家族に辺境追放された貴族少年、実は天職が《チート魔道具師》で内政無双をしていたら、有能な家臣領民が続々と移住してきて本家を超える国力に急成長

ハーーナ殿下

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第8話:共同作業

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魔道具のお蔭で、なんとか狩りに成功。
開拓村にボクたち狩り班は帰還する。

「おお、ライル様が戻ってきたぞ!」
「大丈夫でしたか、ライル様⁉」

帰還すると、領民が出迎えてくれる。
農業班は少し先に帰還していたので、村には領民が勢ぞろいしていた。ボクは村の広場に全員を集める。

「これが今回狩ってきた獣の肉です!」

ボクは魔道具の収納袋から、森で狩った獣の肉を出す。
小型の“森ウサギ”や“森キジ”がほとんどだが、大鹿や大熊の大物もいた。数日分の村の食糧となる分量だ。

「「「おおお!」」」

領民から歓声が上がる。
収納袋は珍しい魔道具なので、使用するたびに歓声が上がるのだ。

「おお、あれほどの大量の獣の肉を、魔道具から⁉」
「狩り班の話だと、すべてライル様の魔道具のお蔭らしいぞ!」
「さすがはライル様の魔道具だ!」

大量の獣肉を目にして、領民たちはざわつく。羨望の眼差しで、ボクのことを見つめてくる。
嬉しいけど本当に照れてしまう。

「みなさん、それでは夕食の準備に取りかかりましょう! 獣を解体する班と、食事の準備をする班に分かれて下さい!」

興奮状態の領民を落ち着かせて、今後の指示をだす。
狩った直後の獣の肉は、そのままだと食べることはできない。血抜きをして、皮をはいで精肉にする必要があるのだ。

ちなみに今回、血抜きした血や内臓は捨てない。栄養価が高いので、食事として利用してもらう。

本来なら病気や寄生虫の危険があるので、それらの部位は捨ててしまう。
だが時間を止められる収納袋のお蔭で、内臓や血も新鮮そのもの。栄養価が高い血や内臓も、領民が食すことが可能なのだ。

「よし、解体はオレたちに任せろ!」

力が必要な解体は、主に男衆が行う。
村の使っていない小屋を、解体小屋として作業し始める。

「それなら食事の準備は、アタイたち女衆に任せて!」

一方で料理は女衆が担当する。
アルバート領から持ち出してきた調理器具と調味料で、食事の準備をしていく。

「よし、ボクたちもだね!」
「うん!」

残る子ども衆は、年齢によって分かれる。
身体が大きな少年少女は解体の手伝い。小さな子どもは調理の手伝いだ。
一人もサボることなく、全ての領民たちは働きだす。

「あっ……すごく一体感があって、いいな、これは」

そんな領民の働く光景を、ボクは感動しながら眺めていた。

もともと彼ら領民は別の家族同士。でも今は移民として一致団結して働いている。
まるで数十人の大家族みたいであり、巨大なコミュニティみたいに連携した動きだった。

そんな風に感動をしていたら、いつの間にか夕食の準備が終わる。
今日は天気も良いので村の広場で、全員で夕食を食べることにした。

食事が全員に行き渡り、ボクは『いただきます』の挨拶をすることになった。
広場の高い台に登って、領民の視線を一身に集める。

「えーと。これから、この開拓村はどんな困難が待ちかまえているか、想像もできません……」

緊張しながら挨拶を始める。
話をしながら、村のこれからについて考えていく。

今日は運よく獣肉を手に入れたけど、明日はどうなるか分からない。この辺境の村は、本当にまだ何も無い危うい状態なのだ。

「でも……ボクは大丈夫だと思います。なぜなら、ここにいる皆さんは生きる力に満ちあふれています……」

この言葉に嘘やお世辞はない。
領民たちは本当に力に溢れている。先ほどの作業を見ていただけで、そのことはすぐに理解できた。

たとえ今は物資や技術が無くても領民は、強い意思と決意に溢れている。彼らは家財道具の全てを捨てて、この辺境に未来を託した強き者たちなのだ。

「だからボクも領主として、一生懸命に頑張っていきます! 立派な領主になって、必ず皆さんを幸せに導いていきます!」

魔法の才能がないボクは、魔道具を作ることしか出来ない。だからといって今は言い訳なんてできない。

領主として……一人の男として、自分が出来ることを探し、知識を総動員し、誰もが笑顔に暮らせる領地に、ボクはしていきたいのだ!

し……ん。

気がつくと、広場が静寂に包まれている。誰もが下を向いて、口を閉じていた。

あっ……しまった。
もしかしたらボクは熱くなりすぎて、場違いな話をしてしまったのかもしれない。

食事の挨拶をする時に、ボクは場違いな演説を長々としてしまったのだ。みんな呆れて無言になるのも無理もない。

――――だが直後、広場に異変が起きるのであった。
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