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第7話:狩りの実践
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皆を落ち着かせながら、新しい魔道具の説明をすることにした。
「先ほどの現象は、この《幻影帽子》の効果なんです!」
《幻影帽子》の機能は『被ると周りから認識がされにくくなり、存在感と気配が薄くなる』だ。
実際には透明になる訳ではなく、あくまでも認識がされにくくなるだけ。
先ほどのように目の前で被ると、相手は見えているような、見えていないような不思議な感覚に陥る。
だから普通は、見つかる事前に被っておく。
そうすると効果は絶大。匂いや音が認識されにくくなるため、相手は接近がされたことに気がつかない。
相手は感覚的に『あれ? 落ち葉が風に飛んできたのかな? 気にしないでおこう』くらいの感知しか出来ないのだ。
弱点としては魔法や特殊能力を持つ相手には、さすがに見つかってしまうこと。
あと達人や異常に勘が鋭い相手には、認識が無さ過ぎて、逆に違和感を与えてバレてしまうこと。
そして激しい動きや戦闘には使えない、という三点だ。
「でも知能が低い獣には、ほとんどバレる心配はありません。全員分はあるので、今度はこれで狩りを行ってみましょう!」
収納から《幻影帽子》を五個取り出す。全員に渡して使い方を説明、実践してみる。
「おお、これは⁉ 相手が認識できなくなるぞ⁉」
「本当だ⁉ これならオレたち素人でも、狩りの成功間違いないぞ!」
「さすがライル様……まさに神が使わした“神の子”様だ!」
《幻影帽子》を実践して、皆は効果に感動している。
ちなみに《幻影帽子》を使用している同士は、互いに存在を認識でき、会話も可能。
だから狩りで連携することも出来るのだ。
「よし、改めて狩りに挑戦してみよう。あっ……あそこに、ちょうど森ウサギがいるね」
少し離れた所に、先ほどとは別個体の森ウサギを発見。位置的に風下に移動できない、厄介な場所にいる。これは《幻影帽子》を試す絶好に機会だ。
「それではリベンジしてきます、ライル様」
「ライル様の魔道具の素晴らしさで、必ず狩ってきます」
先ほど失敗した二人が、率先して進んでいく。
頭には《幻影帽子》を被り、手には《魔道クロスボウ》を持ち、森ウサギに近づいていく。
『……?』
森ウサギは耳と鼻をピクピクさせる。
だが今度は脱兎ごとく逃げ出していかない。何事もなかったかのように、草を食べている。
《幻影帽子》の効果で二人の匂いと足音を、認識できていないのだ。
有効射程距離まで近づき、二人はクロスボウの引き金を引く。
ビュン――――パン!
直後、森ウサギの頭が吹き飛ぶ。
《魔道クロスボウ》に内蔵されている《標準補正機能》のお蔭で、自動的に矢が、急所の頭に命中したのだ。
「「「おおお!」」」
領民たちは歓声を上げる。森ウサギを仕留めた二人も、ガッツポーズで大喜びしていた。
彼らがここまで喜ぶのも無理はない。
素人でも簡単に、森ウサギを狩ることができた。つまり今後は領民の誰でも、簡単に獲物を狩ること可能性が見えたのだ。
「それでは他の人も挑戦してみてください。ボクは巡回するので、分からないことがあったら、何でも聞いてください!」
こうして狩人班は森の中で、本格的な狩りを開始。
魔物が接近しないように、ボクは念のために周囲を警戒。その間に狩人班は、どんどん獣を仕留めていく。
仕留めた獲物は、ボクの収納袋にすぐに保管。
収納袋の中は時間が止まっているので、血抜きの作業を後回しに出来て、獣の肉の鮮度が100%保つことが可能。
収納袋も狩りに最適な魔道具といえる。
「よし、そろそろ時間なので、開拓村に戻りましょう!」
「「「はい!」」」
気がつくと時間がかなり経っていた。それだけ狩人班の狩りが順調で、時間が経つのが早かったのだろう。
領民を集めて村に戻ることにした。
「ん? あれ、ミーケがいないぞ?」
猫獣人のメイドのミーケの姿が見えない。もしかして狩りの最中に何かの事故に⁉
「ライル様! ミーは、ここにいるニャン!」
少し離れた所からミーケの声がする。何かの助けてを求めている感じだ。ボクは急いで様子を見にいく。
「ミーケ、大丈夫……うわ⁉ なん、その大きな熊は⁉」
ミーケの足元には一体の巨大な熊が横たわっていた。強力な打撃なようなもので、頭を吹き飛ばされて明らかに死んでいる。
どう見てもクロスボウの傷跡ではない。いったいどうしたのだろうか?
