召喚に巻き込まれた冴えないおっさんのハーレムライフ?

いけお

文字の大きさ
26 / 40

第26話 王道、ついにコンプリート?

しおりを挟む
(どうしてなの?意識しない様に考えれば考えるほど、王道さんの顔が頭から離れない。それに気付かない内に彼を目で追ってしまう)

巨大ムカデの背に乗り移動しながら、薫は自分が深みに嵌っていく事に対して恐れを抱き始めていた。嵌ってしまうと容易に抜け出せなくなる事は華憐達の姿を見ればすぐに想像が付く。だからこそ、嵌る前に意識の内から取り除こうと何度も試みているがその度により一層深く嵌り王道への恋心が芽生えた事を認めざる得なくなろうとしていた。



ルナの乗り物のお陰で日が落ちる前に割頤使(さけいし)の村に到着出来た王道達一行だったが、最初突如現れた巨大ムカデに村中がパニックになりかけた。王道や華憐が村人を宥めながら謝罪して回る間に、薫は今晩泊まる宿を探し始める。人の通りが少なかった為、一行の全員分の部屋が空いている宿はすぐに見つかった。これ以上大きな騒ぎにならない様に宿を一晩貸しきり状態にするとメイド達と協力して奈央達を巨大ムカデから降ろして部屋に運び込む。

ルナ達とこれからについて軽く話していると、王道と華憐がようやく帰ってきた。

「こら華憐、離れろ!」

「いいじゃない、たまにはこうしてもバチは当たらないわよ」

「俺の平常心の脅かさないでくれ!?」

見ると、華憐が王道と腕を組もうとしていた。更に注意深く見るとドサクサ紛れに自分の胸に王道の肘が当たる様に仕向けている。薫は反射的に席を立つと、2人の間に割って入った。

「華憐さん、王道さんが嫌がっているからお止めなさい。それから王道さん、嫌なら嫌ではっきりと態度で示すべきです。曖昧な態度をするから、華憐さんが変に期待するのですわ」

華憐はキョトンとした顔で薫をしばらく見つめた、そして何かに思い当たると小悪魔な笑みを浮かべて薫を挑発し始める。

「あら~薫ったら、あなたもとうとう王道の虜になっちゃったの?2人の仲の良さに嫉妬しちゃうなんて、随分と可愛らしい所も有ったのね?」

薫は華憐に指摘されて、ようやく自分が2人に嫉妬していた事に気付かされた。

「嫉妬だなんて、そんな!?」

「言い訳しなくても平気だって、それにしても私達6人全員を虜にしちゃうなんて王道も罪な男よね」

「わ、私はそんな軽い女ではありません!?」

薫は耳まで赤くしながら、部屋に戻ってしまった。王道はそれを見て、華憐の頭に軽くゲンコツを落とした。

ゴツッ!

「痛っ!?王道、酷い!私、何も悪い事してないじゃない!?」

「お前な・・・ここ最近見ていて思ったんだが、薫の奴は少し思い込みが強いんじゃないのか?」

「そう言われてみると確かにそうかも」

「そんな奴に嫉妬しているとか言えば、思い込みから本当に恋心に変わってしまうかもしれないだろうが!?」

「でも、そうなった方が王道には嬉しい展開じゃないの?」

王道は真面目な顔に戻ると、近くに居るルナ達にも聞こえる様に話し始めた。

「いいか?俺は前にも言ったが、俺自身が吊り橋効果で華憐達の事を好きになっているのかもしれない。お前らも同じ事が言えるかもしれない、だから俺自身が自信を持って本気で好きになったと思えた時はその女性に告白するつもりだと」

「多少、違う部分もあるけど大体そうだったわね。でもそれで、薫が好きになっちゃ困る理由になるの?」

「次々と可愛い女の子や美人の女性達から好意を示されれば、嬉しいに決まっているだろ。だけど、こんなに大勢から好意を向けられてしまうとライアの言う通りにハーレムが簡単に築けそうに感じてしまう。それじゃあ、1人を選ぶ事は絶対に無理だ」

「王道は私達の中から誰か1人だけを選びたい訳?」

「俺は全員と平等に接する事が出来る様な人間じゃないし、ハーレムの主に納まる様な器でも無い。それに今はルナの父親だっていうイーヴィルの動向も心配だ。落ち着くまでは薫を煽る真似は絶対にしないでくれ」

王道は連れ去られたノアの手によって、イーヴィルが良い男指南を受けている事など知る由も無かった。

「分かったわよ」

華憐は唇を尖らせて不服そうな顔をする、薫に関してはしばらく様子を見る事となった。その頃、自室に戻った薫は深呼吸して心を落ち着かせると今の自分の気持ちを再度整理し始める。

