44 / 55
44
しおりを挟む
『あれ。どうしたの? 随分早いね。仕事は?』
チャイムに気づき、玄関先に出てきた東伍は、とぼけた表情でそう言った。
『みずっ……と、東伍。ごめん、連絡しないで来ちゃって』
『ああ、そっか。陽子うちにスマホ忘れて行ったんだっけね』
東伍が廊下を抜けて部屋の中に入っていくと、陽子は慌てて靴を脱ぎ捨てその後を追う。
だがふと、洗面所を横目に思い立ち、トイレを借りるよう伝えてから鏡の前に立った。
久しぶりの自分を噛み締めながら、髪を撫でる。深呼吸を何度かして、目についたメイクポーチからオレンジ色のリップを取り出すと、塗ってみた。
ぷっくり艶めく唇。慣れ親しんだはずの顔がずいぶん綺麗になったと、陽子は浮き足立つ想いを懸命に抑えてリビングへと向かった。
『はい、これスマホ』
『あ、ありがとう』
スマホを受け取った陽子は、ソファーの右端に腰を下ろした。
『それで、今日はどうしたの? 約束は明日だったよね?』
『えっと……今日、クリスマスだなって!』
『ああ、まだイブだけど』
『ご飯、つくろうかなって思ってさ』
『ご飯? へえ、珍しい。陽子、料理苦手なのに』
『たまにはいいじゃん!』
突然大声を出す陽子に、東伍は一瞬たじろいだ後、くすりと笑った。
『なんか、いつもと雰囲気違うね。まるで子供みたいだ』
『そんなことない……わよ。ほら、買い物行こう?』
陽子は東伍の腕を掴む。その逞しい感触と温度に、陽子の頬はすぐに高揚を見せた。
東伍を連れ出し、駅前のスーパに出向いた陽子。東伍がカートを押し、隣に並んで肉や野菜を同じカゴに入れていくことには、なんとも言えない楽しさを覚えていた。
『こんな肉買って、何作るの?』
『えっとね、ビーフシチュー』
『ビーフシチュー、好きだっけ?』
東伍の返しに、陽子の足が止まる。
『私、ずっと好きだよ。ビーフシチュー』
『そうだったんだ。あ、でもほら、ビーフストロガノフ? ああいうのは食べに行ったことがあったよね。赤ワインにもよく合うし。似たようなものか』
『ビーフ、ストロガノフ……』
陽子は悲しげに眉を下げたが、東伍はその表情には気づかなかった。
会計を済ませて東伍の部屋に帰った陽子は、見知らぬエプロンを身につけて、使ったこともない鍋をかき回す。
ぐつぐつ煮える玉ねぎや人参、じゃがいもを見つめながら市販のルーに目を移し、目の前の料理が確実にビーフストロガノフでは無いことを思いながらも、できるだけ気持ちを落とさず会話をすることに努めた。
『陽子。ちょっといいかな』
東伍は改まって、陽子に向き直す。
『本当は明日レストランを予約していて、その時に言おうと思っていたんだけど、せっかくこうして陽子がご飯を作ってくれたから今日言いたくなって』
『うん。なに?』
『俺たち、結婚しないか』
『え……』
『俺と結婚して欲しい』
東伍のプロポーズに、鍋をかき回す陽子の手が止まった。
気持ちが複雑で、目が泳ぐ。東伍とこうして会話することを、笑い合うことを、ましてやプロポーズなんて、夢にまで見た出来事のはずなのに。
東伍が呼ぶ陽子は自分ではない。
東伍が目に映している恋人は自分ではない。
ビーフシチューを好きな陽子を知らない東伍は、陽子の好いた水野東伍とは、別人だ。
スマホの画面に視線を落とすと、そこには頬を寄せ合い笑う、陽子と東伍。
『……生クリーム忘れた』
『え?』
『買ってくるね』
東伍が引き止める声を背に、陽子は東伍のマンションを飛び出した。悔しかった。せっかく身体を取り戻せても、千紗子には敵わない現実に、陽子は腹を立てていた。
陽子は走りながら考える。
この先東伍と過ごして、この溝が埋まることはあるのだろうか。あのなんてことないビーフシチューも、生クリームをかければそれっぽく見えるのだろうか——
陽子は震える手でスマホを操作すると、東伍にメッセージを打つ。そうして最後に送信ボタンを押した時、締め付けられるような強い頭痛が陽子を襲った。
視界はぼやけ、だんだんと光を失っていく。
“残念だけど陽子、それは無理よ”
「その声を最後に私の意識は途切れ、目を覚ますと、私の人格は泉さんの身体に戻っていた。それから自分の身体に人格が目覚めたことは、一度もない」
