巻き添えで召喚された会社員は貰ったスキルで勇者と神に復讐する為に、魔族の中で鍛冶屋として生活すると決めました。

いけお

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番外編

最終話から更に1年ほどが過ぎて・・・

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「デウス、準備は出来たか?」

「はい、ミツクニ様。あなた様とわたくしの子供達総勢3億と6人全員武装を終えております」

「それにしても・・・お前よく全員の見分けがつくな?俺はいまだに間違えるぞ」

「あら、もう1度覚え直しますか?」

「しなくていいわ!3億人分の顔と名前を脳に焼き付けられてあの時は死ぬかと思ったんだぞ!!」

「あなた!ようやく子供達が寝始めた時にそんな大きな声を出してしまったら、また起きてしまうじゃないですか。そろそろお父さんとしての自覚を持ってくださいね」

振り返るとそこには頬を膨らましながら怒っているサーラの姿が在った。

「悪かったよ、デウスの奴がまた俺の脳に直接子供達の顔と名前を焼き付けようか聞いてくるから思わず大声を出してしまったんだよ」

「もう!デウスも悪ふざけが過ぎます、妻達の中でミツクニ様を守れるのはデウスの他にはターニャとセレスしか居ませんから、少しの気の緩みが愛する人を失う結果になってしまいますよ。今日はミツクニ様にとっても私達にとっても大事な日となるのですから・・・」

「すみませんでしたサーラ、わたくしも少々遊びすぎました。そうですね愛する夫を守るのも妻の役目、ターニャとセレスの3人で力を合わせ神界の何者もミツクニ様には指1本触れさせはしません」

そう、今日はいよいよ地上から神界へ俺達の方から攻め入る日なのだ。あの日から1年間かけてデウスは本当に子を3億人産んだ、だが俺には全ての子に名を与えられるだけの時間も余裕も有る訳が無い。デウスに全員の名前をを付けておく様に伝えたのだが、俺のそんな考えは既にお見通しだったらしく3億人産み終えると同時に俺の脳に直接3億人分の名前と顔を焼き付けてきやがった。本当に3日3晩転げ回るほどの激痛に襲われながらも何とか回復したが、神の言葉で名付けられた3億人の子の名前を俺の口から発音する事が出来ず無意味な物を覚えさせられてしまった。

1年前のあの日、歴代魔王100人によって不意打ちを受けた神界は当初大混乱に陥った。しかし地上に行った軍勢が全滅した事を知ると残った者達で防衛拠点を作り抵抗してきた。一進一退の攻防の末に橋頭堡とも呼べる地点の確保に成功した魔王達は交代で防衛してくれていた。そんな中で魔王達の中でも恋人同士となり子を授かる者も出始めた為、歴代魔王やサーラ達の意見をまとめた結果神界を完全に併呑する結論に至った。

デウスの力によって急成長した息子や娘達は、神の血を引いている所為もあってか遠くから見ても神々しさに満ちている。先発隊として旅立つ俺の鍛え上げた武器と防具に身を固めた子供達の前にデウスが現れると子達は一斉に跪いた。

「我が息子、我が娘達よ。今日これより我々は神界を完全に支配する為の戦いの場へ赴く、この場に居る者の中には帰れない者も居るかもしれない。だが仮に死したとしても我が夫、皆の父の為の礎となれる。死を恐れる事無くミツクニ様の為に働くのだ!」

「待て、デウス。そんな命令をしろなんて言ってねえぞ」

「ですがミツクニ様、この者達はミツクニ様の為に産まれてきたのですから」

「デウス黙れ、こいつらは俺の為に産まれてきた訳でも死ぬ訳でもねえ。逆にお前はこいつら全てを守る気持ちを持てや、母親だろうが」

「あ・・・・・はい」

「あ~なんと言ってやるべきか上手く思い浮かばないが、俺からお前達に言いたいのはこれだけだ」

『生きろ、絶対に死ぬな』

「どんなにカッコ悪くても構わないから全員生き残れ、生きている限り何度でもチャレンジ出来るが死んだらお終いだ。デウスから大量生産みたいに産まれてきてしまったが、それでもお前達全員が俺の子だ。しっかり生きて帰って将来俺みたいな子沢山の家庭を作るんだ。俺に孫の顔を見せるまで死ぬのは許さないから親不孝な事するんじゃねえぞ、分かったな!!」

