17 / 105
異世界の残酷な洗礼編
016:わん太郎の冒険🐾~旅立ちの章
しおりを挟む
◇◇◇
一方そのころ――。
戦極が馬小屋へと運ばれている頃、美琴とわん太郎は草原を歩いていた。
どこまでも続くかのような新緑の絨毯は、月明かりを受けて幻想的に輝きを増す。
そんな気持ちの良い場所をわん太郎は、可愛らしい小さな頭にコブを三つ盛りに作り、ちょっぴり涙目であるく。
少し宙に浮いている悲恋美琴は、わん太郎の背中に乗っていた。
「うぅぅ……痛いんだワン。いきなり殴らなくてもいいと思うんだワンよ!」
『どの口が言うのかな? かな? そんなにご希望なら、サーテ〇ーワンアイスの盛りを超えて、重ねてあげてもいいんだよ?』
「ええ~!? それはカンベンしてほしいんだワンょぅ」
まあるい青いおめめから、ぽろぽろと涙を落とすわん太郎。
落ちたそばから凍ってしまうのが不思議な光景だったが、今はそれどころじゃない。
妖刀の中の人、美琴さんが激怒の最中なのだから。
『それで、わん太郎……どうしてこうなったのかな?』
「だからね、ワレにも分からないワンよ~。異怪骨董やさんに帰って来たらね、いきなり吸い込まれちゃったワン」
歩くたびに〝ぽむぽむ〟とあざとい足音が聞こえるのにイラっとしつつも、美琴はわん太郎の話を聞く。
どうやらここからが本題のようだ。
『……それは聞いたけど、私がいいたいのは〝何であの形で突っ込んで来たのか〟って事なんだよ』
「えー? それはワレに言われても知らないワンよ。吸い込まれて『誰かタスケテー』って叫んだら、目の前に女幽霊とあるじが居たんだワン」
『うん、そこまでは理解出来るんだよ。でも……どうして氷の塊になってぶち当たって来たのかな? かなぁ?』
その問に、わん太郎は可愛らしい小さな体を震わせ、顔を青く染める。もともと青白いけど。
「人は……誰でもまちがいをするんだワン」
『人でもないし、異世界送りの途中で、私と戦極様を弾く子狐もいないと思うんだよ?』
「そそそそ、それはアレだワン! 女幽霊の怒りが恐ろしかったから、思わずガードをしただけだワンよ! 俗に言う正当防衛だワン!」
『そう……私と戦極様の、俗に言う正当な怒りを思い知るんだワン』
そう言うが早いか悲恋美琴は浮き上がり、わん太郎の頭にコブを量産する。
見事、わん太郎の頭には六つのコブが可愛く鎮座したのを見て、美琴はため息を漏らす。
『ハァ~。あんな氷の塊で突っ込んで来なければ、今頃は戦極様と一緒にいられたものを』
「ぅぁぁぁぁん。痛いワンよ~。ぅぁぁぁぁん」
『その程度ですむだけ、ありがたく思うんだよ! もぅ……戦極様どこに行ってしまったんだよ……』
「ぐすッ……酷い女幽霊だワンよ。でもワレは負けないのです、だってエライんだワンから!!」
なぜか二本立ちになると、悲恋美琴を頭上に掲げ抜刀する。
どうやって子狐が抜刀したのか分からないが、そこが不思議な存在だからなのだろう。
『もぅ、私で遊ばないでほしんだよぅ……それで戦極様の気配はする?』
「ふふふ……ワレを誰だと思っているワン? とってもエライんだわん! あるじぃの香りは……」
わん太郎は無駄に両目を、LED仕様のぬいぐるみのように光らせると、抜刀した美琴を道の向こうへと指す。
その顔は自信に満ちており、美琴も思わず「おおおお!!」と見入る。
「フフン、さぁ行くワン! ワレに着いてくるワンよ~!!」
『わん太郎、期待しているんだよ!! 待っていてね戦極様、今すぐ会いに行くね』
美琴を背中から出した氷でホールドする。
だがこれが今の限界であり、大規模な氷の術は今のわん太郎には不可能。
それでも背中になんとか固定できたのは、二人とも嬉しい誤算だ。
動きやすくなったわん太郎と美琴は、頷くと驚く速さで走り出す。
二つの月光を浴び二人は草原をゆく。次こそは戦極に会えると、期待に胸を膨らませて疾走するのだった。
◇◇◇
――戦極は兵士により馬小屋へと放り込まれる。
そこは糞尿があちらこちらへと落ちている場所であり、悪臭というレベルを超えていた。
あまりの臭さに顔を歪めながら現実を見る。
「ここは……あぁそうか。俺はあの女の魔法にやられて……」
「お、気が付いたかい坊や」
「あんたは誰だい? すまないが、まだ体がまったく動かせなくてね」
俺の気配察知でも分からないほどのヤツか……敵だったら死んでいるな。
だが一体どこから声がするんだ? あちこち反響して何十にも聞こえる感じだ。
「ハハハ、聞いた通り図太い性格のようだ。自分はフェリスと言うここの番人さ」