「あの日、俺のプロポーズを受けたのはきみだったのか」
泉は悲しげに俯いた。
「半年後、私が泉さんの身体を使って水野くんの元へと姿を現したのは、復讐よ。小春さんへの凛子さんの想いを利用して騙し、小瀬メンタルクリニックへと誘導して、水野くんを地下に閉じ込めた。あのまま千紗子のものになるくらいならいっそ……居なくなってくれたら、って」
陽子は膝をつく。
「ごめんね、水野くん。酷い目に合わせて、私、最低だよね」
「小林……」
「でも本当、生きていてくれてよかった。でっちあげた話だったけど、嘘の私だったけど、こうしてまた私として話ができて、嬉し、かったよ」
蹲り、荒い呼吸を繰り返す陽子の背中に、東伍がそっと触れた。
「ごめんね、水野くん。また水野くんと一緒に、ファミレス、行きたかったな」
泉は意識を失うと、小春の時と同様全身を脱力して床に伏せた。その身体を東伍が仰向けにして正せば、陽子は目を細めて首を傾げる。
「あーあ、やっぱ定着しないで消えちゃうの? 東伍の持つその消滅ゲノム、恐ろしいわね。でもこれでわかったでしょう? 私はあなたを殺そうとなんてしていない。むしろ、今消えて行ったあの子の方が怪物だったじゃない。まったく、私の愛した陽子はどこに行ってしまったのかしら……あ、陽子は私だったっけ」
クツクツ笑う陽子を見て、東伍はつられるように顔を綻ばせた。
「そうだな。お前は陽子なんだろうな。鷹司慶三が始めたゲノム研究のせいで、たくさんの人の人生が狂わされた。ならばせめてその成果は、認めてやらないと報われないよな」
「あら。それはいい考え方だと思うわ」
「お前、なにをそんなに焦っているんだ」
「焦る?」
「俺や鷹司泉をこのラボに連れて来たかったのには理由があるよな? さっきの小林陽子の話、今のその身体の中には、夏川千紗子と小林陽子の人格が混在している。俺のゲノム反応で、鷹司泉の主人格ではない小林陽子の人格が消滅したのなら……今お前に俺がキスをした場合、夏川千紗子と小林陽子、どちらの人格がその身体で生き残ることができると思う?」
東伍の質問に答える代わりに、陽子は鼻頭に皺を寄せて眼力を強める。
「人格を移したり消滅させたり、そんなことはもううんざりだ。だが今回のことを丸く収めるには、この技術やゲノムの存在は必要不可欠なんだろう」
「なにが言いたいの?」
「協力はする。でもそれは、その小林陽子の身体の中から夏川千紗子の人格が消滅してからだ」
「っっ!!」
「どうした、顔色が悪いぞ。もしかしてもう時間の問題か?」
陽子の顔面から、血の気が失せていく。
東伍の言葉の意味を理解した凛子と恭一、それからジンは、静観の意を示した。
「あ! やっと会えました、水野先生!」
チャイムに気づき、玄関先に出てきた東伍は、とぼけた表情でそう言った。
『みずっ……と、東伍。ごめん、連絡しないで来ちゃって』
『ああ、そっか。陽子うちにスマホ忘れて行ったんだっけね』
東伍が廊下を抜けて部屋の中に入っていくと、陽子は慌てて靴を脱ぎ捨てその後を追う。
だがふと、洗面所を横目に思い立ち、トイレを借りるよう伝えてから鏡の前に立った。
久しぶりの自分を噛み締めながら、髪を撫でる。深呼吸を何度かして、目についたメイクポーチからオレンジ色のリップを取り出すと、塗ってみた。
ぷっくり艶めく唇。慣れ親しんだはずの顔がずいぶん綺麗になったと、陽子は浮き足立つ想いを懸命に抑えてリビングへと向かった。
『はい、これスマホ』
『あ、ありがとう』
スマホを受け取った陽子は、ソファーの右端に腰を下ろした。
『それで、今日はどうしたの? 約束は明日だったよね?』
『えっと……今日、クリスマスだなって!』
『ああ、まだイブだけど』
『ご飯、つくろうかなって思ってさ』
『ご飯? へえ、珍しい。陽子、料理苦手なのに』
『たまにはいいじゃん!』
突然大声を出す陽子に、東伍は一瞬たじろいだ後、くすりと笑った。
『なんか、いつもと雰囲気違うね。まるで子供みたいだ』
『そんなことない……わよ。ほら、買い物行こう?』
陽子は東伍の腕を掴む。その逞しい感触と温度に、陽子の頬はすぐに高揚を見せた。
