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「ロンバート様っもうお止めになってください」

婚約者のロンバートはいつも他の令嬢を連れている。
再三に渡り注意をしてきた。
しかし、

「また嫉妬かい?ネフィは可愛いね。愛してるよ」

ロンバートは女受けのする甘い笑顔を見せる。

「嫉妬などでは!」

ロンバートの浮気で、令嬢達からは魅力のない女と蔑まされた。
男の浮気は勲章だ。彼の仲間内のそんなやりとりを聞かされ、彼の友人からも「女の扱いに慣れるのは君のためだから許してあげな」などと無責任な事を言われていた。

そんな理由で納得できるはずもない。

「ネフィが一番だし、結婚するのはネフィだけ。だからね?今はしょうがないよね?貴族の婚姻は主体の教会が純潔が求めるし、私も余所で発散させないと君を傷つけてしまうかもしれない。そうなったら結婚できないだろう?
君のためだからさ…ね?」

幼子に言い聞かせるように優しく諭す。
ロンバートの腕に腕を絡めてくっついている令嬢は、優越の顔でネフィーロに笑顔を向ける。

貴族の婚姻は純潔を求めるなら、その腕にくっついている令嬢はどうするのだ。

「ああ、彼女の婚約者は彼女に盲目だからね。純潔じゃなくても結婚してくれるよ。男爵家に嫁ぐんだから、平民みたいなものだろう?
むしろ男に慣れていたほうが相手も喜んでくれるんじゃないかな」

「ふふ、そうですね。今日も…いっぱい教えてくださいね?ロンバート様」

令嬢の目はうっとりとロンバートを見上げている。
ロンバートは適当にネフィーロに別れを告げ、いそいそと彼女と馬車に乗り込んで、走り去った。
そんなに二人きりになりたかったのか。

ポタポタと涙が頬を伝い流れ落ちて行く。

ロンバートとの婚約は家族も喜んでくれていた。
貴族学園の憧れだった彼から、まさか我が家に縁談がくるとは思っていなかった。


「可愛い子だなと思ってたんだ。これからよろしくね」

婚約が成立したその日、ロンバートに好きだと言われて舞い上がった。

その後、ネフィーロとの顔合わせの後、ロンバートは女を呼びつけ、朝まで愛し合ったと知ったのは、相手の女からが嬉しそうに報告してきたからだった。

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