番人? それにしてはなんというか、例えるなら野獣のような……。
「獣臭いって顔だね?」
フェリスはそう言うと、戦極が寝かされている藁山の向こうからのぞきこむ。
その圧倒的な姿を見て、戦極は言葉をうしなった。
「ッ――――」
「ハァ~やっぱりキミもかい? この姿を見てみんな怖が――」
フェリスが残念そうに嘆くのを、戦極は言葉をかぶせて止める。
「――なんて美しい毛並みと体躯だ……そしてその立髪が実に魅力的だ。月明かりが差し込むそこで見ると、黄金に輝いてみえる」
「え? な、ちょ、ちょっと待っ」
「しかもこの圧倒的な存在感は一体なんだ!! そして何と言ってもベルベッドのような羽が最高だ!」
「お、落ち着いてよ! ねぇ!」
戦極は動かない体はそのままに、瞳でだけフェリスを見つめる。
その様子に顔を赤く染め、戦極の言葉に動揺を隠しきれない。
「それにだッ!! その美しい顔はまさに異世界の至宝と言うべきものだろう。ライオンのしなやかで、黄金色の体。黒紫のベルベッドのような羽。そしてそんな体に妙にマッチしている宝顔! たまらない……あぁなんて美しい組み合わせだろうか。なぁ、そうは思わないか? 美しいマンティコアのお嬢さん」
「も、もう知らないだから!! 貴方あれでしょ! へ、変態さんだああああ! 馬鹿あああああああ」
フェリスはマンティコアだった。体長五メートルはある大きさだが、戦極に叫びながら逃げていってしまう。
それもただのマンティコアじゃなく、言葉を自在に操れるほどの知力を持つレア種。
そんな事を知らない戦極は〝いつもの悪い癖〟で、見たものが美しければ惚れ込むと言う、どうしようもない美術愛の持ち主でもあったのだった。
フェリスが言うように十人が戦極を見たら、なぜか二十人が口を揃えていうだろう、骨董狂いの変態だと。
一方そのころ――。
戦極が馬小屋へと運ばれている頃、美琴とわん太郎は草原を歩いていた。
どこまでも続くかのような新緑の絨毯は、月明かりを受けて幻想的に輝きを増す。
そんな気持ちの良い場所をわん太郎は、可愛らしい小さな頭にコブを三つ盛りに作り、ちょっぴり涙目であるく。
少し宙に浮いている悲恋美琴は、わん太郎の背中に乗っていた。
「うぅぅ……痛いんだワン。いきなり殴らなくてもいいと思うんだワンよ!」
『どの口が言うのかな? かな? そんなにご希望なら、サーテ〇ーワンアイスの盛りを超えて、重ねてあげてもいいんだよ?』
「ええ~!? それはカンベンしてほしいんだワンょぅ」
まあるい青いおめめから、ぽろぽろと涙を落とすわん太郎。
落ちたそばから凍ってしまうのが不思議な光景だったが、今はそれどころじゃない。
妖刀の中の人、美琴さんが激怒の最中なのだから。
『それで、わん太郎……どうしてこうなったのかな?』
「だからね、ワレにも分からないワンよ~。異怪骨董やさんに帰って来たらね、いきなり吸い込まれちゃったワン」
歩くたびに〝ぽむぽむ〟とあざとい足音が聞こえるのにイラっとしつつも、美琴はわん太郎の話を聞く。
どうやらここからが本題のようだ。
『……それは聞いたけど、私がいいたいのは〝何であの形で突っ込んで来たのか〟って事なんだよ』
「えー? それはワレに言われても知らないワンよ。吸い込まれて『誰かタスケテー』って叫んだら、目の前に女幽霊とあるじが居たんだワン」
『うん、そこまでは理解出来るんだよ。でも……どうして氷の塊になってぶち当たって来たのかな? かなぁ?』
その問に、わん太郎は可愛らしい小さな体を震わせ、顔を青く染める。もともと青白いけど。
「人は……誰でもまちがいをするんだワン」
『人でもないし、異世界送りの途中で、私と戦極様を弾く子狐もいないと思うんだよ?』
「そそそそ、それはアレだワン! 女幽霊の怒りが恐ろしかったから、思わずガードをしただけだワンよ! 俗に言う正当防衛だワン!」
『そう……私と戦極様の、俗に言う正当な怒りを思い知るんだワン』
そう言うが早いか悲恋美琴は浮き上がり、わん太郎の頭にコブを量産する。
見事、わん太郎の頭には六つのコブが可愛く鎮座したのを見て、美琴はため息を漏らす。
『ハァ~。あんな氷の塊で突っ込んで来なければ、今頃は戦極様と一緒にいられたものを』
「ぅぁぁぁぁん。痛いワンよ~。ぅぁぁぁぁん」
『その程度ですむだけ、ありがたく思うんだよ! もぅ……戦極様どこに行ってしまったんだよ……』
「ぐすッ……酷い女幽霊だワンよ。でもワレは負けないのです、だってエライんだワンから!!」
なぜか二本立ちになると、悲恋美琴を頭上に掲げ抜刀する。
どうやって子狐が抜刀したのか分からないが、そこが不思議な存在だからなのだろう。
