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東伍は小春を再び車椅子に座らせると、そっと背中をさすった。
「……トウゴ、変わらないわね。たしかに教師に向いてる」
「クビになったけどな」
「大丈夫よ、ジンさえ見つかれば。あとは、あの子をどうにかできれば、ね」
多少呼吸が楽になったのか、小春の顔には血の気が戻った様子だった。
それは東伍が背中をさすったから、というわけでなく。その視線の先に、凛子と恭一を捉えたからに他ならない。
二人は駆け足から徐々に速度を緩め、パタパタと静かな足音が通路にゆっくり反響し、やがて止まった。
「水野っち、水臭いじゃん。急に宿舎を飛び出したりしてさ」
「船井こそ。お前、どうやってこの場所まで辿り着いたんだ? 俺の身体にGPSでも埋め込んだか」
東伍の冗談に、いつもなら帰ってくるはずの陽気なツッコミは返ってこない。
「恭ちゃんがここじゃないかってさ。さすが夫婦だよね。ママの考えることは、なんでもお見通しなんだから」
凛子は額に汗を滲ませながら、何故だか薄ら笑みを浮かべる。その二、三歩後ろでは、恭一が肩で息をしながら心配そうな顔で小春を見ていた。
「なんで車椅子? ママ、具合でも悪いの?」
「ママって誰だ」
「あー、水野っち面倒くさいよ。もう粗方のことはママから訊いちゃったんでしょ? 無駄な会話はしたくないから。ねえママ、こっちにおいでよ」
「断る」
凛子のおちゃらけた表情が、東伍の一言で無に変化する。
「……水野っちに話してないよ。あたしはママに言ってんの」
「だから断る」
「はあ? ふざけないで。ママ、なんで水野っちを連れ出したりしたの? ちゃんと話し合って決めたよね?」
「何を決めたんだ。俺を、第四ラボとやらに連れて行くことか?」
「だから! 水野っちに話してないって言ってんでしょ!!」
通路に凛子の声が響く。今にも東伍に向かっていきそうな勢いの凛子を、恭一が制した。
「水野さん。騙すような真似をして申し訳ありません。今、泉さんの身体で主導権を握っているのは小春……私の妻で間違いありませんか」
「さあな。直接訊いてみたらどうだ」
恭一は東伍の口調や態度に眉を上げるも、今は小春への確認が先決と視線を移す。
「小春さん、だね」
柔らかく。目尻を下げて微笑みながら、恭一は小春の名を呼んだ。
その視線に応えるように顔を上げれば、小春もまた、眉を下げて微笑みを返す。
「恭一さん、ごめんなさい。私やっぱり、こんなこと、ダメだと思うの」
「うん。小春さんなら、そうして答えを出すんじゃないかって、分かってた」
「ちょ、ちょっと待ってよ」
二人の会話に凛子が慌てて割り込むと、その肩を恭一がそっと掴む。
「やめよう。やはりこんなことは間違ってる。彼女は小春さんじゃない。泉ちゃんには、本当の泉ちゃんの人格を戻してあげるべきなんだ」
「……冗談でしょ? ママを諦めるっていうの?! そんなの絶対いやだ! やっと。やっと家族が全員、揃ったんだよ? もう少しで、泉の身体はママのものになるのに」
鼻頭に皺を寄せ、必死に涙が流れるのを我慢しながら、凛子は揺れる瞳を恭一に向けていた。
そんな様子に、東伍は察する。
この家族は、歪んだ愛を形にする気だったのだと。
「小春さんは死んだんだ」
「……やめて水野っち。ママは死んでない」
「美和ってやつに殺されたんだろう?」
「やめてって言ってんでしょ!」
「凛子。落ち着きなさい。水野さんには、僕が説明するから」
恭一が言えば、凛子はその場にへたり込んで項垂れた。そんな凛子を悲しげに一瞥してから、恭一は東伍へと顔を向ける。
「妻がこの世を去ったのは、今から十七年前のことです。それまで私たち夫婦は、行方不明になった美聖さんの代わりに泉さんを引き取り、育て、さらに凛子さんにも恵まれて、家族四人慎ましくも穏やかに暮らしておりました。以前、水野さんが訪れてくださったあの一軒家で」