「えーと、ミーが、向こうでこの大熊を見つけて、偶然あたまをぶつけて、死んでしまったニャン!」
なるほど、そういうことか。
でもミーケの手足は明らかに格闘して、熊の血のようなものがついているけど?
それに向こうで死んだ大熊が、どうして、ここに死体が移動しているのだろうか?
大人が十人でも運ぶのは難しい。死体は勝手に動くはずはないし。
「えーと、あれニャン。やっぱり、大熊はここで頭を打って死んだニャン!」
なるほど、そういうことか。
でもそう言いながらもミーケは、必死で何かを引きずってきた痕跡を足で消している。一体あれはなんだろうか。
「そうか。それじゃボクの収納袋に入れておくね」
これだけ大きな大熊だと肉も沢山とれる。あと皮下脂肪は薬などに使用。そして何より毛皮は何よりのお宝になるのだ。
シュワン!
「おお、さすがライル様! 凄いニャン! あれだけ大きくて運ぶの大変だった大熊を一瞬ニャン!」
「えっ? 何か言った、ミーケ?」
「何でもないニャン!」
色々と不可解なことが多いが、貴重な大熊をゲットできたのは幸い。
ボクたちは領民の待つ開拓村へと凱旋するのであった。さ
さて、みんなどんな反応をするかな。
「先ほどの現象は、この《幻影帽子》の効果なんです!」
《幻影帽子》の機能は『被ると周りから認識がされにくくなり、存在感と気配が薄くなる』だ。
実際には透明になる訳ではなく、あくまでも認識がされにくくなるだけ。
先ほどのように目の前で被ると、相手は見えているような、見えていないような不思議な感覚に陥る。
だから普通は、見つかる事前に被っておく。
そうすると効果は絶大。匂いや音が認識されにくくなるため、相手は接近がされたことに気がつかない。
相手は感覚的に『あれ? 落ち葉が風に飛んできたのかな? 気にしないでおこう』くらいの感知しか出来ないのだ。
弱点としては魔法や特殊能力を持つ相手には、さすがに見つかってしまうこと。
あと達人や異常に勘が鋭い相手には、認識が無さ過ぎて、逆に違和感を与えてバレてしまうこと。
そして激しい動きや戦闘には使えない、という三点だ。
「でも知能が低い獣には、ほとんどバレる心配はありません。全員分はあるので、今度はこれで狩りを行ってみましょう!」
収納から《幻影帽子》を五個取り出す。全員に渡して使い方を説明、実践してみる。
「おお、これは⁉ 相手が認識できなくなるぞ⁉」
「本当だ⁉ これならオレたち素人でも、狩りの成功間違いないぞ!」
「さすがライル様……まさに神が使わした“神の子”様だ!」
《幻影帽子》を実践して、皆は効果に感動している。
ちなみに《幻影帽子》を使用している同士は、互いに存在を認識でき、会話も可能。
だから狩りで連携することも出来るのだ。
「よし、改めて狩りに挑戦してみよう。あっ……あそこに、ちょうど森ウサギがいるね」
少し離れた所に、先ほどとは別個体の森ウサギを発見。位置的に風下に移動できない、厄介な場所にいる。これは《幻影帽子》を試す絶好に機会だ。
「それではリベンジしてきます、ライル様」
「ライル様の魔道具の素晴らしさで、必ず狩ってきます」
先ほど失敗した二人が、率先して進んでいく。
頭には《幻影帽子》を被り、手には《魔道クロスボウ》を持ち、森ウサギに近づいていく。
『……?』
森ウサギは耳と鼻をピクピクさせる。
だが今度は脱兎ごとく逃げ出していかない。何事もなかったかのように、草を食べている。
《幻影帽子》の効果で二人の匂いと足音を、認識できていないのだ。
有効射程距離まで近づき、二人はクロスボウの引き金を引く。
ビュン――――パン!
直後、森ウサギの頭が吹き飛ぶ。
《魔道クロスボウ》に内蔵されている《標準補正機能》のお蔭で、自動的に矢が、急所の頭に命中したのだ。
「「「おおお!」」」
領民たちは歓声を上げる。森ウサギを仕留めた二人も、ガッツポーズで大喜びしていた。
彼らがここまで喜ぶのも無理はない。
素人でも簡単に、森ウサギを狩ることができた。つまり今後は領民の誰でも、簡単に獲物を狩ること可能性が見えたのだ。
「それでは他の人も挑戦してみてください。ボクは巡回するので、分からないことがあったら、何でも聞いてください!」
こうして狩人班は森の中で、本格的な狩りを開始。
魔物が接近しないように、ボクは念のために周囲を警戒。その間に狩人班は、どんどん獣を仕留めていく。
仕留めた獲物は、ボクの収納袋にすぐに保管。
収納袋の中は時間が止まっているので、血抜きの作業を後回しに出来て、獣の肉の鮮度が100%保つことが可能。
収納袋も狩りに最適な魔道具といえる。
「よし、そろそろ時間なので、開拓村に戻りましょう!」
「「「はい!」」」
気がつくと時間がかなり経っていた。それだけ狩人班の狩りが順調で、時間が経つのが早かったのだろう。
領民を集めて村に戻ることにした。
「ん? あれ、ミーケがいないぞ?」
猫獣人のメイドのミーケの姿が見えない。もしかして狩りの最中に何かの事故に⁉
「ライル様! ミーは、ここにいるニャン!」
少し離れた所からミーケの声がする。何かの助けてを求めている感じだ。ボクは急いで様子を見にいく。
「ミーケ、大丈夫……うわ⁉ なん、その大きな熊は⁉」
ミーケの足元には一体の巨大な熊が横たわっていた。強力な打撃なようなもので、頭を吹き飛ばされて明らかに死んでいる。
どう見てもクロスボウの傷跡ではない。いったいどうしたのだろうか?
「えーと、ミーが、向こうでこの大熊を見つけて、偶然あたまをぶつけて、死んでしまったニャン!」
なるほど、そういうことか。
でもミーケの手足は明らかに格闘して、熊の血のようなものがついているけど?
それに向こうで死んだ大熊が、どうして、ここに死体が移動しているのだろうか?
大人が十人でも運ぶのは難しい。死体は勝手に動くはずはないし。
「えーと、あれニャン。やっぱり、大熊はここで頭を打って死んだニャン!」
なるほど、そういうことか。
でもそう言いながらもミーケは、必死で何かを引きずってきた痕跡を足で消している。一体あれはなんだろうか。
「そうか。それじゃボクの収納袋に入れておくね」
これだけ大きな大熊だと肉も沢山とれる。あと皮下脂肪は薬などに使用。そして何より毛皮は何よりのお宝になるのだ。
シュワン!
「おお、さすがライル様! 凄いニャン! あれだけ大きくて運ぶの大変だった大熊を一瞬ニャン!」
「えっ? 何か言った、ミーケ?」
「何でもないニャン!」
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