『もぅ、私で遊ばないでほしんだよぅ……それで戦極様の気配はする?』
「ふふふ……ワレを誰だと思っているワン? とってもエライんだわん! あるじぃの香りは……」
わん太郎は無駄に両目を、LED仕様のぬいぐるみのように光らせると、抜刀した美琴を道の向こうへと指す。
その顔は自信に満ちており、美琴も思わず「おおおお!!」と見入る。
「フフン、さぁ行くワン! ワレに着いてくるワンよ~!!」
『わん太郎、期待しているんだよ!! 待っていてね戦極様、今すぐ会いに行くね』
美琴を背中から出した氷でホールドする。
だがこれが今の限界であり、大規模な氷の術は今のわん太郎には不可能。
それでも背中になんとか固定できたのは、二人とも嬉しい誤算だ。
動きやすくなったわん太郎と美琴は、頷くと驚く速さで走り出す。
二つの月光を浴び二人は草原をゆく。次こそは戦極に会えると、期待に胸を膨らませて疾走するのだった。
◇◇◇
――戦極は兵士により馬小屋へと放り込まれる。
そこは糞尿があちらこちらへと落ちている場所であり、悪臭というレベルを超えていた。
あまりの臭さに顔を歪めながら現実を見る。
「ここは……あぁそうか。俺はあの女の魔法にやられて……」
「お、気が付いたかい坊や」
「あんたは誰だい? すまないが、まだ体がまったく動かせなくてね」
俺の気配察知でも分からないほどのヤツか……敵だったら死んでいるな。
だが一体どこから声がするんだ? あちこち反響して何十にも聞こえる感じだ。
「ハハハ、聞いた通り図太い性格のようだ。自分はフェリスと言うここの番人さ」
番人? それにしてはなんというか、例えるなら野獣のような……。
「獣臭いって顔だね?」
フェリスはそう言うと、戦極が寝かされている藁山の向こうからのぞきこむ。
その圧倒的な姿を見て、戦極は言葉をうしなった。
「ッ――――」
「ハァ~やっぱりキミもかい? この姿を見てみんな怖が――」
フェリスが残念そうに嘆くのを、戦極は言葉をかぶせて止める。
「――なんて美しい毛並みと体躯だ……そしてその立髪が実に魅力的だ。月明かりが差し込むそこで見ると、黄金に輝いてみえる」
「え? な、ちょ、ちょっと待っ」
「しかもこの圧倒的な存在感は一体なんだ!! そして何と言ってもベルベッドのような羽が最高だ!」
「お、落ち着いてよ! ねぇ!」
戦極は動かない体はそのままに、瞳でだけフェリスを見つめる。
その様子に顔を赤く染め、戦極の言葉に動揺を隠しきれない。
「それにだッ!! その美しい顔はまさに異世界の至宝と言うべきものだろう。ライオンのしなやかで、黄金色の体。黒紫のベルベッドのような羽。そしてそんな体に妙にマッチしている宝顔! たまらない……あぁなんて美しい組み合わせだろうか。なぁ、そうは思わないか? 美しいマンティコアのお嬢さん」
「も、もう知らないだから!! 貴方あれでしょ! へ、変態さんだああああ! 馬鹿あああああああ」
フェリスはマンティコアだった。体長五メートルはある大きさだが、戦極に叫びながら逃げていってしまう。
それもただのマンティコアじゃなく、言葉を自在に操れるほどの知力を持つレア種。
そんな事を知らない戦極は〝いつもの悪い癖〟で、見たものが美しければ惚れ込むと言う、どうしようもない美術愛の持ち主でもあったのだった。
フェリスが言うように十人が戦極を見たら、なぜか二十人が口を揃えていうだろう、骨董狂いの変態だと。
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
【状態異常無効】の俺、呪われた秘境に捨てられたけど、毒沼はただの温泉だし、呪いの果実は極上の美味でした
夏見ナイ
ファンタジー
支援術師ルインは【状態異常無効】という地味なスキルしか持たないことから、パーティを追放され、生きては帰れない『魔瘴の森』に捨てられてしまう。
しかし、彼にとってそこは楽園だった!致死性の毒沼は極上の温泉に、呪いの果実は栄養満点の美味に。唯一無二のスキルで死の土地を快適な拠点に変え、自由気ままなスローライフを満喫する。
やがて呪いで石化したエルフの少女を救い、もふもふの神獣を仲間に加え、彼の楽園はさらに賑やかになっていく。
一方、ルインを捨てた元パーティは崩壊寸前で……。
これは、追放された青年が、意図せず世界を救う拠点を作り上げてしまう、勘違い無自覚スローライフ・ファンタジー!
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる