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第33話 愚かな女神の辿る先

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翌日、俺達はデウスに数回に分けてロベルトの家の近くに転移させて貰った。今回俺に随行して貰ったのはデウス・ロベルト・セレス・ターニャ・サーラ・マリア・美沙・リィナそしてラケシスの全員だ。本当はこれ以上の数の人間がフローディアの所為で人生を変えられてしまった、もしくは既にこの世から居ない。それだけの事を仕出かして尚生き延びようとする女神がどんな最期を迎えるのかこの場に居る者で見ておくべきだと判断した。

ロベルトの家の近くまで行くと、大勢の男達が家の前で並んでいる。予想していた事とはいえここまで、見苦しい真似をしている女神の行いに吐き気すら感じてしまう。

「おい、これはどうなっているんだ!? ここの家主に連れられてきたんだが、誰か勝手に人を連れ込んでいるのか?」

『おい、抜け駆けはやめろ! 折角、すげぇ綺麗な女が自分から股開いて男を誘っているんだ。 ようやく順番が回ってくるのに、横入りは行儀が悪いぜ』

俺は無言でガングニールを取り出すと男を突き刺して殺す、目の前で突如人が殺される光景を目撃し周囲の男共は腰を抜かし失禁する者すら居た。

「消えろ、俺はこの中に居る女を殺す為に来た。 邪魔をする奴は誰であろうと殺す。 死にたくなければここから今すぐ消えろ。 後ろには元魔王や主神も居る、1国の軍隊如きじゃ相手にもならんから、兵士を呼ぶのも止めておけ。 死人が増えるだけだ」

『ヒィイイイイイイイ!?』

順番待ちをしていた、男達は一斉に逃げ出した。 家の中に入ると、そこは男の体液の臭いと牝の臭いで充満していた。 ロベルトの寝室に向かい歩くと至る所で、赤子が産まれたままの状態で放置されていた。

「これは!?」

「どうやら、フローディアは以前私が言った様に精を注がれる度に子を産んでいる様ですね。私ほどの力を持ち合わせていないから、1度に1人ずつしか産めていない様ですが見ていて見苦しいにも程がありますね」

「ああ、そうだな」

俺は双神殺を取り出すと、おもむろに1人の赤子を刺してみる。 すると、血飛沫と共に剣は赤子の心臓まで達し即死した。俺は返り血も気にせずに、放置されている赤子を突き刺しながら寝室を目指す。家の中で放置されていた赤子も全て処理して、寝室の中を覗くとフローディアは1人の男に抱かれている最中だった。

『早く! 早く私の中に出して下さい!? もっと子を産まないとならないのです!?』

「はあ! はあ! もうすぐ出るから待っていろ!? そうしたら、すぐに次の男と変わってやるから」

『もっと・・もっと私の中に出して! たくさんの子を孕ませて!?』

「もう、お前は子を産む事は無えよ」

『え!?』

フローディアが背後からの声に気が付くと、次の瞬間今抱かれている男の胸から槍の先が現れ女神の全身に血飛沫が降り注ぐ。そして、ベッドから倒れこむ男のモノから精が吐き出されるがフローディアの中に注がれる事は無かった。

『え・・・え!? 何で、どうして・・・ここに!?』

「ロベルトがな、俺の所を尋ねてきてな。 お前がここに居る事を教えてくれた。 お前がリィナや長谷川達を見捨てた様にお前も元勇者に見捨てられたんだよ」

『いや、私はまだ死ぬ訳にいかない!?』

フローディアは全裸のまま、壁を通り抜け逃げようとするが結界に阻まれて逃げる事が出来なかった。

『きゃああ! 何で、どうして逃げる事が出来ないの!?』

「あなたの力で私の力の及ぶ範囲から逃げられると思っているのですか?」

フローディアが寝室の入り口に目をやると、ロベルトやターニャ達に続いてデウスもその姿を現した。

『デ、デウス様。 私はあなたに逆らってはおりません、何卒お許し下さい。 そして、命だけでもお助け下さい!?』

「あなたにそれを言えるだけの資格がまだ在るとでもお考えですか? 自惚れるのもいい加減になさい、あなたを裁くのはわたしではなくこちらに居るミツクニ様ですよ。 そして死ぬ前に教えて差し上げますが、わたしはもう身も心もミツクニ様に捧げましたよ」

