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第五話
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「私が……悪役令嬢に……?」
『その通りです。梨花、貴女は強くて聡明な女性です。ですが、少々精神面に難があるように見えます。なので、これから貴女と共に生きていく中で私が貴女を鍛え上げます。
礼儀作法や立ち居振舞いといった上流階級の方々との交流に必要な物、他者からの言葉や妨害にも簡単に屈しない程の精神力。更には語学や運動能力などあらゆる物を鍛え、貴女を私と同等の悪役令嬢にするのです』
「するのです、って……別に悪役令嬢じゃなくなって良いんじゃないの?」
そうだ。アンジェリカの話を聞いてる限りだと、私に色々な肉付けをして優れた人物にしたいというだけだ。それなら別に悪役令嬢に限る必要はないし、そういう言い方をする必要もない気がする。
アンジェリカの話からそんな事を考えていると、アンジェリカは呆れたように大きなため息をつき、それを不思議に思っている内にアンジェリカは真剣な声で話しかけてきた。
『では、梨花に訊きます。貴女があらゆる点に優れ、周囲から一目置かれるような存在になったとしても貴女を裏切ったお二人と貴女から幼馴染みを奪い取った方が貴女に対して何か感じるでしょうか?』
「え……?」
『ヘイタ様からもうこれっきりだと言っている上にスドウ様からすれば恐らく貴女はただのクラスメートに過ぎず、貴女の幼馴染みを奪い取ったいう気はないはず。
それなら貴女がどれだけ優れた存在になったとしても自分達の考えが間違っていたとは考えないと思いますし、逆に自分達の価値を上げるために貴女の存在を利用する事も考えられます。自分の知り合いはこんなにもすごい人物なのだぞと』
「そ、そんなの……」
『ない、と言い切れますか? 私がいたところでも自分と関係がある他者の評価を自分の評価を上げるために利用しようとしていた方がいましたのに、梨花の場合はそういった方と出会わないと断言出来ますの?』
「……でき、ない……」
『そうだと思います。なので、貴女には悪役令嬢を目指してもらうのです、梨花』
「でも、どうして悪役令嬢なの?」
その問いかけにアンジェリカはコホンと咳払いをしてから答えてくれた。
『悪役令嬢ならば利用しようとは思われないからです。梨花、悪役令嬢という言葉を聞いてどのようなイメージを持ちますか?』
「え……お上品さはあるし教養もあるけど、どこか意地悪でわりと酷い事も平気で出来る人……かな」
『まあ、そのイメージで良いでしょう。私も最期の時に世間から見た私を指し示すならばその言葉が適当だと思ったに過ぎませんし、正確に言うならば私は悪役皇女といったところですから。
では、次です。そんな悪役令嬢ですが、もし貴女がその悪役令嬢とは反りがあわず、むしろお互いに嫌悪感があるならば貴女は近づいたり関わりたいと思いますか?』
「ううん、全然。必要もないのに嫌な人と関わったって自分が損するだけだし、そもそも何をされるかわかったもんじゃ……え、それじゃあそういう事?」
『その通りです。察しが良くて助かりますわ。貴女がそのイメージするような悪役令嬢になれば、貴女を裏切ったお二人は報復を恐れて貴女とは関わろうとはしなくなる上に近づこうとすらしなくなる。
そして、お二人が熱を上げているスドウ様にも危険が及ぶと判断して近づかないように言ったり鉢合わせしないように考えるはず。それなら貴女もその三人とはもう必要もないのに関わる事はなくなります。梨花、これならば貴女も安心でしょう?』
「たしかに……親同士はまだ交流を続けるだろうから私の近況や家での様子を面と向かっては話さないようにお願いすれば良いわけだし問題はないのかも。でも、悪役令嬢になったら他の生徒にも悪評が広がるんじゃない?」
『気にしなければ良い、と言えたら楽ですが貴女の場合はそうもいきませんわね。けれど、別に他の方の前でまで悪役令嬢でいなくとも良いのです。他の方の前ではあくまでも礼儀正しく嫌味一つない姿を見せて自分や大切な相手に仇す者にはキツイ一撃を与える。それで良いのです』
アンジェリカの優しい声を聞きながら私は自分が悪役令嬢になった姿を想像した。表向きは品行方正で文武両道な生徒として他の生徒や先生達から高い評価を貰い、裏では自分や大切な相手に危害を加えようとする相手に制裁を加える。
そんな自分になるとはあまり思えなかったけど、平太君達──いや、“平太達”には痛い目にあってもらわないと気が済まない。私を女だと思って甘く見ていたツケはきっちりと払ってもらうんだ。
「……やるよ、アンジェリカ。たぶん、アンジェリカと出会えたのは、あの二人を痛い目に遭わせるためだったんだよ。だから、やる。悪役令嬢になってみせる……!」
『……その意気ですわ。とりあえず、私の知る礼儀作法とこちらの礼儀作法が違っていたら困りますので、まずは調査を致しましょう。梨花、何か良い方法はありますか?』
