異世界に飛ばされた警備員は持ってた装備で無双する。

いけお

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第22話 【浄化】を会得した男

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扉をノックして急かしても失礼だと思い、俺達3人は扉の外で待つ事にした。待つ事約20分、扉の向こうからパタパタ音がするので入浴が済んだと思い俺達は扉に近づこうとすると思いがけない光景を目にする事になった。それは20歳前後の女性が、バスタオル1枚を羽織っただけで外に出てきたからだ。

「まったく、午後の礼拝前に必ず身を清めなくちゃいけないなんて時代遅れよ。どうせ誰も来ていないから今の内に・・・」

そこで女性は俺達が外で待っていたのに気付き、驚きのあまり手で押さえていたバスタオルを離してしまう。 お陰で俺とバルドは素晴らしい目の保養をさせて戴きました。

「きゃああああああああ!!」

パーン!パーン! パーン!パーン! そして、教会の前で計4発の平手打ちの音が鳴り響いた。

「うう・・ひっく、もうお嫁に行けない・・・」

「大丈夫よ、これはきっと神があなたに課した試練なのよ。だから、もう落ち着いて」

シルフィさんが、懸命に彼女を慰めようとしている。それを見ている俺とバルドは両頬を真っ赤にして正座させられている。 教会の女性とシルフィに1発ずつ平手打ちされた所為だが、平手打ちだけで拝めたのは凄い儲け物だった。

「・・・誘二さん、後でフォルネーゼさんに報告しますからね、鼻の下なんか伸ばしちゃって!それから、バルド!あなたは今日の夕食抜きです!」

「「そ、そんな~!?」」

だが、先程見た光景を思い出すと思わずにやけそうになる自分が居た。

「・・・反省が無い様なら、もう1発本気で平手打ちしましょうか?」

「ごめんなさい、許して下さい」

けれども、ふと或る事に俺は気が付いた。

(近接攻撃は無効になる筈なのに、何で平手打ちを喰らったんだろう?)

その答えは、左肩に在る無線機が教えてくれた。

『ザザ・・・もしもし、誘二聞こえるかい?私だ、ピートだ』

「ピート!? どうした急に?」

『今、シルフィ達から平手打ちを喰らって近接無効化が機能していなかった事を、不思議に思っている筈だ』

(どうして分かった!?)

『その近接無効化だが、例外としてラッキースケベイベントが起きた場合に限り解除される事を伝えるのを忘れていた』

「そんな例外を入れるな!?」

『良い目を見たんだ、それ位の罰は受け給え。伝えたかったのはそれだけだ、このスケベ』

神様にまでスケベ呼ばわりされるとは思いもしなかった・・・。

「PTT様と会話が出来るとは、あなたが神の使いと称される交 誘二様なのですね?」

「はい、さっきはノックをしなくてすいませんでした。急かしたらいけないと思い、大人しく待っていたんです」

「いえ、もう気にしていませんから・・・っていうのはとても無理ですが、わたくしもきちんと修道服を着てから出れば良かったのに、普段誰も来ないから少々油断しておりました」

「いえ、そんな事は!お陰で目の保養も出来ましたし!?」

【これより30秒間お仕置きタイムとして近接無効化を解除します】

「ちょっと待て!? なんだこのアナウンス、さっきまで流れなかったのにピートの仕業だな!?」

【お仕置きタイムを終了します、少しは反省しましょうスケベ野郎】

「なんか、アナウンスに段々と軽蔑されてる気がする・・・」

「誘二さん、それは自業自得です」

「コホン! え~話を戻しても構いませんか? 先程、伺いましたが今日お見えになられたご用件は【浄化】を会得されたいのですね?」

「はい、その通りです」

「では、【浄化】を会得出来る条件が3つ御座いますのでお伝えします。第1にゴーストやゾンビ等に対する恐怖心が人並み以上である事、第2にその恐怖心を手段は構わないのですが克服されている事、そして第3としてゴースト1体を楽しませて遊び足りない未練を無くし、満足した状態で天に送り出す事です」

(あれ!?俺、条件クリアしてる様に思えるのは気のせい?)

「つかぬ事を聞いても良いですか?シスターさん」

「あ、すいません。わたくし名乗るのを忘れておりましたね、わたくしの名はシャーリィと申します。いまだ修行の身では御座いますが、よろしくお願い致します」

「こちらこそ、よろしくお願いします。シャーリィさん、1つ聞いても良いですか?」

「はい、どうぞ」

「多分俺、ここに来るまでにその3つの条件をクリアしちゃってる」

「何も知らずにですか!?」

「うん」

「それでしたら、この正面の神の像の足元に在ります水晶球に触れて頂けますか?【浄化】の会得条件をクリアしていると認められた場合、その水晶球が輝いて会得する事が出来ますので」

俺は言われた通りに神の像の足元まで行くとそこに在る水晶球に触れてみた、すると水晶球が光り輝き俺はアナウンスの流れる中【浄化】を会得する事が出来た。

『交 誘ニは【浄化】を会得しました、使い方は対象に向け手のひらをかざして、不死の呪いから解放されるのを祈る様にして下さい。呪いの強さに応じて祈る時間は多少増減します』

「無事に【浄化】を会得する事が出来たな、誘二」

「ええ、当初はシルフィさんの予定だったんですが、結局自分が覚えちゃいましたね」

「シルフィはお前みたいなビビりじゃ無かったからな。どのみち条件をクリア出来なかった」

「はい、ライト達が覚えられなかったのも少し納得出来ました」

「しかし、何故【浄化】を会得されようとしているのですか?」

シャーリィさんから質問されたので、俺は正直に答える事にした。オークの砦に居るネームドモンスターとなっている女性の事、その彼女が恐らくは2つの呪いに掛かっている事、1つは不死になる呪いで、そしてもう1つがオークキングとオーククイーンを産み落とす身体になる呪いだという事を。

「そうでしたか、それでしたら不死の呪いを解くのに【浄化】は必要でした」

「会得出来て良かった~!」

「ですが・・・オークのキングとクイーンを産み出す身体となる呪いについては申し訳ありませんが、この教会にはその解呪方法は伝わっておりません」

「そうですか・・・」

「けれでも、もしかしたらこの国の主都バルナードに在ります聖光教会の総本部に居られます、スフィア大主教様でしたら知っているかもしれません。わたくしから紹介状を書きますので訪ねてみて下さい。総大主教様はあまり紹介したく有りませんので、ご容赦ください」

(なんで修行中の身なのに、大主教や総大主教達と面識が有るのだろう?色々と聞くのは失礼だから、とりあえずはご厚意を有り難く受け取っておこう)

「ご厚意有難う御座います、町に戻りましたら明日にでも早速主都バルナードに向け発とうと思います」

「分かりました、ただくれぐれも!わたくしからの紹介状を絶対に見られない様にして下さいね!?」

「は、はい承知しました」

こうして俺はシャーリィから聖光教会の総本部に居るスフィア大主教宛の紹介状を手にする事が出来た。そして意気揚々と町に戻ったが、シルフィがフォルネーゼに教会でのラッキースケベイベントの事を全て話してしまい、烈火の如く怒ったフォルネーゼはそれから数日の間一緒に寝てくれず、更に苦手を克服した褒美の尻尾の件も帳消しとなった・・・。
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