婚約破棄と溺愛のアンソロジー[短編集]

イアペコス

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玻璃(はり)の庭で、龍は乙女を愛しすぎる

終章:玻璃の庭で、永遠の誓いを

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グレイヴンガルド家の没落は、あっという間だった。アルバスはすべてを失い、イザベラもまた、彼を見捨てて去っていった。

セシリアは、エルスハイム領の再開発プロジェクトを成功させ、その手腕と慈愛に満ちた人柄で、多くの人々から敬愛される存在となった。彼女はもはや、誰かの庇護を必要とするか弱い令嬢ではなかった。

そして、青い薔薇が咲き誇る、あのガラス張りの温室で。
カレイドはセシリアの前にひざまずき、一つの指輪を差し出した。それは、彼の黒曜石の瞳と同じ色の、巨大なブラックダイヤだった。

「セシリア・フォン・エルスハイム。私の人生は、君に出会うまではモノクロームだった。君が、私の世界に色を与えてくれた」
彼はセシリアの手を取り、その瞳をまっすぐに見つめた。
「私の過剰な愛で、君を苦しめたこともあっただろう。これからも、私は君を愛しすぎるかもしれない。それでも……私の隣で、私の生涯の至宝として、輝き続けてはくれないだろうか。結婚してほしい」

セシリアの頬を、一筋の涙が伝った。それは、悲しみや絶望の涙ではない。あふれんばかりの幸福と、愛しさが溶け合った、温かい涙だった。

「はい、喜んで。カレイド」

彼女が初めて彼の名を呼ぶと、カレイドは安堵と喜びに満ちた笑みを浮かべ、彼女を優しく抱きしめた。

婚約破棄という絶望の夜から始まった物語は、常軌を逸した溺愛を経て、二人が互いを尊重し、支え合う、真実の愛へとたどり着いた。

玻璃の庭で、龍は乙女を永遠に愛しすぎるだろう。
そして乙女は、その強すぎる愛を、自らの輝きで優しく包み込み、共に未来を歩んでいくのだ。
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