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最終話 光圀という男はこんな奴だった
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「これは、どういう事ですか!?」
デウスは空を覆う神軍に対し、声を発する。
『これは、デウス様お元気そうで何よりです。下界に降りられたあなたに代わり、誰が新しい主神になるかの話し合いをする中で先に1つの事が問題になりました。それはあなたがまた神界に戻り主神に返り咲かれると困るという至極当然の問題でした、なので我々が出した結論はあなたにはここでこの世界から消えて頂こうという物に決まりました』
『そして、消えて頂くのはあなただけではありません。勇者と魔王の存在を必要としない世界に変え、人族と魔族の共存までする様にしてしまった異世界から来られた異物の様な方々にも、この際この世界の舞台から退場してもらう事になったのです』
「ほ~それは、穏やかな話じゃないな。俺達がそんな話に簡単に従うとでも思っているのか?」
俺が店の入り口から表に出て、頭上に居る神の1人に声を掛けるとそいつは俺を見ながら嘲笑うかの様に告げてくる。
『従わなくて結構です、この神軍のほぼ全軍を相手に勝ち目など無いのですから大人しく死になさい』
神は手を上げると従っている天使達が一斉に弓をや魔法の準備を始めようとしている、俺達は手出しさえ出来ずに殺されると思っているようだ・・・が俺はその神を見ながら蔑む様な笑みを浮かべてこう言ってやる。
「悪ぃな、お前らきっとこう出てくると思ったから先に対処方法考えていたんだわ」
『何!?』
その直後に、地表から無数の光線が一斉に放たれ空を覆う神軍の者達に襲い掛かる。しかも、光の1本1本が数百、数千、それどころか数万近い天使や神を貫くとまた元に場所に戻り、また放たれる。
『な、何が起きているんだ!?』
「おいおい、俺達が無抵抗で殺されるとでも本気で思っていたのか!? それに数で押し切れると安心しきって地上の偵察にも来なかった様だが、魔族領に住む住人全てにガングニールを持たせてある。ついでに言っておくが一応別働隊で歴代の魔王100人をダンジョンから解放させて、お前達が来るのに合わせて神界を襲わせている最中だぞ」
『ちょっと待て、何故我々の企みを事前に察知出来たんだ!? デウスにさえ気付かせ無かったのに』
「あ~俺もお前達の側だったら同じ様な事をしていたからな。ただし、抵抗されると分かっているのに攻めていこうなんて真似はしない。俺だったらデウスから神界に戻る力を奪った上で、神界から直接攻撃する方法でも考えてから倒すけどな」
『そんな・・・!?』
「それと、神界に引き返しても良いが次は俺達の番だから覚悟しておくんだぞ」
『どういう意味だ!?』
「お前達、まだ目の前に居るデウスが実体で姿を晒しているとでも思っているのか!? 本当に馬鹿な連中だ、確かにデウスが主神の方が遥かにマシだ。 今デウスは俺の子供を出産中だ、1秒に100人ずつな」
『はあ!?』
「こっちの世界にゃ、俺だってそんなに思い入れが有る訳が無い。 復讐する相手も居ないし、後やれる事は神界を俺の物にする事くらいだろうが!? だから、デウスは神界に単独で行ける神の血を引く子供を大量生産中だ」
『き、貴様は人間の分際で神の世界まで手に入れるつもりなのか!?』
「文句は俺を巻き添えで召喚しちまったフローディアと俺にこんな力を与えちまった邪神ヴェルドを恨むんだな、あいつらも既に死んでいるからあの世で会えたならたっぷりとお説教をしてやれ」
『デウスなどよりも、貴様の方を危険視するべきだった! こんな神をも恐れぬ奴がこの世に居たなんて!?』
「もういい加減話疲れたろう? 楽にしてやるから、とっとと死ね」
俺はガングニールを無造作に投げると、さっきまで話をしていた神を貫き更に視線の先に居た連中まで次々と貫いていく。
「領内の連中に奴等の姿が完全に消えるまで、ガングニールを投げ続ける様に伝えろ! そして、人族の領内にも同じ数のガングニールを送りこう言ってやれ! 今日をもって地上は神からの干渉や侵攻を一切受け付けない本当に自由な世界に生まれ変わったとな!!」
外でガングニールを投げている連中に、そう告げると店の中に戻る。 店の中ではサーラ達も一応ガングニールを持って待機させておいた。
