53 / 100
フィアーノの助言
しおりを挟む
「王子は帰ったのか?」
「はい。」
奥にいたフィアーノとヴァンが戻ってきた。
「話してみてどうだった?」
(入店してきた時から落ち着いていたし、冷静に話していたから大きな問題はないんだろうが。)
「謝罪を頂きました…あとは、選ばれなかった訳も教えてもらいました。」
「へぇー。何て?」
「…意外と私、王家の方に評価されてたみたいです…ご自分に自信がなくて、身近に接することの出来た女性に惹かれてしまった、と。」
「………まぁ、バカだったんだな。でもま、謝れるってことは評価出来る。おえらいさんはなかなか否を認めれないものだからな。」
「結構深く頭下げてましたからね…。」
男性陣2人は、彼の謝罪が相当衝撃的だったようである。
「噂の男爵令嬢とはどう知り合ったんだ?婚約者選んでる身なのに、それそっちのけで構ってたのか?」
(構ってたって…何か誤解を生むような表現ね…)
「気晴らしで下町に出られた時に出会ったそうです。いつも市井に下りる時は護衛もついてますので、側近や近衛騎士の中に協力者がいたんだと思います…」
「王子が平民の真似事ね……まぁ、普段見慣れない場所とか慣れないことしてたら、良い人に出会った気にもなるかもね。」
「彼女に魅力があったとは、思わないんですか?」
「だって、結局すぐ見放されてるじゃん?」
「………。」
「本当に惹かれた相手ならそうなんないよ?実力が伴ってなくても、頑張ってたら結果はついてくるし、見てる側も応援したくなるでしょ?多分、男爵令嬢は考え方が致命的だったんじゃない?」
「そういうものでしょうか??」
男爵令嬢サラについては、シャルノアも知っていることが少ないので、同じ婚約者候補としてどうだったのか判断出来ずにいる。
「慣れないことしてるのは今のシャルだってそうだろ?けど、いっつもニコニコしてるし、出来ないことでも身につけようと努力してる。見てる側は、応援したくなるし、むしろ元気こっちが貰ってるわ。」
「…そうですか?」
慣れない褒め言葉にシャルノアは照れる。
「1度決めたこと覆すのも勇気がいるだろ。王子の評価に直接繋がる訳だし。男爵令嬢側にも問題があったんだろ。王子の肩もつ訳じゃないが、早々に目が覚めたコトは評価出来るね。シャルと王子ってデートとか、お茶とか…したことないの?婚約者候補筆頭だったんだろ?」
「王宮ですれ違って挨拶したりはしてましたよ?デートとかお茶は、候補者の1人って立場でしたし、教育時間の方が重視されてたので。」
「そういうもん?それなら候補者それぞれとお茶すればいいのに。人となり知らずに婚約者決められるってのは、ちょっと王子に同情するね…。シャルはそう思わないの?」
「…貴族は政略結婚ってのが当たり前ですし、5歳から王宮に通っていたので、そういうものだと…。」
戸惑うように話すシャルノアを見て、考える余裕もなかったんだな、とフィアーノは気づく。
「お前は、少しは夢を見ろ!かっこいい王子様が現れる、とか恋愛結婚するとかさ、若い頃はもっと恋に憧れるもんだろ?政略結婚するにしても、相手が誰でもいいってのと、この人がいいってのは違うぞ??」
フィアーノの言葉に動揺するシャルノア。そもそも異性に対する恋心など彼女には無縁なこと。言われるがままに受け入れていたのはここもだったのか、と気づく。
「居場所もバレたし、あの様子だと王子、しょっちゅう来るんじゃないか?これからアピールが始まるんだから覚悟しとけ。」
ポンっとシャルノアの頭に手を置くと、ニヤニヤと笑い出した。
「おそらく王子、本格的にシャルを落とす気で来るぞ。」
その言葉に、シャルノアはどう反応していいのか分からなかった。
「はい。」
奥にいたフィアーノとヴァンが戻ってきた。
「話してみてどうだった?」
(入店してきた時から落ち着いていたし、冷静に話していたから大きな問題はないんだろうが。)
「謝罪を頂きました…あとは、選ばれなかった訳も教えてもらいました。」
「へぇー。何て?」
「…意外と私、王家の方に評価されてたみたいです…ご自分に自信がなくて、身近に接することの出来た女性に惹かれてしまった、と。」
「………まぁ、バカだったんだな。でもま、謝れるってことは評価出来る。おえらいさんはなかなか否を認めれないものだからな。」
「結構深く頭下げてましたからね…。」
男性陣2人は、彼の謝罪が相当衝撃的だったようである。
「噂の男爵令嬢とはどう知り合ったんだ?婚約者選んでる身なのに、それそっちのけで構ってたのか?」
(構ってたって…何か誤解を生むような表現ね…)
「気晴らしで下町に出られた時に出会ったそうです。いつも市井に下りる時は護衛もついてますので、側近や近衛騎士の中に協力者がいたんだと思います…」
「王子が平民の真似事ね……まぁ、普段見慣れない場所とか慣れないことしてたら、良い人に出会った気にもなるかもね。」
「彼女に魅力があったとは、思わないんですか?」
「だって、結局すぐ見放されてるじゃん?」
「………。」
「本当に惹かれた相手ならそうなんないよ?実力が伴ってなくても、頑張ってたら結果はついてくるし、見てる側も応援したくなるでしょ?多分、男爵令嬢は考え方が致命的だったんじゃない?」
「そういうものでしょうか??」
男爵令嬢サラについては、シャルノアも知っていることが少ないので、同じ婚約者候補としてどうだったのか判断出来ずにいる。
「慣れないことしてるのは今のシャルだってそうだろ?けど、いっつもニコニコしてるし、出来ないことでも身につけようと努力してる。見てる側は、応援したくなるし、むしろ元気こっちが貰ってるわ。」
「…そうですか?」
慣れない褒め言葉にシャルノアは照れる。
「1度決めたこと覆すのも勇気がいるだろ。王子の評価に直接繋がる訳だし。男爵令嬢側にも問題があったんだろ。王子の肩もつ訳じゃないが、早々に目が覚めたコトは評価出来るね。シャルと王子ってデートとか、お茶とか…したことないの?婚約者候補筆頭だったんだろ?」
「王宮ですれ違って挨拶したりはしてましたよ?デートとかお茶は、候補者の1人って立場でしたし、教育時間の方が重視されてたので。」
「そういうもん?それなら候補者それぞれとお茶すればいいのに。人となり知らずに婚約者決められるってのは、ちょっと王子に同情するね…。シャルはそう思わないの?」
「…貴族は政略結婚ってのが当たり前ですし、5歳から王宮に通っていたので、そういうものだと…。」
戸惑うように話すシャルノアを見て、考える余裕もなかったんだな、とフィアーノは気づく。
「お前は、少しは夢を見ろ!かっこいい王子様が現れる、とか恋愛結婚するとかさ、若い頃はもっと恋に憧れるもんだろ?政略結婚するにしても、相手が誰でもいいってのと、この人がいいってのは違うぞ??」
フィアーノの言葉に動揺するシャルノア。そもそも異性に対する恋心など彼女には無縁なこと。言われるがままに受け入れていたのはここもだったのか、と気づく。
「居場所もバレたし、あの様子だと王子、しょっちゅう来るんじゃないか?これからアピールが始まるんだから覚悟しとけ。」
ポンっとシャルノアの頭に手を置くと、ニヤニヤと笑い出した。
「おそらく王子、本格的にシャルを落とす気で来るぞ。」
その言葉に、シャルノアはどう反応していいのか分からなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
42
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる