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第十三話
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翌朝、朝ごはんを食べ終え、学校に行くために部屋で教科書やノートの準備をしていると、アンジェリカが話しかけてきた。
『さて、それでは本日から次のステップに移りましょう』
「ああ、そういえば昨日の夜に言ってたね。それで、次は何をするの?」
『梨花に足りていない物を手に入れます。梨花、貴女に足りていない物は何だと思いますか?』
「足りていない物……色々あると思うよ? アンジェリカが言うような礼儀作法や立ち居振舞い、語彙……後は友達とか」
『それです、梨花。貴女は幼馴染みであるヘイタ様達にばかり目を向け、これまで友人を作ってきませんでした。私も心を通じ合わせられる程の友人は作ってきませんでしたが、そういった方がいればまた色々変わったのだと思います。
そこで、貴女には友人を作って頂きます。出来るならば、貴女の礼儀作法や立ち居振舞いの参考になる程、そういった事に精通している方が望ましいです。私が教えたりインターネットで調べて覚えたりするのでも良いですが、近くにそういった方がいるのといないのではだいぶ違いますから』
「なるほどね……でも、そういう人って心当たりがないよ?」
学校には色々な人がいるけど、そういうのに長けているという人は聞いた事がない。茶道部みたいに活動の中で礼節を重んじている部活動ならあり得たけど、普段からそういうのをやっている人は聞き覚えがなかった。
『そうですか……やはり、世界や環境が違えばそういったところも難易度が変わるのですね』
「まあ、『花刻』の世界だったら結構いそうだからね。でも、お家がお金持ちの人ならもしかしたらって思うけど、そういうお金持ちらしさを出してる人もあまり聞いた事がないかな」
『それならば仕方ありませんわね。では、そこはひとまず置いておいて、今は貴女と意気投合出来る友人を作りましょう。異性でも構わないのですが、貴女の話では同年代の男子生徒にはスドウ様に魅せられている方が多いようですから、同性の友人を作る事にしましょう。梨花、クラスメートの中で気が合いそうな方はいますか?』
「気が合いそう……ちょっと心当たりがないかも。女子でも須藤さんに気に入られようとして何かと話しかけてる子はいるし、やっぱり中々難しいかな」
『ふむ……友人を作るだけでも一苦労のようですわね。ですが、作る事が出来れば貴女もチャットルームの皆さん以外にも一緒に出掛けたり話をしたり出来る相手が出来ますから、焦らずに頑張りましょう、梨花』
「うん」
アンジェリカからの言葉に私は頷きながら答える。アンジェリカが言ったように友達を一人作るだけでも中々苦労する。でも、友達が出来たら学校生活も楽しくなるはずだし、何かあった時にお互いに頼り合う事も出来るはずだ。だから、精一杯頑張ってみよう。
心の中で決意しながら準備を終えた後、私は鞄を持って部屋を出て、リビングにいたお母さんとお父さんに声をかけて玄関を出た。
今日も空は気持ちいいくらいに晴れていて、日差しも強かったけれど、白い雲が幾つか浮かぶ青空を見るのは嫌いじゃないし、なんだか気分も上向いてくるような気がした。
「よし……それじゃあ行こうか、アンジェリカ」
『ええ、そうしま──おや?』
「アンジェリカ、どうかしたの?」
アンジェリカの声に疑問を抱いていると、私達の目の前を一人の人物が通った。その人は三年生の色のリボンがついた私と同じ高校の女子用の制服を着ていて、栗色のポニーテールにスラッとした体型、顔もとても整っていた事から、男子からの人気は高いだろうと予想出来た。
けれど、その表情はとても暗く、俯きながらため息をついていた事から何かとても辛い事があったのはハッキリわかり、だんだんその先輩を放っておけないような気がしていた。
『……ねえ、アンジェリカ』
『ええ、彼女に話しかけてみましょう。私達が解決出来る事かはわかりませんが、解決までいけなくとも話を聞くだけで救われる事もありますし、解決が出来たならそれは喜ばしいですから』
『うん、そうだね。それじゃあ早速……』
声をかける決意を固めた後、目の前をとぼとぼと歩いて通り抜けていく先輩に声をかけた。
「あ、あの……!」
「……え? あなたは……って、ウチの学校の制服を着てるって事は貴女は同じ学校の子なのね」
「はい、そうで──あれ、もしかして貴女は生徒会長の有栖川緑彩先輩じゃないですか?」
よく見ると、その人は全校集会などで顔を見る事が多い有栖川先輩だった。しかし、壇上でカッコよく話すその姿とは違って、今は覇気も生気もなかったため、少し見たくらいだとまったくわからなかった。
有栖川先輩のその辛そうな表情を見ていた時、有栖川先輩はハッとしてから軽く髪を整えると、コホンと咳払いをしてからいつも通りの有栖川先輩になった。
「おはよう、今日も良い天気ね」
「あ……はい、良い天気ですけど、無理してませんか?」
「む、無理なんてしてない……わよ。ほら、いつも通りの有栖川緑彩で──」
「先輩、辛い時は無理しない方が良いですよ。それに、もう先輩の辛そうな顔は見たので、今更取り繕おうとされても……」
「……やっぱりそうよね。はあ……まさかウチの学校の子がこの辺りに住んでて、いつもの私とは違う顔を見られるなんて……」
「先輩、何があったんですか? 私でよかったら話を聞きますよ?」
再び落ち込み始める先輩にそう言うと、先輩は顔を上げてから申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「そんなの良いわよ。個人的な事ではあるし、後輩の子をそんな事に巻き込むなんて出来ないわ」
「いえ、関わらせてください。ここであったのも何かの縁ですし、私も一昨日まで辛かったですけど、話を聞いてもらった事で元気になれましたから」
「……そうね、なんだか貴女になら話しても良い気はするし、歩きながら話しましょうか」
「先輩……はい!」
有栖川先輩がようやく微笑んだ事に喜んだ後、私は先輩の隣に並んでゆっくりと歩き始めた。
「そういえば、ちゃんと自己紹介をしてなかったわね。私は生徒会長の有栖川緑彩、三年生のB組よ」
「私は安寿梨花です。二年生で同じくB組です。それで、何があったんですか?」
「……うん、実は大切だと思ってた人が別の人を好きになったみたいで、それがショックで落ち込んでたの」
「大切な人……え、それじゃあ有栖川先輩って彼氏がいたんですか?」
「正確には彼氏じゃないわ。でも、一年生の頃に席が隣になった事から付き合いが始まって、何かと私の事を気にかけてくれた上に私が生徒会長になりたいと思った時もサポートをするって言ってくれた人がいるの。それが生徒会副会長の岸野勇なんだけどね」
「それじゃあ岸野先輩は副会長という形で有栖川先輩を支えてくれようとしたんですね」
「そういう事。でも、春頃にある生徒が転校してきた事でそれは変わった。副会長として支えるのは止めないけど、私が一緒にいようとするとその人が申し訳なさそうにするからって生徒会の時以外はあまり近寄らないでくれって言われて、それが本当にショックだったのよ……」
「春頃から様子が……有栖川先輩、岸野先輩が好きになったっていう人の名前って……」
嫌な予感を覚えながら訊くと、辛そうな表情の有栖川先輩の口から予想していた答えが飛び出した。
「……須藤留衣、貴女と同じ二年のB組の生徒よ」
『さて、それでは本日から次のステップに移りましょう』
「ああ、そういえば昨日の夜に言ってたね。それで、次は何をするの?」
『梨花に足りていない物を手に入れます。梨花、貴女に足りていない物は何だと思いますか?』
「足りていない物……色々あると思うよ? アンジェリカが言うような礼儀作法や立ち居振舞い、語彙……後は友達とか」
『それです、梨花。貴女は幼馴染みであるヘイタ様達にばかり目を向け、これまで友人を作ってきませんでした。私も心を通じ合わせられる程の友人は作ってきませんでしたが、そういった方がいればまた色々変わったのだと思います。
そこで、貴女には友人を作って頂きます。出来るならば、貴女の礼儀作法や立ち居振舞いの参考になる程、そういった事に精通している方が望ましいです。私が教えたりインターネットで調べて覚えたりするのでも良いですが、近くにそういった方がいるのといないのではだいぶ違いますから』
「なるほどね……でも、そういう人って心当たりがないよ?」
学校には色々な人がいるけど、そういうのに長けているという人は聞いた事がない。茶道部みたいに活動の中で礼節を重んじている部活動ならあり得たけど、普段からそういうのをやっている人は聞き覚えがなかった。
『そうですか……やはり、世界や環境が違えばそういったところも難易度が変わるのですね』
「まあ、『花刻』の世界だったら結構いそうだからね。でも、お家がお金持ちの人ならもしかしたらって思うけど、そういうお金持ちらしさを出してる人もあまり聞いた事がないかな」
『それならば仕方ありませんわね。では、そこはひとまず置いておいて、今は貴女と意気投合出来る友人を作りましょう。異性でも構わないのですが、貴女の話では同年代の男子生徒にはスドウ様に魅せられている方が多いようですから、同性の友人を作る事にしましょう。梨花、クラスメートの中で気が合いそうな方はいますか?』
「気が合いそう……ちょっと心当たりがないかも。女子でも須藤さんに気に入られようとして何かと話しかけてる子はいるし、やっぱり中々難しいかな」
『ふむ……友人を作るだけでも一苦労のようですわね。ですが、作る事が出来れば貴女もチャットルームの皆さん以外にも一緒に出掛けたり話をしたり出来る相手が出来ますから、焦らずに頑張りましょう、梨花』
「うん」