東伍の脳裏には、黒いエプロンで丸メガネを付けた恭一の姿が浮かんでいた。
「幸せでした。鷹司の家で使用人として働く傍ら、愛する家族と共に過ごす時間が何より大切でした。でも、あの悪魔の女が我が家にやってきて、私たちの幸せは一瞬で握り潰されてしまった」
「美和か」
「その通りです。あの女は、本当なら美聖さんを殺害した罪で逮捕されていなければならなかった、にも関わらず。慶三氏が例の研究のために美聖さんの死を偽装し、行方不明などと真実をねじ曲げ、全てを闇に葬り去った。おかげで最近に至るまで、私や凛子さんもその真実を知ることができずにおりました。だから油断していた。まさか小春さんを殺そうとする人間がいるなんて、夢にも思っていなかったから」
「動機は? どうして美和は小春さんを?」
「私が邪魔になったからよ」
東伍の問いに、小春が答える。
「泉が七歳くらいの頃、彼女の言動になんとなく違和感を覚え始めてね。さっきまで笑っていたかと思えばふと無表情になったり、口調が荒っぽくなったり……今思えば、それは美聖が出産した際に点滴へと混入された毒のせい。だけど私たちはまだそのことを知らなかったから、調査も兼ねてなぎさ総合病院に連れて行ってみることにしたのよ」
「調査?」
「私と恭一さんは、美聖の死の真相をずっと探ってた。どうして美聖の身体はあんな事になってしまったのか。死んだはずの美聖の葬儀は行われず、行方不明として警察に届が出されたことにも何度も抗議をしていたの。でも、誰も聞く耳を持ってはくれなかった。だから私たちは、美聖から預かっていた鍵の箱を頼りに、どの鍵穴に合うかを独自で調べていた。ゲノム研究の真実を明らかにする事が、全てを解決する一番の近道になると思ったから」
泉の診察と検査を待つ間、小春は院内の至る場所に鍵を当てがった。だが結局、鍵に合う鍵穴を見つけることはできなかった。
「その日は諦めて、泉の診断結果だけを聞いて帰ることにした。だけどその時、隣に座っていたはずの泉がいつの間にかいなくなっていたことに気づいたの。トイレにでも行ったのかってしばらく待ってみたんだけど、全然帰ってこなくて……だんだんと焦りを覚えた私は、院内を探し回ったわ。そんな私に、とある看護師が声を掛けてきた。その看護師は泉がいる場所に私を案内すると言い、ほっとした私はその看護師の後をついて行ったの」
「それって……」
「ええ。その看護師は美和だった。さっき見せた映像の中で注射器を持っていた女と同じ顔が、私に迫って——それが、私がこうなる前の最後の記憶よ」
恭一は自分を抑するように唇を噛み締める。
「二人だけで病院に向かわせた事、何度も……何度も後悔しました。僕が一緒だったら。鍵穴を探し回っていたのが僕だったなら。小春さんは美和に目をつけられることもなく、ましてや命を取られることもなかったのではないか。そう、自分を責めない日はない」
「それは違うわ、恭一さん。何度も言ったでしょう? あの女の顔は嫉妬に満ちていた。鍵のことはなくてもいずれ、私は美和に殺されていたのよ。そういう運命だったんだわ」
恭一は吸い寄せられるように小春のそばまで行くと、目の前で跪く。そうしてそっと手を握り、その手に額を寄せた。
言葉のない時間が数秒。その静寂を破ったのは凛子だった。
「ねえ。見てわかるでしょ、水野っち。恭ちゃんとママは、長く苦しい時を乗り越えて今やっと幸せを手に入れたんだ。あたしはさ、二人にこのままずっと一緒にいてもらいたい。そのためには、水野っちを指定された場所にに連れて行かなきゃならないんだよ。わかって、くれるよね?」
凛子は立ち上がる。頬には涙が筋になって伝い、両手には小さなナイフが握られていた。
「水野っち、お願い。いうことを聞いて?」
「船井」
