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6話 魔道具
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――さて、どうするか……。
こちらに期待を込めた眼差しで見て来ているアーデルハイドさんに、どう話を切り出すべきか。
「そうですね……。このクラスと言う部分ですか?」
「いえ。それ以外の部分ですね。もし、宜しければステータス画面を他人が見れる魔道具があるのですが、それで私の方で確認致しましょうか?」
そんな道具があるのか?
それを使われたら俺のステータスとか丸見えじゃないか。
仕方ない。
スキル『隠蔽』をチェックする。
――スキル『隠蔽』
相手に見せたくないステータスやスキル、称号を隠すことが出来る。
「(丁度いいスキルだな。習得は10段階。1段階レベルを上げる事に100ポイント必要なのか……。そうなると10段階で1000ポイント消費することになるな。まぁ、ポイントなら、1億2000万ポイントあるから、とりあえず習得しておこう)」
名前 朝霧 和馬
レベル 1
ステータス
STR 100
DEX 100
CON 100
WIS 100
INT 68
クラス 無職
スキル なし
称号 なし
「(これで、いくか……)」
「カズマ様?」
「お願いします」
「はいっ!」
アーデルハイドさんが、白く光る球体に手を置く。
すると浮いている1メートルの球の表面に俺のステータスが表示される。
「え?」
俺のステータスを見たアーデルハイドさんの動きが止まる。
「称号もスキルも……な……い? ――で、でもステータスが常人の5倍以上? これって……」
「どうかしましたか?」
球の表面に映った俺のステータスを見て呆然としているアーデルハイドさんに話しかけた。
「――い、いえ。えっと……、カズマ様」
「何でしょうか?」
「このステータスの高さですが……」
「田舎で鍬を持って畑を耕していたからですかね」
「そ、そうですか……。それにしてもステータスが……」
アーデルハイドさんは何かを呟いている。
それにしても、俺のステータスが、この世界の一般人のステータスの5倍以上あるとは、想定の範囲外だ。
「アーデルハイド様。そろそろ一度、謁見の間に――」
「それは難しいわ。カズマ様!」
「はい。何でしょうか?」
「私達を助けて頂いた報酬ですが、謁見の間ではなく執務室でお渡ししてもいいでしょうか?」
「いいですよ」
むしろ謁見の間で国王と話さなくて逆に良かったまである。
地下室を出て階段を上がったあとは、執務室の前まで案内される。
――コンコン。
「アーデルハイドです」
「入りたまえ」
室内から落ち着いた声がドア越しに聞こえてくる。
「今のは?」
「お父様です。私を助けて頂いたということは伝えてありますので非公式でお会いする形となりますが――」
俺は軽く首肯する。
部屋に入れる。
執務室の奥には、重厚な執務机が置かれており、その前には40代ほどの男の姿があった。
「お父様。私を野党の群れから助けてくれた恩人のカズマ様を連れてきました」
その紹介に、座っていた初老の男が立ち上がる。
「クラウス・ド・スメラギと言う。娘を助けてもらったこと感謝の言葉もない。しばらく、この城に逗留して頂ければと思う」
「――そうですか。よろしくお願いします」
下手に断るのも問題だと思い、国王陛下からの提案を俺は承諾した。
こちらに期待を込めた眼差しで見て来ているアーデルハイドさんに、どう話を切り出すべきか。
「そうですね……。このクラスと言う部分ですか?」
「いえ。それ以外の部分ですね。もし、宜しければステータス画面を他人が見れる魔道具があるのですが、それで私の方で確認致しましょうか?」
そんな道具があるのか?
それを使われたら俺のステータスとか丸見えじゃないか。
仕方ない。
スキル『隠蔽』をチェックする。
――スキル『隠蔽』
相手に見せたくないステータスやスキル、称号を隠すことが出来る。
「(丁度いいスキルだな。習得は10段階。1段階レベルを上げる事に100ポイント必要なのか……。そうなると10段階で1000ポイント消費することになるな。まぁ、ポイントなら、1億2000万ポイントあるから、とりあえず習得しておこう)」
名前 朝霧 和馬
レベル 1
ステータス
STR 100
DEX 100
CON 100
WIS 100
INT 68
クラス 無職
スキル なし
称号 なし
「(これで、いくか……)」
「カズマ様?」
「お願いします」
「はいっ!」
アーデルハイドさんが、白く光る球体に手を置く。
すると浮いている1メートルの球の表面に俺のステータスが表示される。
「え?」
俺のステータスを見たアーデルハイドさんの動きが止まる。
「称号もスキルも……な……い? ――で、でもステータスが常人の5倍以上? これって……」
「どうかしましたか?」
球の表面に映った俺のステータスを見て呆然としているアーデルハイドさんに話しかけた。
「――い、いえ。えっと……、カズマ様」
「何でしょうか?」
「このステータスの高さですが……」
「田舎で鍬を持って畑を耕していたからですかね」
「そ、そうですか……。それにしてもステータスが……」
アーデルハイドさんは何かを呟いている。
それにしても、俺のステータスが、この世界の一般人のステータスの5倍以上あるとは、想定の範囲外だ。
「アーデルハイド様。そろそろ一度、謁見の間に――」
「それは難しいわ。カズマ様!」
「はい。何でしょうか?」
「私達を助けて頂いた報酬ですが、謁見の間ではなく執務室でお渡ししてもいいでしょうか?」
「いいですよ」
むしろ謁見の間で国王と話さなくて逆に良かったまである。
地下室を出て階段を上がったあとは、執務室の前まで案内される。
――コンコン。
「アーデルハイドです」
「入りたまえ」
室内から落ち着いた声がドア越しに聞こえてくる。
「今のは?」
「お父様です。私を助けて頂いたということは伝えてありますので非公式でお会いする形となりますが――」
俺は軽く首肯する。
部屋に入れる。
執務室の奥には、重厚な執務机が置かれており、その前には40代ほどの男の姿があった。
「お父様。私を野党の群れから助けてくれた恩人のカズマ様を連れてきました」
その紹介に、座っていた初老の男が立ち上がる。
「クラウス・ド・スメラギと言う。娘を助けてもらったこと感謝の言葉もない。しばらく、この城に逗留して頂ければと思う」
「――そうですか。よろしくお願いします」
下手に断るのも問題だと思い、国王陛下からの提案を俺は承諾した。
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