勇者パーティーをパワハラ追放された【自己評価の低い】支援魔術師、実は魔神に育てられた最強の男でした

ハーーナ殿下

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第14話:歓迎会

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勇者パーティーを解雇されたオレは、新しい街で謙虚に生きていくことを決意。
兄妹パーティー《東方の黄昏たそがれ団》に加入して、冒険者として活動開始。

幼馴染マリナが加入してから、初の大物“多首竜ヒュドラ”狩りを完了。



村に戻ってからは、いつもと同じ流れ。

まず冒険者ギルドに戻って、リーダのザムスさんが依頼の報告。

買い取り台の上に、オレが多首竜ヒュドラの素材を【収納】で出す。
それに対して、ギルド内が大騒ぎになる。

今回は幼馴染も近くにいたので、オレはかなり恥ずかしい。

その後は常宿に戻って、装備や荷物の整理。
近くの酒場に、夕食を食べに向かう。



今宵はマリナの歓迎会も兼ねた、夕食会だ。
パーティーリーダーのザムスさんの合図で開幕。

「それでは弓士マリナの《東方の黄昏たそがれ団》加入を祝って……乾杯だ」

「「「カンパーイ!」」」

酒場の中に、明るい声が響き渡る。
次々と運ばれてくる料理を、オレたちは食べていく。

「うん、やっぱり、この店の料理、美味しいわね、ハリト!」

「そうでしょ、マリナ。王都料理よりも、オレたちの舌に合っている気がしない?」

「そうね。たしかに王都料理は、ちょっと気取り過ぎだったかも。それに比べて、ムサス料理は温かい感じかな? あと街の雰囲気も好きかも」

ありがたりことにマリナも、ムサスの街のことを気に入っていた。
辺境出身のオレたちは、王都の雰囲気は合わないのかもしれない。

「そういえばサラ。ハリト君とどういう関係だったですか? 幼馴染と聞きましたが、でもハリト君は山奥に住んでいたのですよね?」

「そうね、サラ。ハリトは私の故郷の村から、ずっーと離れた山奥に、お師匠さんと住んでいたの。師匠さんは恥ずかしがり屋みたいで、村への買い出し係りはハリトが幼い頃から担当。狩人の娘だった私と、その時に仲良くなった感じかな?」

「なるほど、そういう関係だったのですね。ん? 『ハリト君が幼い時から買い出し』にですか? ち、ちなみに何歳くらいから……」

「たしか最初ハリトが三歳くらいからじゃない? 一ヶ月分の穀物とか調味料を、大量に買いに来たはず」

「えっ……若干三歳で買い出しに? ずっと離れた山奥から? だ、大丈夫だったんですか、ハリト君は?」

「えっ、オレ? うん、道中は魔獣とかいたけど、何とかなったかな、たしか? 支援魔法は使い方しだいで、魔物も落とし穴に落とせたし」

「うっ……やはり。しかも三歳で既に支援魔法を会得して、魔獣の討伐を……兄さん……」

「気にするな、サラ。ハリトのことは諦めろ。あと何があっても、その“師匠”のことは聞くな。オレたちの精神が崩壊するかもしれん」

「そ、そうですね……私も修行が足りませんでした、ふう……」

何やらサラはまた、ため息をついている。
でも元気そうでよかった。

「そういえばマリナ。ムサスの街で、何か足りない物とかない?」

マリナは奴隷狩りに捕まり、荷物のほとんど失っていた。
一応はムサスの街で買い揃えたけど、生活してうちに不足も出てくるだろう。

「そうね……欲を言えば、もう少し高品質な弓矢が欲しいかな?」

「弓矢か……そうかもだね」

彼女が前に使っていた、名弓は手元にない。
王都を出る時に、勇者アレックスに没収されていた。

今彼女が使っているのは、ムサスの商店で買った格安品。
天賦てんぶを持つマリナには、そぐわない品だ。

そんな時、ザムスさんが提案してくれる。

「ふむ。それなら明日は武具屋に行くか? オレも新しい剣が欲しかったところだ」

「それなら兄さん、明日は皆で行きますか? 私も欲しい物があるので」

「そうだな。そうしよう。ハリト、お前も、いいか?」

武具屋か。
そういえば最近は行ってないな。
何しろ支援魔術師には、特に装備は不要。

でもオレは個人的には買い物は好き。
宝探しみたいに、掘り出し物を買うのが好きなのだ。

「ハリトと買い物かー、楽しみね。そういえばハリトと買い物に行くと、必ず掘り出し物が見つかるのよね。王都の店でも英雄級の品を、ハリトは一発で見つけていたよね?」

「あっ、そうだったかな? 偶然だと思うよ、マリナ」

「うっ⁉ 兄さん、何や嫌な予感がします。ハリト君と武具屋に行くこと、何か事件が起きそうな気がします」

「諦めろ、サラ。明日は何かが起こる。それを前提に動け」

「う……私は普通に買い物をしたのですが……」

そんな話をしながら歓迎会が盛り上がっていく。



翌日になる。

「よし、今日は頑張って、掘り出し物を探すぞ!」

こうして町で一番大きな武具屋に、《東方の黄昏たそがれ団》は行くのであった。
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