勇者パーティーをパワハラ追放された【自己評価の低い】支援魔術師、実は魔神に育てられた最強の男でした

ハーーナ殿下

文字の大きさ
16 / 31

第16話:【閑話】勇者アレックス視点

しおりを挟む
《パワハラ勇者アレックスが落ちぶれていく視点》

アレックスは大陸に五人いる勇者の一人。
女神から勇者の才能を与えられていた。

近いうちに復活するとされていた魔王を、倒すべく“真の勇者”。
その最有力候補……とアレックス自信は自負していた。

だが、そんなアレックス勇者パーティーは今、苦境に陥っていた。
理由はアレックス本人にも分からない。

とにかく何やっても、失敗してしまうのだ。
特に支援魔術師ハリト解雇した以降は、何故か運が下降気味。

女弓士のマリナを解雇した後も、数々のミッションを失敗していた。



そんな勇者アレックスに転機が訪れる。

今いる場所は王都の城。
アレックス一行は、急に国王から呼び出しされたのだ。

やって来たのは勇者アレックスと女魔術師エルザ、加護持ち女神官ウルルの三人だ。
控えの間で、三人は興奮していた。

「って、いうか、今回の呼び出しは、いったい何だろうな? もしかしたらオレたち褒美を貰えるのか?」

「きっと、そうですわ、アレックス様! 何しろ私たちは栄光の勇者パーティーですから!」

「私は新しい魔法の杖がいいかな? 大きな宝石がついたのとか!」

今まで王様に呼ばれる時は、必ず褒美があった。
だから三人とも興奮している。

最近は良いことが、一つもなかった。
久しぶりに訪れた褒美に時間に、三人は胸を弾ませていた。



 だが謁見の間に進んで、彼を待っていたのは、予想外のこと。

「勇者アレックス! お前は、なぜ、ここ最近の任務を、ことごとく失敗しているのだ⁉」

 国王の怒声が、謁見の前に響き渡る
 アレックスたちを待っていたのは、国王からの糾弾きゅうだんだったのだ。

勇者としての公務、魔物討伐の大失敗の数々。
大きな依頼での大失態。

勇者のとしての職務を、全うできないアレックスに、国王は激怒していたのだ。

「えー……それは……」

 まさかの激怒に、アレックスは弁明できない。
得意の言い訳が、出す訳にいかない。

 勇者は王国の庇護を受けて、活動している。
 国王には言い訳を出来ないのだ。

「どうした⁉ どうして答えないのだ⁉ キサマは⁉」

「そ、それは……その調子が悪かったんです。最近のオレたちの……」

 アレックスは上手く答えることが出来なかった。
 何故なら失敗の理由が、自分でも分からないのだ。

とにかく支援魔術師のハリトを解雇してから、運も調子も悪かった。
タイミング的にはそうだが、ハリトが理由だとはアレックスは夢にも思っていない。

「なんだ、その返答は⁉ もしかして、ワシに対して反逆するつもりか、キサマ⁉」

 国王は初老だが、凄まじい覇気の持ち主。
 若かりし時は【勇者】の一人でもあり、屈強な武人なのだ。

「い、いえ、滅相もございません」

 そんな覇王に睨まれて、アレックスは声が小さくなる。
 圧倒的な圧力によって、足を震わせていた。

「ふん。キサマのことを買いかぶり過ぎていたようだな。では判決を言い渡す。キサマの【勇者】の称号は、一時的に没収する! 次の任務を出してやるから、そこで結果を出してこい! 次も失敗したなら、本当にはく奪してやる!」

「えっ……そ、そんな……」

 まさかの判決だった。

 アレックスが有していた【勇者】の称号の一時没収。
 
更に王都から追放。

新たな任務で成果を出せないと、本当にはく奪。

 それが国王から課せられた、非情な言葉だったのだ。



大勢の監視の兵に見張られて、アレックス一行は王都の城門から出されてしまう。

騎士団長から、次の命令書が渡される。

「王からの任務を、アレックスに言いつける。『王宮占い師によると東の街ムサス近郊の“聖山”に、怪しい魔の影あり。至急、調査して解決してこい』とのことだ! さぁ、さっさと行け!」

「うっ……」

騎士団長から命令書を渡されて、アレックスたち三人は王都を後にする。
まるで追放者のように惨めな姿だ。

「くそっ……こうなったら、どんな手段を使ってでも、この任務を大成功させて、必ず勇者とて凱旋してやるからな!」

こうして勇者アレックス一行は東へ。

ハリトたちが拠点にしているムサスの街へ、危険な勇者は向かうのであった。



















 ◇



 ――――あとがき――――


 ◇




読んで頂きありがとうございます!

 同じような痛快ファンタジーもスタートしました。

こちらも是非よろしくお願いします!



 《タイトル》

『パワハラ幼馴染の聖女を絶縁、【一万倍の次元】も突破、最強剣士は学園生活を満喫する』

https://www.alphapolis.co.jp/novel/832153235/115369945

《あらすじ》

 昔は素直だった幼馴染エルザが、聖女として覚醒してから態度が激変。聖女のストレスを解消するために、同居人のオレに罵詈雑言な日々を。このまま人生が終了する前に彼女を絶縁、憧れの剣士学園を目指す。
  
 だが道中、漆黒の穴に落下。そこは【時間が一万倍で進む】“次元の狭間”。偶然、落ちていた剣を振り続け、何万回も窮地を回避、なんとか元の世界に帰還。

  無事に剣士学園に入学できたが、オレは何か変になっていた。ぽっちゃり系だったのに、一万倍の修行で凄腕イケメン剣士に激変を? お蔭で女の子が多い学園生活で、活躍しそうな予感だ。

  一方、絶縁の後遺症で幼馴染の様子が変だけど、彼女自身のために無視することに。
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます

里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。 だが実は、誰にも言えない理由があり…。 ※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。 全28話で完結。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

処理中です...