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玻璃(はり)の庭で、龍は乙女を愛しすぎる
第二章:龍の巣と甘やかな束縛
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翌朝、セシリアがほとんど眠れずに重い体で目覚めると、エルスハイム子爵家の質素な屋敷の前には、昨日見たどんな馬車よりも豪華で、漆黒の馬体に艶のある四頭立ての馬車が停まっていた。紋章はない。だが、その佇まいだけで、主が計り知れない富と権力を持っていることを示していた。
御者が恭しくドアを開けると、そこにはカレイド・アシュフォードが座っていた。昨夜の仮面はなく、その素顔が初めて露わになる。彫りの深い顔立ち、鋭いが理知的な光を宿す黒曜石の瞳、そして、口元に浮かべたかすかな笑み。彼は人間というより、人の形をとった精悍な龍のようだった。
「おはよう、セシリア嬢。よく眠れたかな?」
「……いいえ、あまり」
「だろうな。だが心配はいらない。君が失ったものは、私がすべてそれ以上の形で与えよう」
彼の言葉には、揺るぎない自信が満ちていた。セシリアは、他に選択肢がないことを悟り、馬車に乗り込んだ。
連れてこられたのは、王都の中心から少し離れた丘の上に立つ、城と見紛うばかりの広大な屋敷だった。鉄の門が静かに開くと、手入れの行き届いた広大な庭園と、モダンでありながら歴史の重みを感じさせる邸宅が現れる。
「ここは……?」
「私の家だ。そして、今日から君の家でもある」
カレイドはこともなげに言った。屋敷に足を踏み入れると、数え切れないほどの使用人たちが一列に並び、深々と頭を下げた。
「セシリア様、ようこそおいでくださいました」
その光景に、セシリアは圧倒される。カレイドは彼女の肩を抱き、囁いた。
「驚くことはない。彼らは皆、君に仕える者たちだ。君は、この屋敷の女主人なのだから」
「女主人……!?ですが、私はあなたとどういう関係に……」
「今はまだ、私の『保護下にある客人』だ。だが、いずれは変わる」
カレイドはセシリアを、ガラス張りの壁が一面に広がるサンルームへと案内した。そこは楽園のように様々な花々が咲き乱れ、中央には優雅なテーブルセットが置かれていた。
「まずは食事を。君の好きなものを調べさせておいた」
テーブルの上には、セシリアが幼い頃に好きだったという、今ではもう店もなくなった田舎のパン屋のレシピを再現したパンや、母が作ってくれた思い出のハーブティーが並んでいた。
「どうして……こんなことまで……」
「言ったはずだ。君のすべてを知りたいし、君が望むものはすべて与えたい」カレイドは微笑んだ。「昨夜、君の家の者に少しばかり『協力』してもらった」
彼の言う「協力」が、おそらくは金銭による情報提供であろうことを察し、セシリアは少し複雑な気持ちになった。しかし、目の前の心のこもったもてなしに、強張っていた心が少しずつ解けていくのを感じた。
その日から、カレイドによる常軌を逸した「溺愛」が始まった。
セシリアが「今日は天気がいいですね」と呟けば、翌日には庭に彼女専用の美しいガゼボ(西洋風あずまや)が建てられた。「この本の刺繍が素敵」と言えば、国中からその刺繍職人が集められ、彼女のためだけにドレスや小物を仕立てた。
彼女の部屋のクローゼットは、セシリアの肌の色や髪の色に完璧に合うように選ばれた、目も眩むようなドレスで埋め尽くされた。それらはすべて、彼女が一度も名前を口にしたことのない、しかし密かに憧れていたデザイナーたちの手によるものだった。
「カレイド様、こんなにも……私には贅沢すぎます」
「贅沢ではない。当然のことだ」カレイドは、セシリアの髪を優しく梳きながら言った。「君は、これだけのものを受け取るにふさわしい。いや、これでもまだ足りないくらいだ」
彼の愛情表現は、物質的なものだけではなかった。
毎晩、どんなに仕事で忙しくても、彼はセシリアとの夕食を共にし、彼女の一日の話に熱心に耳を傾けた。彼女が少しでも眉を曇らせれば、その原因を徹底的に突き止め、翌日には解決させていた。
ある日、セシリアが屋敷の図書室で古い植物図鑑を眺めていると、カレイドが背後から声をかけた。
「その本が好きなのか?」