(先程の華憐さんの指摘に反論する事が出来なかった、それは図星だったから。私は王道さんが華憐さんと親しくしているのを見て嫉妬したのよ。ケダモノ呼ばわりしていても結局の所、私も王道さんの事を嫌いになるどころか寧ろ逆に好きになってしまったのね。でも、今までケダモノと呼んだりしていた私を王道さんはきっと好きにはなってくれない。なら、どうすれば傍にずっと居る事が出来る?・・・そうよ、この世界でライアが王道さんの為の楽園を作ろうとしているじゃない!私もその楽園の一員に加えてもらえば良いのだわ。こうなれば、王道さんのイーヴィルに対する不安を煽って磐咲(いわさき)へ向かわせ、そこでライアの味方に加わりましょう)

薫は王道の言っていた通り、思い込みが少々強かった。その為、自分を選んでもらえないと勝手に思い悩んだあげくライアの楽園建国に参加する事を決めてしまう。




一方、ようやく目覚めて休んでいたサクラの部屋の扉をノックする者が居た。

「どうぞ」

『失礼します、少しだけあなたとお話したい事が有るのですがよろしいですか?』

「はい、構いませんが?」

部屋の中に入ると、アクアは扉の鍵を掛け中の会話が外に漏れない様に結界を張る。そして何気無い会話を装いながらサクラに1つの魔法を掛けた、それは2日に1度夢の中に王道が出てくるというだけの物であったがサクラがそれを王道に心を奪われ始めた証拠と勘違いするまで時間はそんなに必要としなかった。



今回は短めです。
しおりを挟む
感想 52

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

魔境育ちの全能冒険者は異世界で好き勝手生きる‼︎ 追い出したクセに戻ってこいだと?そんなの知るか‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
15歳になり成人を迎えたリュカは、念願の冒険者ギルドに登録して冒険者になった。 そこで、そこそこ名の知れた冒険者Dランクのチームの【烈火の羽ばたき】に誘われる。 そこでの生活は主に雑用ばかりで、冒険に行く時でも荷物持ちと管理しかさせて貰えなかった。 それに雑用だけならと給料も安く、何度申請しても値段が上がる事はなかった。 ある時、お前より役に立つ奴が加入すると言われて、チームを追い出される事になった。 散々こき使われたにも関わらず、退職金さえ貰えなかった。 そしてリュカは、ギルドの依頼をこなして行き… 【烈火の羽ばたき】より早くランクを上げる事になるのだが…? このリュカという少年は、チームで戦わせてもらえなかったけど… 魔女の祖母から魔法を習っていて、全属性の魔法が使え… 剣聖の祖父から剣術を習い、同時に鍛治を学んで武具が作れ… 研究者の父親から錬金術を学び、薬学や回復薬など自作出来て… 元料理人の母親から、全ての料理のレシピを叩き込まれ… 更に、母方の祖父がトレジャーハンターでダンジョンの知識を習い… 母方の祖母が魔道具製作者で魔道具製作を伝授された。 努力の先に掴んだチート能力… リュカは自らのに能力を駆使して冒険に旅立つ! リュカの活躍を乞うご期待! HOTランキングで1位になりました! 更に【ファンタジー・SF】でも1位です! 皆様の応援のお陰です! 本当にありがとうございます! HOTランキングに入った作品は幾つか有りましたが、いつも2桁で1桁は今回初です。 しかも…1位になれるなんて…夢じゃ無いかな?…と信じられない気持ちでいっぱいです。

召喚失敗から始まる異世界生活

思惟岳
ファンタジー
庭付き一戸建て住宅ごと召喚されたせいで、召喚に失敗。いったん、天界に転送されたジュンは、これからどうしたいかと神に問われた。 「なろう」さまにも、以前、投稿させていただいたお話です。 ペンネームもタイトルも違うし、かなり書き直したので、別のお話のようなものですけれど。

異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』 見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装… 俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。 突然の事で戸惑うクラスメート達… だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。 「またか…」 王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。 そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。 そして俺はというと…? 『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』 「それよりも不知火君は何を得たんだ?」 イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。 俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。 その場にいた者達は、俺の加護を見ると… 「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。 『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』 王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。 まぁ、その方が気楽で良い。 そして正義は、リーダーとして皆に言った。 「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」 正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。 「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」 「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」 「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」 「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」 「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」 「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」 「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」 俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。 「その…鎧と剣は?」 「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」 「今迄って…今回が2回目では無いのか?」 「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」 俺はうんざりしながら答えた。 そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。 いずれの世界も救って来た。 そして今度の世界は…? 6月22日 HOTランキングで6位になりました! 6月23日 HOTランキングで4位になりました! 昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°. 6月24日 HOTランキングで2位になりました! 皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

クラスまるごと異世界転移

八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。 ソレは突然訪れた。 『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』 そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。 …そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。 どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。 …大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても… そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。

処理中です...