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ダンジョン~〝戦極〟覚醒編
076:不死の王
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「渾身だぁ? ならば痛恨をくれてやるわ!!」
アシッドランスが迫ること、残り一秒。
刀身に目一杯の気を注ぎ込み、右足を前に出して下から斜め上に斬り上げて、アシッドランスの中心を狙う。
その精度、まさに機械並。
いや、ソレ以上の力加減で確実に中心へと斬り込む事で、細身の剣だが強酸のヤリを見事に斬り割く!
さらにそれだけでは止まらず、裂けたアシッドランスの中央を爆走する戦極。
チリリと強酸が髪を溶かし、左頬を焼く。
それでも一切止まることはせず、迷いなく目指すは王の口内。
それに気がついた王は、内心「しまっ!?」と言葉にならず焦るが、アシッドブレスを放った魔法陣が消えるまで口は閉じることは不可能。
なぜなら、この状態で噛みしめれば、魔力の暴走により爆発する可能性が高く、コアが砕けるかもしれない。
故に戦極が突入するのを、馬鹿口を開いたまま焦りをつのらせる。
だが次の行動に出る前に戦極が口内に侵入したのを、腐り感覚が鈍い舌で感じた事で認識。
(グヌウウウウッ! 先程の攻撃で、コア付近まで傷を付けられた。次の攻撃で破壊される確率が高い。どうせ破壊されるならッ!!)
王は自爆か、破壊されるかという二者択一に迫られる。
どうせ破壊され、不死の根源たるコアが停止するならばと、一つの道を選択。
(死ねええ古廻りいいいいいいい!!)
思い切り口を閉じ、魔法陣を粉砕させる事で魔力の暴走を引き起こす。
魔法陣が歪に変形し、文字列にヒビが入るのを戦極は見てゾっとする。
「なッ! コイツ口を!? ヤバイ、魔法陣から異常な力が!」
背後は閉じて脱出は不可能。
一か八かでコアを穿つか? いやだめだ。不安定な足元、しかも口を閉じて空間もせまい。
これじゃ狙う前に魔法陣が暴発する気配を感じる。
どうする……時間がねぇ。何かないか、ここから脱出する方法……ッ!?
「あるじゃねえか、キタネェ盾がここになあああ!!」
戦極は足元を見ながら叫びつつ、横一文字に細身の剣を振るう。
さらに三角形になるように剣を振るい、最後に斜めしたへと切れ込みを入れた瞬間、魔法陣が暴発!
それと同時に戦極は切り抜いた舌を上にあげると、自分も足に気力を込めて飛び上がる。
魔力の暴走による衝撃波が、運良く切り抜いた舌へとぶちあたり、それを上方へと押し上げた。
「グウウウウッ、なん、て力、だッ」
足元から迫る王の舌へと飛び乗った戦極は、先程王が自分で開けた上アゴの穴よりの脱出。
魔力波により押し上げられ、二十メートルほど打ち上がったところで、今度は落下を始める。
腐った舌に細身の剣を打ち付け、戦極は必死にしがみ付く。
ほどなくして戦極を乗せた舌が床に叩きつけられた事で、戦極も放り出され、近くの柱へと背中からぶつかる事で一瞬気絶。
その間は八秒ほど。
つぎに気がついたのは強烈な背中の痛みと、呼吸困難による苦しさからであった。
「ブッハアアア! クァァァァッ……痛てええええ」
クソっ、脱出に成功はしたが……まずいな。すぐには動けそうもない。
落ち着け、考えろ。回復までにあと何分が必要だ?
まずは腕……は動く。指も問題ない。背中は……ダメだ。ついでに足も痺れている。
早くて五分。欲を言えば三十分は欲しいところだ、が。
「待ってはくれねぇよな……やっぱり」
魔力の暴走による爆発で、部屋のホコリ舞い散る中を黒い影が蠢く。
不愉快な腐肉を引きずるその音は、なんとも耳に心地悪い。
そんな腐肉の主である、不死者の王と名乗るドラゴンがゆっくりと戦極へと迫るのであった。
アシッドランスが迫ること、残り一秒。
刀身に目一杯の気を注ぎ込み、右足を前に出して下から斜め上に斬り上げて、アシッドランスの中心を狙う。
その精度、まさに機械並。
いや、ソレ以上の力加減で確実に中心へと斬り込む事で、細身の剣だが強酸のヤリを見事に斬り割く!