「良い方法……あ、それならインターネットがあるよ。インターネットっていうのは、機械を使って近くの人だけじゃなく、違う国の人とも繋がれる物で、礼儀作法以外にも学べるよ」
『それは便利ですわね。ですが、それならばまずやる事があります』
「やる事……?」
『そうです。いくら悪役令嬢と言えども、孤軍奮闘し続けていては疲れてしまいます。なので、私の事は伏せた上で信頼出来る仲間を作りましょう。恐らくですが、そのインターネットというのは、仲間を見つける事も出来るのでしょう?』
「うん、出来るよ。あ、それなら……」
私はある事を思い付くと、携帯電話を手に持って検索エンジンの検索窓に“あるキーワード”を入れた。すると、画面には検索結果がずらりと並び、それを見たアンジェリカからは驚いたような声が漏れた。
『これはすごいですわね……』
「ふふっ、でしょ? アンジェリカも使えるように説明するけど、ブラウザっていうところからこの検索エンジンっていう物に入ってきて、上の方にある空白に調べたいキーワードを入れて虫眼鏡のマークに触れると、そのキーワードに関係した物がこうやって出てくるんだよ」
『なるほど……それで、この中のどれを見てみるのですか? 上の方にだいぶ桁の多い数字が出ていますが……』
「検索結果の数だね。それなんだけど……『恋の花開く刻』のコミュニティに行ってみようと思うんだ」
『……コミュニティという物が何を示しているかはわかりませんが、要するに私の世界の事を描いた遊技に関係したところへ行ってみるわけですか?』
「そう。アンジェリカだって私以外の人が『恋の花開く刻』の事をどう思ってるか知りたいでしょ? そこへ行って感想を語り合える人がいたら、私も嬉しいしアンジェリカが私の中にいる理由もわかるはずだからね」
『たしかに……梨花、貴女はやはり頭が良いですね。この私が誉めて差し上げますわ』
「ふふ、ありがとう。それじゃあ良さそうなのは──あ、ここが良いかな」
画面に表示された検索結果を縦にスワイプしながら探していた時、『花刻』の感想について話そうという趣旨のチャットルームを見つけて私はそれを指差した。
『……“『花刻』好き用のチャットルーム”、ですか。ここで本当に良いのですか?』
「うん、良いよ。とりあえず覗いてみるだけにして、合わなそうならまた別のところを探せば良いしね」
『わかりました。では、参りましょうか、梨花』
「うん、アンジェリカ」
アンジェリカの存在に頼もしさを感じながら頷いた後、私はチャットルームにアクセスした。
『その通りです。梨花、貴女は強くて聡明な女性です。ですが、少々精神面に難があるように見えます。なので、これから貴女と共に生きていく中で私が貴女を鍛え上げます。
礼儀作法や立ち居振舞いといった上流階級の方々との交流に必要な物、他者からの言葉や妨害にも簡単に屈しない程の精神力。更には語学や運動能力などあらゆる物を鍛え、貴女を私と同等の悪役令嬢にするのです』
「するのです、って……別に悪役令嬢じゃなくなって良いんじゃないの?」
そうだ。アンジェリカの話を聞いてる限りだと、私に色々な肉付けをして優れた人物にしたいというだけだ。それなら別に悪役令嬢に限る必要はないし、そういう言い方をする必要もない気がする。
アンジェリカの話からそんな事を考えていると、アンジェリカは呆れたように大きなため息をつき、それを不思議に思っている内にアンジェリカは真剣な声で話しかけてきた。
『では、梨花に訊きます。貴女があらゆる点に優れ、周囲から一目置かれるような存在になったとしても貴女を裏切ったお二人と貴女から幼馴染みを奪い取った方が貴女に対して何か感じるでしょうか?』
「え……?」
『ヘイタ様からもうこれっきりだと言っている上にスドウ様からすれば恐らく貴女はただのクラスメートに過ぎず、貴女の幼馴染みを奪い取ったいう気はないはず。
それなら貴女がどれだけ優れた存在になったとしても自分達の考えが間違っていたとは考えないと思いますし、逆に自分達の価値を上げるために貴女の存在を利用する事も考えられます。自分の知り合いはこんなにもすごい人物なのだぞと』
「そ、そんなの……」
『ない、と言い切れますか? 私がいたところでも自分と関係がある他者の評価を自分の評価を上げるために利用しようとしていた方がいましたのに、梨花の場合はそういった方と出会わないと断言出来ますの?』
「……でき、ない……」
『そうだと思います。なので、貴女には悪役令嬢を目指してもらうのです、梨花』
「でも、どうして悪役令嬢なの?」
その問いかけにアンジェリカはコホンと咳払いをしてから答えてくれた。
『悪役令嬢ならば利用しようとは思われないからです。梨花、悪役令嬢という言葉を聞いてどのようなイメージを持ちますか?』
「え……お上品さはあるし教養もあるけど、どこか意地悪でわりと酷い事も平気で出来る人……かな」