東伍を連れ出し、駅前のスーパに出向いた陽子。東伍がカートを押し、隣に並んで肉や野菜を同じカゴに入れていくことには、なんとも言えない楽しさを覚えていた。
『こんな肉買って、何作るの?』
『えっとね、ビーフシチュー』
『ビーフシチュー、好きだっけ?』
東伍の返しに、陽子の足が止まる。
『私、ずっと好きだよ。ビーフシチュー』
『そうだったんだ。あ、でもほら、ビーフストロガノフ? ああいうのは食べに行ったことがあったよね。赤ワインにもよく合うし。似たようなものか』
『ビーフ、ストロガノフ……』
陽子は悲しげに眉を下げたが、東伍はその表情には気づかなかった。
会計を済ませて東伍の部屋に帰った陽子は、見知らぬエプロンを身につけて、使ったこともない鍋をかき回す。
ぐつぐつ煮える玉ねぎや人参、じゃがいもを見つめながら市販のルーに目を移し、目の前の料理が確実にビーフストロガノフでは無いことを思いながらも、できるだけ気持ちを落とさず会話をすることに努めた。
『陽子。ちょっといいかな』
東伍は改まって、陽子に向き直す。
『本当は明日レストランを予約していて、その時に言おうと思っていたんだけど、せっかくこうして陽子がご飯を作ってくれたから今日言いたくなって』
『うん。なに?』
『俺たち、結婚しないか』
『え……』
『俺と結婚して欲しい』
東伍のプロポーズに、鍋をかき回す陽子の手が止まった。
気持ちが複雑で、目が泳ぐ。東伍とこうして会話することを、笑い合うことを、ましてやプロポーズなんて、夢にまで見た出来事のはずなのに。
東伍が呼ぶ陽子は自分ではない。
東伍が目に映している恋人は自分ではない。
ビーフシチューを好きな陽子を知らない東伍は、陽子の好いた水野東伍とは、別人だ。
スマホの画面に視線を落とすと、そこには頬を寄せ合い笑う、陽子と東伍。
『……生クリーム忘れた』
『え?』
『買ってくるね』
東伍が引き止める声を背に、陽子は東伍のマンションを飛び出した。悔しかった。せっかく身体を取り戻せても、千紗子には敵わない現実に、陽子は腹を立てていた。
陽子は走りながら考える。
この先東伍と過ごして、この溝が埋まることはあるのだろうか。あのなんてことないビーフシチューも、生クリームをかければそれっぽく見えるのだろうか——
陽子は震える手でスマホを操作すると、東伍にメッセージを打つ。そうして最後に送信ボタンを押した時、締め付けられるような強い頭痛が陽子を襲った。
視界はぼやけ、だんだんと光を失っていく。
“残念だけど陽子、それは無理よ”
「その声を最後に私の意識は途切れ、目を覚ますと、私の人格は泉さんの身体に戻っていた。それから自分の身体に人格が目覚めたことは、一度もない」
「あの日、俺のプロポーズを受けたのはきみだったのか」
泉は悲しげに俯いた。
「半年後、私が泉さんの身体を使って水野くんの元へと姿を現したのは、復讐よ。小春さんへの凛子さんの想いを利用して騙し、小瀬メンタルクリニックへと誘導して、水野くんを地下に閉じ込めた。あのまま千紗子のものになるくらいならいっそ……居なくなってくれたら、って」
陽子は膝をつく。
「ごめんね、水野くん。酷い目に合わせて、私、最低だよね」
「小林……」
「でも本当、生きていてくれてよかった。でっちあげた話だったけど、嘘の私だったけど、こうしてまた私として話ができて、嬉し、かったよ」
蹲り、荒い呼吸を繰り返す陽子の背中に、東伍がそっと触れた。
「ごめんね、水野くん。また水野くんと一緒に、ファミレス、行きたかったな」
泉は意識を失うと、小春の時と同様全身を脱力して床に伏せた。その身体を東伍が仰向けにして正せば、陽子は目を細めて首を傾げる。
「あーあ、やっぱ定着しないで消えちゃうの? 東伍の持つその消滅ゲノム、恐ろしいわね。でもこれでわかったでしょう? 私はあなたを殺そうとなんてしていない。むしろ、今消えて行ったあの子の方が怪物だったじゃない。まったく、私の愛した陽子はどこに行ってしまったのかしら……あ、陽子は私だったっけ」
クツクツ笑う陽子を見て、東伍はつられるように顔を綻ばせた。
「そうだな。お前は陽子なんだろうな。鷹司慶三が始めたゲノム研究のせいで、たくさんの人の人生が狂わされた。ならばせめてその成果は、認めてやらないと報われないよな」
