結婚前に経験を積むのは悪い事じゃない

祐月なこ

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プロローグ 2

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 社交界では甘いマスクの、整った顔立ちの侯爵家嫡男として女性たちの憧れの的であり、婚約者がいながら言い寄ってくる女は後を絶たなかった。貴族社会では、結婚前の火遊びは黙認される傾向がある。もちろん、遊びと割り切った女を見極めるのも大事だ。


 この国では、学園を卒業した18歳で社交界デビューが許される。クリスが社交界デビューをした時のセシリアはまだ15歳で学園に入学したばかりのまだ幼い少女といっていい頃だった。当然、セシリアを愛していたが無垢な少女である彼女に手を出すわけにはいかず、後腐れのない未亡人や後継を産む義務を果たした夫人を相手に、セシリアに向けられない持て余した性欲を発散した。

 
 クリスは、お互いに割り切った関係が持てるセシリアに害が及ばない相手を慎重に選んだ。

 そうして、ひと時の快楽に耽ることでセシリアへの情欲を誤魔化し、セシリアが学園を卒業し結婚できる時を長い年月待ち続けたのだ。


「そろそろ、こっちを触るね」


 クリスはセシリアの秘所にそっと手を這わせた。そこはしっかりと閉じられていた。胸をさんざん愛撫したつもりだったが、今まで相手をしてきた女のように胸だけで濡れる、ということはなかった。

 
 どうでもいい相手なら「面倒だ」と思ったかもしれないが、愛しいセシリアなら別だ。ゆっくりと丁寧に解して快楽を教え込まなければならない。

 自分色にセシリアを染めていく、という考えはクリスを存分に喜ばせた。


「セシー、驚くかもしれないけど、動かないでね」

「え?クリス…お兄様?」


 クリスはセシリアの両側の太ももをカエルのように開かせ、両手でガッチリと固定した。

股に顔を近づけ、そっとその割れ目の上の陰核に舌で触れる。


「お、お兄様!?」


 そのまま、円を描くように陰核をクニク二と舌で転がし、時々じゅるっと音を立てて吸った。


「…ふっ、 …はぁっ、…クリ、ス…おに、さま… あぁっ」


 セシリアから、感じている声があがる。その可愛い啼き声をもっともっと聞きたくて、クリスはひたすらにセシリアの陰核を舐めしゃぶった。


「セシー、気持ちいい?」


 セシリアの膣からも愛液が溢れ始め、ようやく女としての快楽を与えることができたことにクリスは喜びを隠せない。


「声、可愛いね。もっと啼いて、聴かせて?」


 クリスは陰核をしゃぶりながら、1本ずつ、セシリアの膣穴へ指を挿入した。

 そこは驚くほど狭く、今まで抱いたどの女よりも締まっていた。しっかり解さなければ、と気持ちを固めセシリアの中を2本の指がバラバラと動く。


「お兄様、…ぁんっ… やっ、変になっちゃう…」

「セシー、変になっていいんだよ。それが『気持ちいい』ってことだ」

「気持ちいい…?」

「そうだよ。怖がらずに、受け入れてごらん?」


 セシリアの膣はだいぶ解れて、しっかりと濡れていた。クリスは指で掻き回すたび、ここに自身の陰茎を突き入れることを想像して、ますます自身のソコを硬くさせた。


「あっ、お兄様、何かきちゃうっ」

「ん、いいよ。達して」

「あぁ、んっ、やぁぁ」


 セシリアの体がビクッビクッと動き、膣がぎゅーっと締まった。クリスの指も締め付けられ、陰茎を突き入れていたら確実に搾り取られていたと思った。

 セシリアの呼吸は乱れ、目は虚ろで潤んでいる。何とも艶めかしく、結婚式では妖精のように愛らしかった少女のような女性が、今では妖艶なニンフのように見える。


 セシリアが潤んだ眼差しをクリスへ向けた。誘われるようにセシリアの唇にキスを落とす。


「セシー、最高にきれいだ」

「ん…」


 啄むようなキスを繰り返し、クリスはセシリアの膣に再び指を挿入する。もう1、2回達したら挿入するつもりだ。


「もう少し頑張ってくれる?」

「あっ、あん、は…ぃ、…んっ」


 クリスは再び舌と指でセシリアを高め、絶頂させた。セシリアの秘部は収縮を繰り返し、しとどに濡れていた。呼吸もだいぶ乱れていた。


「セシー、そろそろ挿れるね」

「はい…」

「しっかり解したつもりだけど、最初は痛いかもしれない」

「…」

「でも、本当の夫婦になるために必要なことだから、頑張ってほしい」

「はい」

「セシー、愛してるよ」


 そう言って、クリスはゆっくりと、少しずつ腰を進めながらセシリアの中に自身を埋めていった。少し挿れては抜いて、また少し深く進めてまた戻る。セシリアの様子を観察しながら何度も繰り返し、陰茎を根元まで埋めていった。