『まあ、そのイメージで良いでしょう。私も最期の時に世間から見た私を指し示すならばその言葉が適当だと思ったに過ぎませんし、正確に言うならば私は悪役皇女といったところですから。
では、次です。そんな悪役令嬢ですが、もし貴女がその悪役令嬢とは反りがあわず、むしろお互いに嫌悪感があるならば貴女は近づいたり関わりたいと思いますか?』
「ううん、全然。必要もないのに嫌な人と関わったって自分が損するだけだし、そもそも何をされるかわかったもんじゃ……え、それじゃあそういう事?」
『その通りです。察しが良くて助かりますわ。貴女がそのイメージするような悪役令嬢になれば、貴女を裏切ったお二人は報復を恐れて貴女とは関わろうとはしなくなる上に近づこうとすらしなくなる。
そして、お二人が熱を上げているスドウ様にも危険が及ぶと判断して近づかないように言ったり鉢合わせしないように考えるはず。それなら貴女もその三人とはもう必要もないのに関わる事はなくなります。梨花、これならば貴女も安心でしょう?』
「たしかに……親同士はまだ交流を続けるだろうから私の近況や家での様子を面と向かっては話さないようにお願いすれば良いわけだし問題はないのかも。でも、悪役令嬢になったら他の生徒にも悪評が広がるんじゃない?」
『気にしなければ良い、と言えたら楽ですが貴女の場合はそうもいきませんわね。けれど、別に他の方の前でまで悪役令嬢でいなくとも良いのです。他の方の前ではあくまでも礼儀正しく嫌味一つない姿を見せて自分や大切な相手に仇す者にはキツイ一撃を与える。それで良いのです』
アンジェリカの優しい声を聞きながら私は自分が悪役令嬢になった姿を想像した。表向きは品行方正で文武両道な生徒として他の生徒や先生達から高い評価を貰い、裏では自分や大切な相手に危害を加えようとする相手に制裁を加える。
そんな自分になるとはあまり思えなかったけど、平太君達──いや、“平太達”には痛い目にあってもらわないと気が済まない。私を女だと思って甘く見ていたツケはきっちりと払ってもらうんだ。
「……やるよ、アンジェリカ。たぶん、アンジェリカと出会えたのは、あの二人を痛い目に遭わせるためだったんだよ。だから、やる。悪役令嬢になってみせる……!」
『……その意気ですわ。とりあえず、私の知る礼儀作法とこちらの礼儀作法が違っていたら困りますので、まずは調査を致しましょう。梨花、何か良い方法はありますか?』
「良い方法……あ、それならインターネットがあるよ。インターネットっていうのは、機械を使って近くの人だけじゃなく、違う国の人とも繋がれる物で、礼儀作法以外にも学べるよ」
『それは便利ですわね。ですが、それならばまずやる事があります』
「やる事……?」
『そうです。いくら悪役令嬢と言えども、孤軍奮闘し続けていては疲れてしまいます。なので、私の事は伏せた上で信頼出来る仲間を作りましょう。恐らくですが、そのインターネットというのは、仲間を見つける事も出来るのでしょう?』
「うん、出来るよ。あ、それなら……」
私はある事を思い付くと、携帯電話を手に持って検索エンジンの検索窓に“あるキーワード”を入れた。すると、画面には検索結果がずらりと並び、それを見たアンジェリカからは驚いたような声が漏れた。
『これはすごいですわね……』
「ふふっ、でしょ? アンジェリカも使えるように説明するけど、ブラウザっていうところからこの検索エンジンっていう物に入ってきて、上の方にある空白に調べたいキーワードを入れて虫眼鏡のマークに触れると、そのキーワードに関係した物がこうやって出てくるんだよ」
『なるほど……それで、この中のどれを見てみるのですか? 上の方にだいぶ桁の多い数字が出ていますが……』
「検索結果の数だね。それなんだけど……『恋の花開く刻』のコミュニティに行ってみようと思うんだ」
『……コミュニティという物が何を示しているかはわかりませんが、要するに私の世界の事を描いた遊技に関係したところへ行ってみるわけですか?』
「そう。アンジェリカだって私以外の人が『恋の花開く刻』の事をどう思ってるか知りたいでしょ? そこへ行って感想を語り合える人がいたら、私も嬉しいしアンジェリカが私の中にいる理由もわかるはずだからね」
『たしかに……梨花、貴女はやはり頭が良いですね。この私が誉めて差し上げますわ』
「ふふ、ありがとう。それじゃあ良さそうなのは──あ、ここが良いかな」
画面に表示された検索結果を縦にスワイプしながら探していた時、『花刻』の感想について話そうという趣旨のチャットルームを見つけて私はそれを指差した。
『……“『花刻』好き用のチャットルーム”、ですか。ここで本当に良いのですか?』
「うん、良いよ。とりあえず覗いてみるだけにして、合わなそうならまた別のところを探せば良いしね」
『わかりました。では、参りましょうか、梨花』
「うん、アンジェリカ」
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