「ええ。昔、母と庭いじりをするのが好きで……。この『幻の青い薔薇』のページを、何度も眺めていました。言い伝えだけの花だとわかってはいるのですけれど」
翌週、セシリアは屋敷の裏手にある巨大な温室に案内された。ガラスの扉を開けた瞬間、彼女は息をのんだ。
温室の中は、夜空の色を溶かし込んだような、神秘的な青い薔薇で埋め尽くされていたのだ。
「……嘘……でしょう……?」
「世界中の植物学者と育種家を集め、君の言葉を伝えた。『幻の青い薔薇を咲かせてくれ。我が至宝のために』と。彼らは見事に応えてくれた」
カレイドはこともなげに言うが、それがどれほど莫大な資金と労力を要することか、セシリアにも想像がついた。彼女は青い薔薇を一輪、そっと指でなぞった。夢を見ているかのようだった。
「なぜ……ここまでしてくださるのですか?」
「君が望んだからだ」カレイドはセシリアの肩を抱き寄せ、その耳元で囁いた。「君のどんな些細な願いも、私は叶えたい。君の笑顔が、私の何よりの報酬なのだから」
彼の瞳には、狂気的ともいえるほどの深い愛情が宿っていた。それは、アルバスが向けていた打算的な好意とはまったく違う、純粋で、しかしあまりにも重いものだった。
セシリアは幸せだった。アルバスに捨てられた傷は、カレイドの深い愛情によって癒され、彼女は日に日に自信を取り戻し、美しく輝いていった。
しかし同時に、彼女は言いようのない息苦しさを感じ始めていた。
カレイドの愛は完璧すぎた。彼女が何かを欲する前に、彼はそれを察して与えてしまう。彼女が困難に直面する前に、彼はその芽を摘み取ってしまう。
まるで、美しい鳥かごの中で、手厚く保護されている鳥のようだった。
外敵はいない。飢えることもない。しかし、自分の翼で飛ぶ自由はない。
その頃、社交界ではセシリアの噂で持ちきりになっていた。
婚約破棄され、姿を消した哀れな子爵令嬢が、突如現れた謎の大富豪カレイド・アシュフォードの庇護を受け、以前とは比べ物にならないほど美しくなっている、と。
そして、その噂はアルバス・グレイヴンガルドの耳にも届いていた。彼はイザベラと婚約したものの、彼女の浪費癖と傲慢さに辟易し始めていた。そんな時、生まれ変わったかのようなセシリアの姿を遠目で見かけ、彼は愕然とする。
(あれが、セシリアだと……?私が捨てた、あの地味な女がか……?)
アルバスは、自分が手放したものの本当の価値に、今更ながら気づき始めていた。そして、激しい後悔と嫉妬の炎が、彼の心の中で燃え上がった。
御者が恭しくドアを開けると、そこにはカレイド・アシュフォードが座っていた。昨夜の仮面はなく、その素顔が初めて露わになる。彫りの深い顔立ち、鋭いが理知的な光を宿す黒曜石の瞳、そして、口元に浮かべたかすかな笑み。彼は人間というより、人の形をとった精悍な龍のようだった。
「おはよう、セシリア嬢。よく眠れたかな?」
「……いいえ、あまり」
「だろうな。だが心配はいらない。君が失ったものは、私がすべてそれ以上の形で与えよう」
彼の言葉には、揺るぎない自信が満ちていた。セシリアは、他に選択肢がないことを悟り、馬車に乗り込んだ。
連れてこられたのは、王都の中心から少し離れた丘の上に立つ、城と見紛うばかりの広大な屋敷だった。鉄の門が静かに開くと、手入れの行き届いた広大な庭園と、モダンでありながら歴史の重みを感じさせる邸宅が現れる。
「ここは……?」
「私の家だ。そして、今日から君の家でもある」
カレイドはこともなげに言った。屋敷に足を踏み入れると、数え切れないほどの使用人たちが一列に並び、深々と頭を下げた。
「セシリア様、ようこそおいでくださいました」
その光景に、セシリアは圧倒される。カレイドは彼女の肩を抱き、囁いた。
「驚くことはない。彼らは皆、君に仕える者たちだ。君は、この屋敷の女主人なのだから」
「女主人……!?ですが、私はあなたとどういう関係に……」
「今はまだ、私の『保護下にある客人』だ。だが、いずれは変わる」
カレイドはセシリアを、ガラス張りの壁が一面に広がるサンルームへと案内した。そこは楽園のように様々な花々が咲き乱れ、中央には優雅なテーブルセットが置かれていた。
「まずは食事を。君の好きなものを調べさせておいた」
テーブルの上には、セシリアが幼い頃に好きだったという、今ではもう店もなくなった田舎のパン屋のレシピを再現したパンや、母が作ってくれた思い出のハーブティーが並んでいた。
