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12月13日(1)
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寝る前にちさきちゃんに明日の予定を別の日に変えようかとメッセージのやり取りをしている時、涼ちゃんからメッセージが届いた。
『もう大丈夫だから、明日は予定通り行こうね。あと、2人だけの時に話したい事があるんだけどいいかな?』
『わかった。私も話したいことがあるから、明日はよろしくね?』
“よろしくお願いします“と書かれた猫のスタンプと一緒に送信する。
明日のダブルデートは予定通り4人で遊ぶ事が決まった。
亜紀ちゃんからメッセージが届いて“2人きりになれる時間作るので頑張ってくださいね?“と圧をかけてくる。
告白
明日は涼ちゃんに私の気持ちを伝えることも亜紀ちゃんの中で決定事項らしい。
私の気持ちを伝えるだけで返事をもらうつもりはない。伝えたあと、私が涼ちゃんを恋に落とす事をがんばるだけだ。
初めて私から告白をする事に緊張から心臓が速くなって、布団に潜り込んでもなかなか寝れない夜を過ごすことになった。
―――――――――
「ゆうえんち~!!!」
ちさきちゃんが入場口前で両手を振り上げた。
「って、さむっ!!なんで冬に遊園地なんだよ!」
「デートの定番だから?」
「デートじゃない!!」
ちさきちゃんと亜紀ちゃんが入り口前で楽しそうに言い合っている。2人とも防寒対策はちゃんとしてきているみたいでもこもこしていた。
ちなみに私ももこもこだ。ストールも巻いてるし、下はボトムスパンツで肌の露出は少ない。
「冬の遊園地って人も少ないし待ち時間も長くないみたいだから、乗り物いっぱい乗れて楽しめると思うよ?」
涼ちゃんがジャンパーのポケットに両手を入れて楽しそうに笑いかけてくる。
「涼ちゃんは寒くない?」
トレーナーにジャンパーを羽織っていて首元が見ている…寒そうだ。
「うん。私結構暑がりだから。ほら」
ポケットに入れていた手を私の頬に触れさせる。
ドキッとしたけど、その手は暖かい。涼ちゃんの手の上に私の手を重ねると温もりの違いがよくわかった。
「あったかいね」
「……うん」
涼ちゃんの瞳が細められて優しく微笑んだ。
重ねられた手が下ろされてそのまま手を繋ぐ。
「そこのバカップルさっさと入場するよ!」
「ば、バカップルって………」
ちさきちゃんが繋がれた手を見ながらニマニマしてくる。
「って、お、おぉぉい!!」
「ちさきも早く入ろ」
亜紀ちゃんがちさきちゃんと手を繋いで入場ゲートに入っていく。
「バカップル……」
涼ちゃんがぼそっと呟いて2人して笑った。
今日は1日楽しい日になりそうだなって漠然と思った。
「ちょっと待って!!え!?来ないで!!いや!っきゃぁぁぁぁぁ」
「あははははっはは!!!凪沙驚きすぎ!あはははは」
「だ、だって……キャァ!!」
井戸から出てきた女性に驚いて、涼ちゃんの腕に抱きついた。
亜紀ちゃんはスタスタと先を歩いていくし、亜紀ちゃんに引っ張られながらちさきちゃんは振り返って私を見ては笑ってるしお化け屋敷なんて何が楽しいの!?
わざわざ怖い思いをしに入るなんてどうかしてる!!
ほぼ真っ暗な室内に所々明かりがついていて、ここなんて如何にもなんか出てきそうじゃない!?!?
ほら、来るくる!!
「来ないの!?!?」
「あはははははっ!!」
「後で覚えとけよぉぉ」
「プフッ」
「涼ちゃんまで!?!?」
ごめんごめんと言って涼ちゃんは私を抱き寄せて頭を撫でてくる。それだけで、安心して怖さも少しはマシになる。つい、涼ちゃんをぎゅっと抱きしめ返した。
「な、凪沙!?」
「あ、歩きづらいよね…ごめん……」
「ううん。このままがいいならそうする……」
離れそうになった私を再び抱きしめてくれる。
「そこ!イチャイチャしてないで早く行くよ!!」
先に進んでいたちさきちゃんから声だけが聞こえてきて姿が見えない。
イチャイチャなんてしてないし!!
「はー面白かったー」
「全然面白くないよ……」
私はぐったりとベンチに腰掛けた。ただそんなに長くない道を歩いてるだけなのに、叫んだりしたせいでぐったりだ。
「凪沙大丈夫?」
私の顔を心配そうに覗き込んでくる。涼ちゃんが一緒に差し出していた温かいお茶を一口飲む。
結局出口まで涼ちゃんに抱きしめられていて、怖さはマシになったけれどずっと体が緊張状態になって力が入っていたため疲れていた。
「ちさき、次あれの乗ろう」
「おーいいね!!」
亜紀ちゃんが指をさした先は大きなレールが見える。大人が大声で叫んで人によっては手を離したりして楽しんでいる。遊園地の目玉ジェットコースターだ。
「凪沙は?」
「行く」
お化け屋敷は苦手でもジェットコースターは好きで、あのスピードと爽快感がたまらないのだ。絶叫系マシンはどれも好きで昔からループして乗っていたくらいだ。
一緒に乗っていた友達には“あんたの三半規管ぶっ壊れてる“と言われた。
「行こ!!涼ちゃん!!」
涼ちゃんの手を握って歩き出す、涼ちゃんは静かに微笑んだ。
私はジェットコースターに乗るワクワク感で涼ちゃんの変化に気づく事ができなかった。
『もう大丈夫だから、明日は予定通り行こうね。あと、2人だけの時に話したい事があるんだけどいいかな?』
『わかった。私も話したいことがあるから、明日はよろしくね?』
“よろしくお願いします“と書かれた猫のスタンプと一緒に送信する。
明日のダブルデートは予定通り4人で遊ぶ事が決まった。
亜紀ちゃんからメッセージが届いて“2人きりになれる時間作るので頑張ってくださいね?“と圧をかけてくる。
告白
明日は涼ちゃんに私の気持ちを伝えることも亜紀ちゃんの中で決定事項らしい。
私の気持ちを伝えるだけで返事をもらうつもりはない。伝えたあと、私が涼ちゃんを恋に落とす事をがんばるだけだ。
初めて私から告白をする事に緊張から心臓が速くなって、布団に潜り込んでもなかなか寝れない夜を過ごすことになった。
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「ゆうえんち~!!!」
ちさきちゃんが入場口前で両手を振り上げた。
「って、さむっ!!なんで冬に遊園地なんだよ!」
「デートの定番だから?」
「デートじゃない!!」
ちさきちゃんと亜紀ちゃんが入り口前で楽しそうに言い合っている。2人とも防寒対策はちゃんとしてきているみたいでもこもこしていた。
ちなみに私ももこもこだ。ストールも巻いてるし、下はボトムスパンツで肌の露出は少ない。
「冬の遊園地って人も少ないし待ち時間も長くないみたいだから、乗り物いっぱい乗れて楽しめると思うよ?」
涼ちゃんがジャンパーのポケットに両手を入れて楽しそうに笑いかけてくる。
「涼ちゃんは寒くない?」
トレーナーにジャンパーを羽織っていて首元が見ている…寒そうだ。
「うん。私結構暑がりだから。ほら」
ポケットに入れていた手を私の頬に触れさせる。
ドキッとしたけど、その手は暖かい。涼ちゃんの手の上に私の手を重ねると温もりの違いがよくわかった。
「あったかいね」
「……うん」
涼ちゃんの瞳が細められて優しく微笑んだ。
重ねられた手が下ろされてそのまま手を繋ぐ。
「そこのバカップルさっさと入場するよ!」
「ば、バカップルって………」
ちさきちゃんが繋がれた手を見ながらニマニマしてくる。
「って、お、おぉぉい!!」
「ちさきも早く入ろ」
亜紀ちゃんがちさきちゃんと手を繋いで入場ゲートに入っていく。
「バカップル……」
涼ちゃんがぼそっと呟いて2人して笑った。
今日は1日楽しい日になりそうだなって漠然と思った。
「ちょっと待って!!え!?来ないで!!いや!っきゃぁぁぁぁぁ」
「あははははっはは!!!凪沙驚きすぎ!あはははは」
「だ、だって……キャァ!!」
井戸から出てきた女性に驚いて、涼ちゃんの腕に抱きついた。
亜紀ちゃんはスタスタと先を歩いていくし、亜紀ちゃんに引っ張られながらちさきちゃんは振り返って私を見ては笑ってるしお化け屋敷なんて何が楽しいの!?
わざわざ怖い思いをしに入るなんてどうかしてる!!
ほぼ真っ暗な室内に所々明かりがついていて、ここなんて如何にもなんか出てきそうじゃない!?!?
ほら、来るくる!!
「来ないの!?!?」
「あはははははっ!!」
「後で覚えとけよぉぉ」
「プフッ」
「涼ちゃんまで!?!?」
ごめんごめんと言って涼ちゃんは私を抱き寄せて頭を撫でてくる。それだけで、安心して怖さも少しはマシになる。つい、涼ちゃんをぎゅっと抱きしめ返した。
「な、凪沙!?」
「あ、歩きづらいよね…ごめん……」
「ううん。このままがいいならそうする……」
離れそうになった私を再び抱きしめてくれる。
「そこ!イチャイチャしてないで早く行くよ!!」
先に進んでいたちさきちゃんから声だけが聞こえてきて姿が見えない。
イチャイチャなんてしてないし!!
「はー面白かったー」
「全然面白くないよ……」
私はぐったりとベンチに腰掛けた。ただそんなに長くない道を歩いてるだけなのに、叫んだりしたせいでぐったりだ。
「凪沙大丈夫?」
私の顔を心配そうに覗き込んでくる。涼ちゃんが一緒に差し出していた温かいお茶を一口飲む。
結局出口まで涼ちゃんに抱きしめられていて、怖さはマシになったけれどずっと体が緊張状態になって力が入っていたため疲れていた。
「ちさき、次あれの乗ろう」
「おーいいね!!」
亜紀ちゃんが指をさした先は大きなレールが見える。大人が大声で叫んで人によっては手を離したりして楽しんでいる。遊園地の目玉ジェットコースターだ。
「凪沙は?」
「行く」
お化け屋敷は苦手でもジェットコースターは好きで、あのスピードと爽快感がたまらないのだ。絶叫系マシンはどれも好きで昔からループして乗っていたくらいだ。
一緒に乗っていた友達には“あんたの三半規管ぶっ壊れてる“と言われた。
「行こ!!涼ちゃん!!」
涼ちゃんの手を握って歩き出す、涼ちゃんは静かに微笑んだ。
私はジェットコースターに乗るワクワク感で涼ちゃんの変化に気づく事ができなかった。
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