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父
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「…お父様?」
セレスティアは実父が辺境に訪れたことに大層驚いた。
「失礼しました…公爵様」
公爵家から放逐された身を思い出して、頭を下げた。
「まったく。うちに寄らずに辺境に飛び出していくなど…親不孝者め」
王太子殿下の婚約者に選ばれてから、父とは家族というより貴族相手のように接してきた。
弱みを見せぬよう、甘える事もしなかった。
殿下に婚約破棄されたことに対する叱責であると思っていたのだが。
「…婚約破棄に伴い、公爵家から放逐されたと聞いておりましたから」
「婚約破棄…?」
公爵は不機嫌そうな顔を一層深めた。
「婚約破棄などではない。婚約解消だ。お前に落ち度はない」
公爵の言葉に、セレスティアは戸惑う。
落ち度はないと知るのは自分自身だけと思っていた。
「お父様…」
「あと、貴族籍からは抜いたが、家族の縁まで切ったつもりはないぞ。ほら」
セレスティアに差し出されたのは、クロードの記事を集めたスクラップブック。
宝石より、ドレスより、大事な宝物を受取り胸に抱きしめた。
またこの手元に戻ってくるとは思っていなかった。
「…殿下と婚約解消した公爵令嬢が辺境伯に嫁げば、邪推されるだろう?謀反などと騒がれぬように公爵籍から抜いた。…平民となったお前を受け入れるかどうかはクロード殿の度量しだいかと思ったが」
公爵はセレスティアの顔をじっと見つめて、僅かに微笑む。
「王都に居た時より柔和になったな。クロード殿のおかげか」
「はいっ」
辺境では確かに王都に比べて不便な面もあるけれど、クロード様が居れば、それもまた楽しい。
「公爵、いえ、お父様。親不孝をお許し下さい」
「良い。私の最後の仕事、全うさせてくれるだろう?」
花嫁衣装を着飾り、今日この日に夫婦誓いを立てる。
辺境に住む者にセレスティアをお披露目する日。
セレスティアは父の腕に手を添える。
娘を連れて、公爵は辺境の当主の元へ向かった。
セレスティアは実父が辺境に訪れたことに大層驚いた。
「失礼しました…公爵様」
公爵家から放逐された身を思い出して、頭を下げた。
「まったく。うちに寄らずに辺境に飛び出していくなど…親不孝者め」
王太子殿下の婚約者に選ばれてから、父とは家族というより貴族相手のように接してきた。
弱みを見せぬよう、甘える事もしなかった。
殿下に婚約破棄されたことに対する叱責であると思っていたのだが。
「…婚約破棄に伴い、公爵家から放逐されたと聞いておりましたから」
「婚約破棄…?」
公爵は不機嫌そうな顔を一層深めた。
「婚約破棄などではない。婚約解消だ。お前に落ち度はない」
公爵の言葉に、セレスティアは戸惑う。
落ち度はないと知るのは自分自身だけと思っていた。
「お父様…」
「あと、貴族籍からは抜いたが、家族の縁まで切ったつもりはないぞ。ほら」
セレスティアに差し出されたのは、クロードの記事を集めたスクラップブック。
宝石より、ドレスより、大事な宝物を受取り胸に抱きしめた。
またこの手元に戻ってくるとは思っていなかった。
「…殿下と婚約解消した公爵令嬢が辺境伯に嫁げば、邪推されるだろう?謀反などと騒がれぬように公爵籍から抜いた。…平民となったお前を受け入れるかどうかはクロード殿の度量しだいかと思ったが」
公爵はセレスティアの顔をじっと見つめて、僅かに微笑む。
「王都に居た時より柔和になったな。クロード殿のおかげか」
「はいっ」
辺境では確かに王都に比べて不便な面もあるけれど、クロード様が居れば、それもまた楽しい。
「公爵、いえ、お父様。親不孝をお許し下さい」
「良い。私の最後の仕事、全うさせてくれるだろう?」
花嫁衣装を着飾り、今日この日に夫婦誓いを立てる。
辺境に住む者にセレスティアをお披露目する日。
セレスティアは父の腕に手を添える。
娘を連れて、公爵は辺境の当主の元へ向かった。
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