「はい!!!!行ってきます、父さん!!」

地上を揺るがすほどの返事と共に子達が一斉に神界に向け飛び立っていく。3億人の子達が全て旅立つまでにはまだ相当の日数が必要になるだろう。

「パパ!こんな所に居た、サーラママやマリアママに聞いてもちっとも場所教えてくれないんだもの。あちこち探しちゃったわよ」

可愛らしい声がするので振り返るとそこにはラケシスとその後ろから汗をかきながら追いかけてくるヨシムネの姿があった。

「ヨシムネ!パパとリィナママを取り合ったっていう元気はどこに行ったの!?そんな調子じゃ好きな娘を手に入れられませんわよ!」

「ラケシス姉さんが元気過ぎるだけなんだよ!それに・・・自分とはスケールが違いすぎたんだ。遅かれ早かれリィナは取られていたさ」

「そんな弱気でどうするんですか!?まったくあなたは私がずっと近くで守って差し上げなくてはならなそうですわね」

「急に何を言い出すんだ姉さん?」

「私は元魔王ターニャの娘、あなた1人位一生守れるだけの力は持っておりますわ」

「結局、何が言いたいんだ!?」

「だから!私があなたの奥さんになってあげますって言っておりますのよ!!」

「「な!?」」

「お、おいラケシス。お前とヨシムネは母親は違うが姉弟なんだぞ」

「あら、パパ。聞いていませんでしたの?形式上は確かに私とヨシムネは異母姉弟かもしれませんが遺伝子上では赤の他人ですのよ」

「おいおい、どういう事だそれは?」

「あら、言っておりませんでしたっけ?」

いつの間にかデウスが俺の横に立ち腕を組んできた。

「ああ、ヨシムネが遺伝子上では赤の他人とはどういう事だ。説明しろ」

「自分も教えてくれ!姉さんとは実の姉弟じゃないのか!?」

「あなたを転生させる際に記憶だけでなく、遺伝子上でも生前の【長谷川 吉宗】として構成させました。形式上では異母姉弟の関係ですが結婚して子を作っても何の問題もありませんよ」

「「な!?」」

「ほら分かった?ターニャママやリィナママにも許可は貰っているから、今日から私達は許婚ですからね!」

「そ、そんな・・・。お、おい光圀助けてくれ・・・」

「俺も娘をお前になんてやりたくはないが、俺の知らない所で外堀を埋められてる気がするぞ」

「「「「「「女達だっていつまでもあなた達に負けてはおりませんわよ!」」」」」」

俺とヨシムネが振り返ると、そこにはサーラ・マリア・美沙・ターニャ・リィナ・セレスが立っていた。

「リィナがデウスにこっそりお願いしておいたのよ、吉宗をそのまま転生して欲しいって」

「そしてラケシスがその気になったら結婚させて皆で本当の家族になりましょうって決めていましたの」

女達のこんな形の反撃を考えていなかった俺達はまな板の鯉と化した。その傍では神界に向け続々と飛び立つデウスと俺の子供達の姿があった・・・。
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感想 33

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みんなの感想(33件)

暁翡翠
2019.01.22 暁翡翠

一気に読みましたw
とても面白かったです!
これからも頑張って下さい!

2019.01.22 いけお

ありがとうございます。

結構無理やり終わらせてしまった感じもして、反省点も残りましたがその後の作品に活かせている部分も多く有ります。

まだ半人前以下かもしれませんが、今後とも宜しくお願い致します。

解除
ハゲタカ
2018.02.16 ハゲタカ

良かったです♪

解除
テンペスト
2017.04.04 テンペスト

完結お疲れ様です
作品の終わり方がよくて満足です
内容良かったのに最後がしょぼいと
萎えるんでww

他の作品も読んでるし応援してます。
ガンバレ~!

解除

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