「お願い……お願いします、水野先生」
凛子は高校生を通り越し、まるで少女のように顔を皺くちゃにして鼻を啜る。
寄り添う夫婦と、その娘。目の前の家族の悲痛を目の当たりにした東伍が、凛子の願いを聞き入れようと手を伸ばそうとした、その時。
「……トウゴ、変わらないわね。たしかに教師に向いてる」
「クビになったけどな」
「大丈夫よ、ジンさえ見つかれば。あとは、あの子をどうにかできれば、ね」
多少呼吸が楽になったのか、小春の顔には血の気が戻った様子だった。
それは東伍が背中をさすったから、というわけでなく。その視線の先に、凛子と恭一を捉えたからに他ならない。
二人は駆け足から徐々に速度を緩め、パタパタと静かな足音が通路にゆっくり反響し、やがて止まった。
「水野っち、水臭いじゃん。急に宿舎を飛び出したりしてさ」
「船井こそ。お前、どうやってこの場所まで辿り着いたんだ? 俺の身体にGPSでも埋め込んだか」
東伍の冗談に、いつもなら帰ってくるはずの陽気なツッコミは返ってこない。
「恭ちゃんがここじゃないかってさ。さすが夫婦だよね。ママの考えることは、なんでもお見通しなんだから」
凛子は額に汗を滲ませながら、何故だか薄ら笑みを浮かべる。その二、三歩後ろでは、恭一が肩で息をしながら心配そうな顔で小春を見ていた。
「なんで車椅子? ママ、具合でも悪いの?」
「ママって誰だ」
「あー、水野っち面倒くさいよ。もう粗方のことはママから訊いちゃったんでしょ? 無駄な会話はしたくないから。ねえママ、こっちにおいでよ」
「断る」
凛子のおちゃらけた表情が、東伍の一言で無に変化する。
「……水野っちに話してないよ。あたしはママに言ってんの」
「だから断る」
「はあ? ふざけないで。ママ、なんで水野っちを連れ出したりしたの? ちゃんと話し合って決めたよね?」
「何を決めたんだ。俺を、第四ラボとやらに連れて行くことか?」
「だから! 水野っちに話してないって言ってんでしょ!!」
通路に凛子の声が響く。今にも東伍に向かっていきそうな勢いの凛子を、恭一が制した。
「水野さん。騙すような真似をして申し訳ありません。今、泉さんの身体で主導権を握っているのは小春……私の妻で間違いありませんか」
「さあな。直接訊いてみたらどうだ」
恭一は東伍の口調や態度に眉を上げるも、今は小春への確認が先決と視線を移す。
「小春さん、だね」
柔らかく。目尻を下げて微笑みながら、恭一は小春の名を呼んだ。
その視線に応えるように顔を上げれば、小春もまた、眉を下げて微笑みを返す。
「恭一さん、ごめんなさい。私やっぱり、こんなこと、ダメだと思うの」
「うん。小春さんなら、そうして答えを出すんじゃないかって、分かってた」
「ちょ、ちょっと待ってよ」
二人の会話に凛子が慌てて割り込むと、その肩を恭一がそっと掴む。
「やめよう。やはりこんなことは間違ってる。彼女は小春さんじゃない。泉ちゃんには、本当の泉ちゃんの人格を戻してあげるべきなんだ」
「……冗談でしょ? ママを諦めるっていうの?! そんなの絶対いやだ! やっと。やっと家族が全員、揃ったんだよ? もう少しで、泉の身体はママのものになるのに」
鼻頭に皺を寄せ、必死に涙が流れるのを我慢しながら、凛子は揺れる瞳を恭一に向けていた。
そんな様子に、東伍は察する。
この家族は、歪んだ愛を形にする気だったのだと。
「小春さんは死んだんだ」
「……やめて水野っち。ママは死んでない」
「美和ってやつに殺されたんだろう?」
「やめてって言ってんでしょ!」
「凛子。落ち着きなさい。水野さんには、僕が説明するから」
恭一が言えば、凛子はその場にへたり込んで項垂れた。そんな凛子を悲しげに一瞥してから、恭一は東伍へと顔を向ける。
