃない。
 こんなのはどう?」

 リチャード・ディライトが不適な笑みを浮かべたかと思えば、囚われた男達の足元がドロドロと溶けていく。

「何だこれは・・・。」
「くそっ!やめろっ!」
「まるで、底抜け沼のような・・・あぁ、抜け出せない。」

「大人しくしている事を薦めるよ。
 暴れると、何処まで沈んでしまうのか、俺にすら分からない。」

 リチャード・ディライトの言葉で侵入者達はピタリと止まった。

 コツン コツン コツン

「痛っ!」

 出来る限り動かずにいたい男達の顔に無情にも小石が投げつけられていた。

 鼻に走った痛みと闘い何が起こっているかと見てみれば、それは、小さなリスが自分達を的に小石投げで遊んでいる姿だった。

「でも、大人しくしているのが苦手なんだ。
 うちのリス達は・・・悪いな。」

 主人であるはずのリチャード・ディライトでさえ、捕まった侵入者に同情を禁じ得ない顔でペコリと頭を下げた。

「ふっ!
 強気でいられるのも今の内だ!
 お前が取り残した仲間が、此処一帯を火の海にしてくれるわ!」

 そう叫ぶ男にリチャード・ディライトは顔を歪めた。

《えっ・・・ダサッ。
 負け犬のお決まりの台詞を生で聞いちゃったよ。
 恥ずかしくて鳥肌立ってきた。》

「龍が神の如く君臨している世界が間違っているのだ!
 アレは、ただの獣だ!
 世界は既に人の力で回っている。
 龍の力を利用する事こそが正義っ!
 それも分からぬ愚か者が勝った気でいるなよ!
 うぐぐぐぐ・・・。」

 罵る男の1人が一瞬にしてうめき出した。

 リスのナッツが男の鼻を無理やり持ち上げ、開いた口にキャメルとコルクが次々と小石を詰めているのだ。

 リチャード・ディライトはガンッと檻を蹴った。

「その龍の力を欲するお前達は何だ?
 獣以下の弱者だと自己紹介してくれたのか?
 奪うばかりで与えぬ者が!
 自分の世界に一生囚われたまま、寂しく消えていけ。」

 それから何が起こったのか分からない。
 男達の視界は奪われ静寂の中に姿を消していった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!

しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。 けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。 そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。 そして王家主催の夜会で事は起こった。 第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。 そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。 しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。 全12話 ご都合主義のゆるゆる設定です。 言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。 登場人物へのざまぁはほぼ無いです。 魔法、スキルの内容については独自設定になっています。 誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?

浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。 「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」 ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

聖女を怒らせたら・・・

朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・

処理中です...