「どうして……こんなことまで……」
「言ったはずだ。君のすべてを知りたいし、君が望むものはすべて与えたい」カレイドは微笑んだ。「昨夜、君の家の者に少しばかり『協力』してもらった」
彼の言う「協力」が、おそらくは金銭による情報提供であろうことを察し、セシリアは少し複雑な気持ちになった。しかし、目の前の心のこもったもてなしに、強張っていた心が少しずつ解けていくのを感じた。
その日から、カレイドによる常軌を逸した「溺愛」が始まった。
セシリアが「今日は天気がいいですね」と呟けば、翌日には庭に彼女専用の美しいガゼボ(西洋風あずまや)が建てられた。「この本の刺繍が素敵」と言えば、国中からその刺繍職人が集められ、彼女のためだけにドレスや小物を仕立てた。
彼女の部屋のクローゼットは、セシリアの肌の色や髪の色に完璧に合うように選ばれた、目も眩むようなドレスで埋め尽くされた。それらはすべて、彼女が一度も名前を口にしたことのない、しかし密かに憧れていたデザイナーたちの手によるものだった。
「カレイド様、こんなにも……私には贅沢すぎます」
「贅沢ではない。当然のことだ」カレイドは、セシリアの髪を優しく梳きながら言った。「君は、これだけのものを受け取るにふさわしい。いや、これでもまだ足りないくらいだ」
彼の愛情表現は、物質的なものだけではなかった。
毎晩、どんなに仕事で忙しくても、彼はセシリアとの夕食を共にし、彼女の一日の話に熱心に耳を傾けた。彼女が少しでも眉を曇らせれば、その原因を徹底的に突き止め、翌日には解決させていた。
ある日、セシリアが屋敷の図書室で古い植物図鑑を眺めていると、カレイドが背後から声をかけた。
「その本が好きなのか?」
「ええ。昔、母と庭いじりをするのが好きで……。この『幻の青い薔薇』のページを、何度も眺めていました。言い伝えだけの花だとわかってはいるのですけれど」
翌週、セシリアは屋敷の裏手にある巨大な温室に案内された。ガラスの扉を開けた瞬間、彼女は息をのんだ。
温室の中は、夜空の色を溶かし込んだような、神秘的な青い薔薇で埋め尽くされていたのだ。
「……嘘……でしょう……?」
「世界中の植物学者と育種家を集め、君の言葉を伝えた。『幻の青い薔薇を咲かせてくれ。我が至宝のために』と。彼らは見事に応えてくれた」
カレイドはこともなげに言うが、それがどれほど莫大な資金と労力を要することか、セシリアにも想像がついた。彼女は青い薔薇を一輪、そっと指でなぞった。夢を見ているかのようだった。
「なぜ……ここまでしてくださるのですか?」
「君が望んだからだ」カレイドはセシリアの肩を抱き寄せ、その耳元で囁いた。「君のどんな些細な願いも、私は叶えたい。君の笑顔が、私の何よりの報酬なのだから」
彼の瞳には、狂気的ともいえるほどの深い愛情が宿っていた。それは、アルバスが向けていた打算的な好意とはまったく違う、純粋で、しかしあまりにも重いものだった。
セシリアは幸せだった。アルバスに捨てられた傷は、カレイドの深い愛情によって癒され、彼女は日に日に自信を取り戻し、美しく輝いていった。
しかし同時に、彼女は言いようのない息苦しさを感じ始めていた。
カレイドの愛は完璧すぎた。彼女が何かを欲する前に、彼はそれを察して与えてしまう。彼女が困難に直面する前に、彼はその芽を摘み取ってしまう。
まるで、美しい鳥かごの中で、手厚く保護されている鳥のようだった。
外敵はいない。飢えることもない。しかし、自分の翼で飛ぶ自由はない。
その頃、社交界ではセシリアの噂で持ちきりになっていた。
婚約破棄され、姿を消した哀れな子爵令嬢が、突如現れた謎の大富豪カレイド・アシュフォードの庇護を受け、以前とは比べ物にならないほど美しくなっている、と。
そして、その噂はアルバス・グレイヴンガルドの耳にも届いていた。彼はイザベラと婚約したものの、彼女の浪費癖と傲慢さに辟易し始めていた。そんな時、生まれ変わったかのようなセシリアの姿を遠目で見かけ、彼は愕然とする。
(あれが、セシリアだと……?私が捨てた、あの地味な女がか……?)
アルバスは、自分が手放したものの本当の価値に、今更ながら気づき始めていた。そして、激しい後悔と嫉妬の炎が、彼の心の中で燃え上がった。
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