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零 (番外)※軽度のエロ(当社比)
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最期に、愛しの殿下の顔が見たかった。
その想いだけで今日まで生きた。
私は罪人だ。
愛しの婚約者に婚約破棄をされ、投獄された。
獄中生活だったにも関わらず、衰弱しているはずの身体は思ったよりも健康的だった。
断頭台の階段もふらつくことなく上がりきる。
愛しい殿下は意中の彼女を横に据え、こちらを睨んでいた。
貴方は笑顔の私を覚えていて。
今日で全てが終わる、そう思えば何故か気持ちがすっきりした。
心から笑える。
一瞬、殿下が訝しんだ。
でも、もうどうでも良い。
瞼を閉じてその時を待つ。
早く、私を終わらせて。
遠い記憶で聞いた嘶きと共に、身体が宙に浮いた。
---
投獄され、用意された食事を放棄した。
しかし牢番の男に無理やり押し込まれ食べさせられた。
…意外なことに食事は美味しかった。
実家で食べた優しい味を思い出す。あの頃はお父様もお母様も……なんだっけ…記憶が繋がらない。
本当は餓死を狙ったのだけれど、いつもよりも美味しいと感じる食事に食欲が負けた。
だから、考え方を変えた。
最期に彼の顔を見るためだけに生きようと。
婚約者だった王太子殿下から、罪人を慰み者にして良いと許可が出たと、牢番が言った。
牢番は食事を拒否した時、無理やり口を開かされてパンを突っ込んできた男だ。
身体を擽られ、思わず笑った口にパンを押し込まれ、なかなか乱暴な男だった。
こんな粗雑な男に、嬲られた。
最初はキスだけ。
何時間も唇を合わし、食まれ、舐められる。
両手は指を絡めて繋がれた。
角度を変えて何度も唇を合わせれば、抵抗する力も気力も吸い取られるようだった。
キスってこんな体力が要る行為なのだなとぼんやり考えていた。
次の日は何時間も身体を撫でられ舐めまわされた。
初めこそ、気持ち悪いと思っていたのに。
いつの間にか男が言うまま四つん這いになり、誰にも見せたことがない所を広げられ、舐められ舌を突っ込まれた。
こんな屈辱に耐えてまで彼の顔が見たいのか、と何度も自問した。
じわじわと身体の奥からせり上がってくるものがある。
何か、来る。
初めての感覚に思わず、助けてお母様と叫んでしまった。
今日はあんたの初めてを貰うと男は言った。
逃げようとはした、だが狭い牢に逃げ場はない。
壁に張り付くと、男は両手を壁について逃げ道を塞いだ。
いつもの、「あんた」じゃない。
男が罪人を愛称で呼んだ。
家族と、彼だけが呼んでいた名だ。
彼って、誰…。
懐かしい響きに涙がこぼれた。
男は溢れた涙を掬う。
それだけなのに身体から力が抜けた。
男の顔が近づき、そっと目を閉じた。
どうしよう。どうしよう。
愛しい王太子殿下ではないのに、男と唇を合わせ、指が敏感な部分を弄られて気持ちよくなっていた。
貫かれる時も抵抗しなかった。
痛みに泣けば、男は頭を撫でた。
やがて痛みが別のものへ変化する。
嫌だと思っていたのが嘘のように自分から舌を絡めていく。
逃さないように抱きつけば、男は呻いた。
男は果てた。罪人のナカで。
何度も罪人の愛称を呼び、子種を吐き出した。
今日も男を待っている。
生きて、最期に彼の顔を見るためには、この仕打ちを受け入れなければならない。
恥辱に耐えて、彼に会うのだ。
会うために、必要なことなのだ。
だから早く…来て。
牢番の男は食事を笑顔で持ってくる。
男の笑顔に足の間からずくりとなにかが溢れた。
どっちを先に欲しい?
男の問いに、首に腕を巻きつけて唇を奪うことでそれに答えた。
その想いだけで今日まで生きた。
私は罪人だ。
愛しの婚約者に婚約破棄をされ、投獄された。
獄中生活だったにも関わらず、衰弱しているはずの身体は思ったよりも健康的だった。
断頭台の階段もふらつくことなく上がりきる。
愛しい殿下は意中の彼女を横に据え、こちらを睨んでいた。
貴方は笑顔の私を覚えていて。
今日で全てが終わる、そう思えば何故か気持ちがすっきりした。
心から笑える。
一瞬、殿下が訝しんだ。
でも、もうどうでも良い。
瞼を閉じてその時を待つ。
早く、私を終わらせて。
遠い記憶で聞いた嘶きと共に、身体が宙に浮いた。
---
投獄され、用意された食事を放棄した。
しかし牢番の男に無理やり押し込まれ食べさせられた。
…意外なことに食事は美味しかった。
実家で食べた優しい味を思い出す。あの頃はお父様もお母様も……なんだっけ…記憶が繋がらない。
本当は餓死を狙ったのだけれど、いつもよりも美味しいと感じる食事に食欲が負けた。
だから、考え方を変えた。
最期に彼の顔を見るためだけに生きようと。
婚約者だった王太子殿下から、罪人を慰み者にして良いと許可が出たと、牢番が言った。
牢番は食事を拒否した時、無理やり口を開かされてパンを突っ込んできた男だ。
身体を擽られ、思わず笑った口にパンを押し込まれ、なかなか乱暴な男だった。
こんな粗雑な男に、嬲られた。
最初はキスだけ。
何時間も唇を合わし、食まれ、舐められる。
両手は指を絡めて繋がれた。
角度を変えて何度も唇を合わせれば、抵抗する力も気力も吸い取られるようだった。
キスってこんな体力が要る行為なのだなとぼんやり考えていた。
次の日は何時間も身体を撫でられ舐めまわされた。
初めこそ、気持ち悪いと思っていたのに。
いつの間にか男が言うまま四つん這いになり、誰にも見せたことがない所を広げられ、舐められ舌を突っ込まれた。
こんな屈辱に耐えてまで彼の顔が見たいのか、と何度も自問した。
じわじわと身体の奥からせり上がってくるものがある。
何か、来る。
初めての感覚に思わず、助けてお母様と叫んでしまった。
今日はあんたの初めてを貰うと男は言った。
逃げようとはした、だが狭い牢に逃げ場はない。
壁に張り付くと、男は両手を壁について逃げ道を塞いだ。
いつもの、「あんた」じゃない。
男が罪人を愛称で呼んだ。
家族と、彼だけが呼んでいた名だ。
彼って、誰…。
懐かしい響きに涙がこぼれた。
男は溢れた涙を掬う。
それだけなのに身体から力が抜けた。
男の顔が近づき、そっと目を閉じた。
どうしよう。どうしよう。
愛しい王太子殿下ではないのに、男と唇を合わせ、指が敏感な部分を弄られて気持ちよくなっていた。
貫かれる時も抵抗しなかった。
痛みに泣けば、男は頭を撫でた。
やがて痛みが別のものへ変化する。
嫌だと思っていたのが嘘のように自分から舌を絡めていく。
逃さないように抱きつけば、男は呻いた。
男は果てた。罪人のナカで。
何度も罪人の愛称を呼び、子種を吐き出した。
今日も男を待っている。
生きて、最期に彼の顔を見るためには、この仕打ちを受け入れなければならない。
恥辱に耐えて、彼に会うのだ。
会うために、必要なことなのだ。
だから早く…来て。
牢番の男は食事を笑顔で持ってくる。
男の笑顔に足の間からずくりとなにかが溢れた。
どっちを先に欲しい?
男の問いに、首に腕を巻きつけて唇を奪うことでそれに答えた。
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