「あら。それはいい考え方だと思うわ」
「お前、なにをそんなに焦っているんだ」
「焦る?」
「俺や鷹司泉をこのラボに連れて来たかったのには理由があるよな? さっきの小林陽子の話、今のその身体の中には、夏川千紗子と小林陽子の人格が混在している。俺のゲノム反応で、鷹司泉の主人格ではない小林陽子の人格が消滅したのなら……今お前に俺がキスをした場合、夏川千紗子と小林陽子、どちらの人格がその身体で生き残ることができると思う?」
東伍の質問に答える代わりに、陽子は鼻頭に皺を寄せて眼力を強める。
「人格を移したり消滅させたり、そんなことはもううんざりだ。だが今回のことを丸く収めるには、この技術やゲノムの存在は必要不可欠なんだろう」
「なにが言いたいの?」
「協力はする。でもそれは、その小林陽子の身体の中から夏川千紗子の人格が消滅してからだ」
「っっ!!」
「どうした、顔色が悪いぞ。もしかしてもう時間の問題か?」
陽子の顔面から、血の気が失せていく。
東伍の言葉の意味を理解した凛子と恭一、それからジンは、静観の意を示した。
「あ! やっと会えました、水野先生!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
寄生虫の復讐 ~美咲の冷徹な一刺し~
スカッと文庫
ミステリー
「お前みたいな寄生虫はゴミだ」
10年尽くした夫・雅也から突きつけられたのは、離婚届と不倫相手。
彼は知らない。私が家を飛び出した「サカモト・ホールディングス」の令嬢であることを。
そして明日、彼が人生を賭けて挑む調印式の相手が、私の実父であることを。
どん底に叩き落とされたサレ妻による、容赦なき「経済的破滅」の復讐劇。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
【完結】限界離婚
仲 奈華 (nakanaka)
ミステリー
もう限界だ。
「離婚してください」
丸田広一は妻にそう告げた。妻は激怒し、言い争いになる。広一は頭に鈍器で殴られたような衝撃を受け床に倒れ伏せた。振り返るとそこには妻がいた。広一はそのまま意識を失った。
丸田広一の息子の嫁、鈴奈はもう耐える事ができなかった。体調を崩し病院へ行く。医師に告げられた言葉にショックを受け、夫に連絡しようとするが、SNSが既読にならず、電話も繋がらない。もう諦め離婚届だけを置いて実家に帰った。
丸田広一の妻、京香は手足の違和感を感じていた。自分が家族から嫌われている事は知っている。高齢な姑、離婚を仄めかす夫、可愛くない嫁、誰かが私を害そうとしている気がする。渡されていた離婚届に署名をして役所に提出した。もう私は自由の身だ。あの人の所へ向かった。
広一の母、文は途方にくれた。大事な物が無くなっていく。今日は通帳が無くなった。いくら探しても見つからない。まさかとは思うが最近様子が可笑しいあの女が盗んだのかもしれない。衰えた体を動かして、家の中を探し回った。
出張からかえってきた広一の息子、良は家につき愕然とした。信じていた安心できる場所がガラガラと崩れ落ちる。後始末に追われ、いなくなった妻の元へ向かう。妻に頭を下げて別れたくないと懇願した。
平和だった丸田家に襲い掛かる不幸。どんどん倒れる家族。
信じていた家族の形が崩れていく。
倒されたのは誰のせい?
倒れた達磨は再び起き上がる。
丸田家の危機と、それを克服するまでの物語。
丸田 広一…65歳。定年退職したばかり。
丸田 京香…66歳。半年前に退職した。
丸田 良…38歳。営業職。出張が多い。
丸田 鈴奈…33歳。
丸田 勇太…3歳。
丸田 文…82歳。専業主婦。
麗奈…広一が定期的に会っている女。
※7月13日初回完結
※7月14日深夜 忘れたはずの思い~エピローグまでを加筆修正して投稿しました。話数も増やしています。
※7月15日【裏】登場人物紹介追記しました。
2026年1月ジャンルを大衆文学→ミステリーに変更しています。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる