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三
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「…何をいいだすんだい、カーラ」
「あら。陛下からお言葉はありませんでした?
『公の場で婚約破棄を宣言してこい』とか」
「そんなこと言われてない!」
言われてはいないが、『卒業の場で盛大に宣言してこい。誰もお前を咎めない』とは、言われた。
何を?と思ったが、まさか婚約破棄など…!
王太子はカーラと婚約破棄などするつもりはない。
以前にはなかった妙に色めいたカーラを手放すつもりはない。
カーラは不思議そうに首をひねった。
「君は、結婚を楽しみにしていたじゃないか!卒業したら結婚する、と」
カーラはぶわっと一気に茹で上がった顔を両手で挟み、「あの、それは」と慌てふためいていた。
「僕と結婚してくれるんだろう」
「え?」
すっと真っ赤の顔から色が消える。
カーラだけでなく、周りの側近たちも「はぁ?」と驚いていた。
「私と殿下の婚約は破棄を前提とした契約ですけれど?」
「あら。陛下からお言葉はありませんでした?
『公の場で婚約破棄を宣言してこい』とか」
「そんなこと言われてない!」
言われてはいないが、『卒業の場で盛大に宣言してこい。誰もお前を咎めない』とは、言われた。
何を?と思ったが、まさか婚約破棄など…!
王太子はカーラと婚約破棄などするつもりはない。
以前にはなかった妙に色めいたカーラを手放すつもりはない。
カーラは不思議そうに首をひねった。
「君は、結婚を楽しみにしていたじゃないか!卒業したら結婚する、と」
カーラはぶわっと一気に茹で上がった顔を両手で挟み、「あの、それは」と慌てふためいていた。
「僕と結婚してくれるんだろう」
「え?」
すっと真っ赤の顔から色が消える。
カーラだけでなく、周りの側近たちも「はぁ?」と驚いていた。
「私と殿下の婚約は破棄を前提とした契約ですけれど?」
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