「これで、全部だ。セシー、痛くない?」

「…大丈夫です」

「もう少し、馴染むまでじっとしているね」

「はい」


 クリスは、セシリアに痛みがないよう細心の注意を払いながら挿入を完了させた。セシリアの中は狭く、中はうごめくから挿れているだけで少しずつ搾り取られているような感覚があり、うっかり気を抜いたら射精してしまいそうだった。


「うっ…、セシーの中、すごく気持ちいい」


 クリスは腰を振ってしまいたいのを必死で耐えていた。額にじわりと汗がにじむ。


「クリス…お兄様?」

「セシー、もう『お兄様』はいらないんじゃないかな?」

「では、クリス様?」

「クリス、でいいよ」

「クリス…」


 セシリアがふわっと笑った。その妖精のような可愛さにクリスの中の何かがブチっと切れた。


「セシー、ごめん。我慢できない」

「え?」

「文句は後でいくらでも聞くから」


 そう言うなり、クリスはついに腰を振り始めた。セシリアの中のひだが絡みついて、陰茎をこの上なく気持ちよく扱いてくる。締め付けも、中の具合も最高だった。

 クリスは最初はゆっくり抽送していたが、気がついたら快楽に溺れ、我を忘れて無我夢中で腰を振りたくりセシリアの中を何度も激しく突いていた。


 陰茎を子宮口にグッと押し込み奥を刺激しながら、臍の下を撫で軽く圧をかける。セシリアの奥に埋まるクリスを意識させ、少しずつ奥も開発する。

 
 セシリアの甘い声が聞こえ、感じているのを実感すると再び抜き差しを繰り返した。

  
 セシリアをずっと大切で大好きだと思っていたが、抱いてみると体まで最高で、セシリアの全てが愛おしく思える。この素晴らしい女性が妻だと思うと、自分はこの上なく幸福な男なのだと実感する。


「セシー、出すよ。全部飲んで?」

「んっ、クリス… 全部、下さい…」

「ああ、セシー、愛してる。セシー、セシー!」


 再びぐっと奥まで陰茎を差し込み、最奥でびゅるるる…と勢いよく射精した。中に全て出したから、量はわからない。ただ、今までで1番たくさん出たと思った。


「セシー、最高だったよ」

「クリス…」

「愛してる。これからも、セシーだけを愛すると誓うよ」

「…はい」


 セシリアは、激しい情交で疲れてしまったのか、今にも目を閉じそうな様子だった。ただ、汗をかいたしシーツはドロドロだ。簡単にでも清めてあげたい。


「セシー、浴室に行こう。その間にシーツを変えてもらうから…」

「はい…。あの、マリーに手伝ってもらってもいいですか?」

「僕が洗ってあげるよ?」

「あの、恥ずかしいので、もう少し、慣れてから…お願いします」

「分かった」


 陰茎を抜くと、ドロッとした大量の白濁にほんの少しピンク色のものが混ざっていた。

 破瓜の証…と思うと、クリスはセシーの全てを手に入れたのだと幸福を感じた。


 セシリアはその後、10歳からの付き合いであり、婚姻後もセシリアに付いてきてくれた姉のような存在であるマリーを呼び、彼女の介助で入浴を済ませた。


 寝室に戻ったセシリアは、今度はボタンのきっちりとまった寝間着を着ていた。今夜はこれ以上無体を働くなというマリーからの無言の圧を感じた。セシリアの体には大量の赤い印があり、それを見たマリーの判断であろうことは容易に想像することが出来た。


「マリー、有難う」

「セシリア様、しっかりお休み下さいませ」


 夫婦の寝室では、すでに支度を終えたクリスが待ち切れない様子で待っていた。

 セシリアを抱きしめ「おかえり」と言うなり横抱きにしてベッドへ連れて行く。

 そっと寝かせると、クリスも隣に入りセシリアを抱きしめた。


「あぁ、今日からは毎日セシーと眠れるんだね」

「夫婦、ですから…」

「やっと、だよ。待ち遠しかった。セシー、愛してるよ」


 クリスはセシリアの額にキスをして抱きしめ、大満足のうちに眠りについた。


 クリスに抱きしめられたままのセシリアは、クリスが眠ったのを確認した後、そっとクリスの手を解く。


 クリスは『愛してる』なんて、誰にでも言う男だ。クリスの愛ほど薄っぺらで陳腐なものはないとセシリアは思っている。

 クリスの隣で横になるセシリアの目はどこまでも冷めていた。その瞳の中に、クリスへの愛なんてものは一欠片も無かった。

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