アンジェリカからの言葉に私は頷きながら答える。アンジェリカが言ったように友達を一人作るだけでも中々苦労する。でも、友達が出来たら学校生活も楽しくなるはずだし、何かあった時にお互いに頼り合う事も出来るはずだ。だから、精一杯頑張ってみよう。
心の中で決意しながら準備を終えた後、私は鞄を持って部屋を出て、リビングにいたお母さんとお父さんに声をかけて玄関を出た。
今日も空は気持ちいいくらいに晴れていて、日差しも強かったけれど、白い雲が幾つか浮かぶ青空を見るのは嫌いじゃないし、なんだか気分も上向いてくるような気がした。
「よし……それじゃあ行こうか、アンジェリカ」
『ええ、そうしま──おや?』
「アンジェリカ、どうかしたの?」
アンジェリカの声に疑問を抱いていると、私達の目の前を一人の人物が通った。その人は三年生の色のリボンがついた私と同じ高校の女子用の制服を着ていて、栗色のポニーテールにスラッとした体型、顔もとても整っていた事から、男子からの人気は高いだろうと予想出来た。
けれど、その表情はとても暗く、俯きながらため息をついていた事から何かとても辛い事があったのはハッキリわかり、だんだんその先輩を放っておけないような気がしていた。
『……ねえ、アンジェリカ』
『ええ、彼女に話しかけてみましょう。私達が解決出来る事かはわかりませんが、解決までいけなくとも話を聞くだけで救われる事もありますし、解決が出来たならそれは喜ばしいですから』
『うん、そうだね。それじゃあ早速……』
声をかける決意を固めた後、目の前をとぼとぼと歩いて通り抜けていく先輩に声をかけた。
「あ、あの……!」
「……え? あなたは……って、ウチの学校の制服を着てるって事は貴女は同じ学校の子なのね」
「はい、そうで──あれ、もしかして貴女は生徒会長の有栖川緑彩先輩じゃないですか?」
よく見ると、その人は全校集会などで顔を見る事が多い有栖川先輩だった。しかし、壇上でカッコよく話すその姿とは違って、今は覇気も生気もなかったため、少し見たくらいだとまったくわからなかった。
有栖川先輩のその辛そうな表情を見ていた時、有栖川先輩はハッとしてから軽く髪を整えると、コホンと咳払いをしてからいつも通りの有栖川先輩になった。
「おはよう、今日も良い天気ね」
「あ……はい、良い天気ですけど、無理してませんか?」
「む、無理なんてしてない……わよ。ほら、いつも通りの有栖川緑彩で──」
「先輩、辛い時は無理しない方が良いですよ。それに、もう先輩の辛そうな顔は見たので、今更取り繕おうとされても……」
「……やっぱりそうよね。はあ……まさかウチの学校の子がこの辺りに住んでて、いつもの私とは違う顔を見られるなんて……」
「先輩、何があったんですか? 私でよかったら話を聞きますよ?」
再び落ち込み始める先輩にそう言うと、先輩は顔を上げてから申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「そんなの良いわよ。個人的な事ではあるし、後輩の子をそんな事に巻き込むなんて出来ないわ」
「いえ、関わらせてください。ここであったのも何かの縁ですし、私も一昨日まで辛かったですけど、話を聞いてもらった事で元気になれましたから」
「……そうね、なんだか貴女になら話しても良い気はするし、歩きながら話しましょうか」
「先輩……はい!」
有栖川先輩がようやく微笑んだ事に喜んだ後、私は先輩の隣に並んでゆっくりと歩き始めた。
「そういえば、ちゃんと自己紹介をしてなかったわね。私は生徒会長の有栖川緑彩、三年生のB組よ」
「私は安寿梨花です。二年生で同じくB組です。それで、何があったんですか?」
「……うん、実は大切だと思ってた人が別の人を好きになったみたいで、それがショックで落ち込んでたの」
「大切な人……え、それじゃあ有栖川先輩って彼氏がいたんですか?」
「正確には彼氏じゃないわ。でも、一年生の頃に席が隣になった事から付き合いが始まって、何かと私の事を気にかけてくれた上に私が生徒会長になりたいと思った時もサポートをするって言ってくれた人がいるの。それが生徒会副会長の岸野勇なんだけどね」
「それじゃあ岸野先輩は副会長という形で有栖川先輩を支えてくれようとしたんですね」
「そういう事。でも、春頃にある生徒が転校してきた事でそれは変わった。副会長として支えるのは止めないけど、私が一緒にいようとするとその人が申し訳なさそうにするからって生徒会の時以外はあまり近寄らないでくれって言われて、それが本当にショックだったのよ……」
「春頃から様子が……有栖川先輩、岸野先輩が好きになったっていう人の名前って……」
嫌な予感を覚えながら訊くと、辛そうな表情の有栖川先輩の口から予想していた答えが飛び出した。
「……須藤留衣、貴女と同じ二年のB組の生徒よ」
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