「妻がこの世を去ったのは、今から十七年前のことです。それまで私たち夫婦は、行方不明になった美聖さんの代わりに泉さんを引き取り、育て、さらに凛子さんにも恵まれて、家族四人慎ましくも穏やかに暮らしておりました。以前、水野さんが訪れてくださったあの一軒家で」
東伍の脳裏には、黒いエプロンで丸メガネを付けた恭一の姿が浮かんでいた。
「幸せでした。鷹司の家で使用人として働く傍ら、愛する家族と共に過ごす時間が何より大切でした。でも、あの悪魔の女が我が家にやってきて、私たちの幸せは一瞬で握り潰されてしまった」
「美和か」
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「動機は? どうして美和は小春さんを?」
「私が邪魔になったからよ」
東伍の問いに、小春が答える。
「泉が七歳くらいの頃、彼女の言動になんとなく違和感を覚え始めてね。さっきまで笑っていたかと思えばふと無表情になったり、口調が荒っぽくなったり……今思えば、それは美聖が出産した際に点滴へと混入された毒のせい。だけど私たちはまだそのことを知らなかったから、調査も兼ねてなぎさ総合病院に連れて行ってみることにしたのよ」
「調査?」
「私と恭一さんは、美聖の死の真相をずっと探ってた。どうして美聖の身体はあんな事になってしまったのか。死んだはずの美聖の葬儀は行われず、行方不明として警察に届が出されたことにも何度も抗議をしていたの。でも、誰も聞く耳を持ってはくれなかった。だから私たちは、美聖から預かっていた鍵の箱を頼りに、どの鍵穴に合うかを独自で調べていた。ゲノム研究の真実を明らかにする事が、全てを解決する一番の近道になると思ったから」
泉の診察と検査を待つ間、小春は院内の至る場所に鍵を当てがった。だが結局、鍵に合う鍵穴を見つけることはできなかった。
「その日は諦めて、泉の診断結果だけを聞いて帰ることにした。だけどその時、隣に座っていたはずの泉がいつの間にかいなくなっていたことに気づいたの。トイレにでも行ったのかってしばらく待ってみたんだけど、全然帰ってこなくて……だんだんと焦りを覚えた私は、院内を探し回ったわ。そんな私に、とある看護師が声を掛けてきた。その看護師は泉がいる場所に私を案内すると言い、ほっとした私はその看護師の後をついて行ったの」
「それって……」
「ええ。その看護師は美和だった。さっき見せた映像の中で注射器を持っていた女と同じ顔が、私に迫って——それが、私がこうなる前の最後の記憶よ」
恭一は自分を抑するように唇を噛み締める。
「二人だけで病院に向かわせた事、何度も……何度も後悔しました。僕が一緒だったら。鍵穴を探し回っていたのが僕だったなら。小春さんは美和に目をつけられることもなく、ましてや命を取られることもなかったのではないか。そう、自分を責めない日はない」
「それは違うわ、恭一さん。何度も言ったでしょう? あの女の顔は嫉妬に満ちていた。鍵のことはなくてもいずれ、私は美和に殺されていたのよ。そういう運命だったんだわ」
恭一は吸い寄せられるように小春のそばまで行くと、目の前で跪く。そうしてそっと手を握り、その手に額を寄せた。
言葉のない時間が数秒。その静寂を破ったのは凛子だった。
「ねえ。見てわかるでしょ、水野っち。恭ちゃんとママは、長く苦しい時を乗り越えて今やっと幸せを手に入れたんだ。あたしはさ、二人にこのままずっと一緒にいてもらいたい。そのためには、水野っちを指定された場所にに連れて行かなきゃならないんだよ。わかって、くれるよね?」
凛子は立ち上がる。頬には涙が筋になって伝い、両手には小さなナイフが握られていた。
「水野っち、お願い。いうことを聞いて?」
「船井」
「お願い……お願いします、水野先生」
凛子は高校生を通り越し、まるで少女のように顔を皺くちゃにして鼻を啜る。
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