そう言いながらデウスが右手の人差し指でフローディアを指差すと、フローディアは両手を見えない何かで縛り上げられた様に天井から吊るされる格好になった。

「デウス、お前の名を地に落としてしまうかもしれないが1つ頼みが有る。この国で1週間以内に産まれた全ての赤子を殺せ。俺達がここに来るまでに誰かが連れ帰ったり孤児院に置いてきたりした奴が居るかもしれん。そうなると、こいつが助かる可能性が出来ちまうからな」

「分かりました、今すぐ行いましょう。 ところで、この寝室内で転がっている赤子達はどうしますか?」

「ああ、それは今から俺がこいつの目の前で殺していく。自分の助かる可能性が消えていくところを見せないといけないからな」

『やめて・・・お願い。 わたしの子を殺さないで・・・』

フローディアの懇願を無視して、無言で赤子を双神殺で突き殺していく。 フローディアは生き残る術が消えていくのを目の当たりにして泣き叫ぶ。

「おい、リィナこっちに来てフローディアにお前の腹を見せてやれ」

リィナは涙で顔を濡らしているフローディアから少し離れた場所に立つと、膨らみ始めたお腹を見せる。

「私のお腹の中には、ミツクニ様と私の子が宿っています。 けれど、その魂はあなたが見捨てた勇者長谷川様でデウス様が現世に留め置いてくださりまもなく生まれ変わります」

『そ、そんな事は有ってはならない事・・・デウス様は禁忌を破ったというのですか!?』

「その禁忌以上に、あなたは数多くの人の人生を弄びました。 邪神ヴェルドの介入が原因だったとはいえ、その報告さえせず自分勝手な行いで多くの不幸を招いたあなたはその責任を取りなさい」

『いや・・・デウス様、助けて下さい。 お願い・・・助けて』

「デウス、こいつをな頭を下にした逆の大の字に拘束してくれないか? それから、ターニャ達はすまないがこの家から外に出ていてくれ。 これから行うのは、逆さ磔の双神殺による鋸引きだ。 まともな方法でこいつを殺すつもりは無い、織田信長に倣う訳じゃないが気を失ったまま死ぬなんて認めない。 残酷な処刑をお前達に見せたくないから、頼むわ」

「「「「「いいえ、私達は最期まで見ています」」」」」

ターニャやサーラ達5人は、この場に残る事を自らの意思で選んだ。

「私達も、この女神に人生を弄ばれた被害者の1人です。その最期がどんなに残虐で残酷であったとしても見ています。そして、あなたがその悪夢に悩まされる時も傍で一緒に寄り添っていきますので」

5人の意思は固かった、俺の傍にずっと居る為に俺がどんな殺し方をするのか見ようとしてくれている。なら俺の最後の復讐がどのような形で遂げられるのか、見せてやる!

その後、ロベルトの家から周囲に響き渡る絶叫が轟いた。俺はまずフローディアの膣口から双神殺を突き刺すとそのまま剣を手前に引いてフローディアの腹を切り裂く。そして、その後はフローディアの股の付け根から水平に剣を添えるとノコギリを引く様に少しずつ下に向け身体を2つに裂いていく。フローディアは何度気を失おうとも、血が頭に行く為に痛みで意識が戻り死ぬ事を許されない。ようやく心臓に刃が達した時に死ぬ事を許されたが、フローディアの口や鼻からは血が垂れ流しになり白目をむいていて気味が悪いからヴェルドの時と同じ様に細かく切り刻むとデウスに頼み灰にして貰う。

俺の全ての復讐はこうして終わったが、これから先なにをやっていけば良いのだろう? 復讐を果たした先に残っていた物は、空っぽになっている自分の心だった・・・。
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