さらにそれだけでは止まらず、裂けたアシッドランスの中央を爆走する戦極。
チリリと強酸が髪を溶かし、左頬を焼く。
それでも一切止まることはせず、迷いなく目指すは王の口内。
それに気がついた王は、内心「しまっ!?」と言葉にならず焦るが、アシッドブレスを放った魔法陣が消えるまで口は閉じることは不可能。
なぜなら、この状態で噛みしめれば、魔力の暴走により爆発する可能性が高く、コアが砕けるかもしれない。
故に戦極が突入するのを、馬鹿口を開いたまま焦りをつのらせる。
だが次の行動に出る前に戦極が口内に侵入したのを、腐り感覚が鈍い舌で感じた事で認識。
(グヌウウウウッ! 先程の攻撃で、コア付近まで傷を付けられた。次の攻撃で破壊される確率が高い。どうせ破壊されるならッ!!)
王は自爆か、破壊されるかという二者択一に迫られる。
どうせ破壊され、不死の根源たるコアが停止するならばと、一つの道を選択。
(死ねええ古廻りいいいいいいい!!)
思い切り口を閉じ、魔法陣を粉砕させる事で魔力の暴走を引き起こす。
魔法陣が歪に変形し、文字列にヒビが入るのを戦極は見てゾっとする。
「なッ! コイツ口を!? ヤバイ、魔法陣から異常な力が!」
背後は閉じて脱出は不可能。
一か八かでコアを穿つか? いやだめだ。不安定な足元、しかも口を閉じて空間もせまい。
これじゃ狙う前に魔法陣が暴発する気配を感じる。
どうする……時間がねぇ。何かないか、ここから脱出する方法……ッ!?
「あるじゃねえか、キタネェ盾がここになあああ!!」
戦極は足元を見ながら叫びつつ、横一文字に細身の剣を振るう。
さらに三角形になるように剣を振るい、最後に斜めしたへと切れ込みを入れた瞬間、魔法陣が暴発!
それと同時に戦極は切り抜いた舌を上にあげると、自分も足に気力を込めて飛び上がる。
魔力の暴走による衝撃波が、運良く切り抜いた舌へとぶちあたり、それを上方へと押し上げた。
「グウウウウッ、なん、て力、だッ」
足元から迫る王の舌へと飛び乗った戦極は、先程王が自分で開けた上アゴの穴よりの脱出。
魔力波により押し上げられ、二十メートルほど打ち上がったところで、今度は落下を始める。
腐った舌に細身の剣を打ち付け、戦極は必死にしがみ付く。
ほどなくして戦極を乗せた舌が床に叩きつけられた事で、戦極も放り出され、近くの柱へと背中からぶつかる事で一瞬気絶。
その間は八秒ほど。
つぎに気がついたのは強烈な背中の痛みと、呼吸困難による苦しさからであった。
「ブッハアアア! クァァァァッ……痛てええええ」
クソっ、脱出に成功はしたが……まずいな。すぐには動けそうもない。
落ち着け、考えろ。回復までにあと何分が必要だ?
まずは腕……は動く。指も問題ない。背中は……ダメだ。ついでに足も痺れている。
早くて五分。欲を言えば三十分は欲しいところだ、が。
「待ってはくれねぇよな……やっぱり」
魔力の暴走による爆発で、部屋のホコリ舞い散る中を黒い影が蠢く。
不愉快な腐肉を引きずるその音は、なんとも耳に心地悪い。
そんな腐肉の主である、不死者の王と名乗るドラゴンがゆっくりと戦極へと迫るのであった。
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