「今日、襲ってきた神の連中は大体殲滅出来るだろう。 デウスが生まれた子供達を急成長させれば、次は神界に引越しだ。 悪ぃが地上とも当分お別れになる、済まないがみんな俺に付いてきてくれ」
「はい!」
皆、一斉に返事をしてくれる。神界がどんな場所かはよく知らないが、まだまだ俺が楽しめる物がきっと有るだろう。そんな考えをしている俺を、デウスの余計な一言がより深刻な問題を思い出させてくれた。
「ミツクニ様、早く生まれた子供達に名前を付けて頂きませんと1分で6000人今も産まれておりますよ?」
「あ・・・・!?」
「頑張って1年で3億人分の名前を考えてくださいね、てへっ♪」
「1年以内に3億人は無理に決まっているだろ! しばらくは名無しの権兵衛で我慢させておけ!?」
どうやら、俺は死ぬまで子供の名前に悩み続ける事になりそうだ。だが、こんな人生も面白い。どうせ元の世界に戻れないなら俺の好き勝手に生きてやる!次の神界でどんな事をしてやろうか考えながら、外で殺されている神軍の連中を気にする事も無く、俺はサーラ達を連れて店の奥に消えるのだった。 【完】
小説を書き始めてからまだ2ヶ月しか経っていない自分のこの作品を最後まで読んで戴きまして真に有難う御座いました。主人公の性格が後半丸くなってしまったと反省している部分も有ります。この作品で反省した点を踏まえて、今書いている他の作品でも少しずつ活かしていこうと思います。
最後に小説を書くのは楽しいです。 自分が書き始めたきっかけと同じ様に、見ている中の誰か1人でも自分も試しに書いてみようと思えて戴けるなら幸いです。
デウスは空を覆う神軍に対し、声を発する。
『これは、デウス様お元気そうで何よりです。下界に降りられたあなたに代わり、誰が新しい主神になるかの話し合いをする中で先に1つの事が問題になりました。それはあなたがまた神界に戻り主神に返り咲かれると困るという至極当然の問題でした、なので我々が出した結論はあなたにはここでこの世界から消えて頂こうという物に決まりました』
『そして、消えて頂くのはあなただけではありません。勇者と魔王の存在を必要としない世界に変え、人族と魔族の共存までする様にしてしまった異世界から来られた異物の様な方々にも、この際この世界の舞台から退場してもらう事になったのです』
「ほ~それは、穏やかな話じゃないな。俺達がそんな話に簡単に従うとでも思っているのか?」
俺が店の入り口から表に出て、頭上に居る神の1人に声を掛けるとそいつは俺を見ながら嘲笑うかの様に告げてくる。
『従わなくて結構です、この神軍のほぼ全軍を相手に勝ち目など無いのですから大人しく死になさい』
神は手を上げると従っている天使達が一斉に弓をや魔法の準備を始めようとしている、俺達は手出しさえ出来ずに殺されると思っているようだ・・・が俺はその神を見ながら蔑む様な笑みを浮かべてこう言ってやる。
「悪ぃな、お前らきっとこう出てくると思ったから先に対処方法考えていたんだわ」
『何!?』
その直後に、地表から無数の光線が一斉に放たれ空を覆う神軍の者達に襲い掛かる。しかも、光の1本1本が数百、数千、それどころか数万近い天使や神を貫くとまた元に場所に戻り、また放たれる。
『な、何が起きているんだ!?』
「おいおい、俺達が無抵抗で殺されるとでも本気で思っていたのか!? それに数で押し切れると安心しきって地上の偵察にも来なかった様だが、魔族領に住む住人全てにガングニールを持たせてある。ついでに言っておくが一応別働隊で歴代の魔王100人をダンジョンから解放させて、お前達が来るのに合わせて神界を襲わせている最中だぞ」
『ちょっと待て、何故我々の企みを事前に察知出来たんだ!? デウスにさえ気付かせ無かったのに』
「あ~俺もお前達の側だったら同じ様な事をしていたからな。ただし、抵抗されると分かっているのに攻めていこうなんて真似はしない。俺だったらデウスから神界に戻る力を奪った上で、神界から直接攻撃する方法でも考えてから倒すけどな」
『そんな・・・!?』
「それと、神界に引き返しても良いが次は俺達の番だから覚悟しておくんだぞ」
『どういう意味だ!?』
「お前達、まだ目の前に居るデウスが実体で姿を晒しているとでも思っているのか!? 本当に馬鹿な連中だ、確かにデウスが主神の方が遥かにマシだ。 今デウスは俺の子供を出産中だ、1秒に100人ずつな」
『はあ!?』
「こっちの世界にゃ、俺だってそんなに思い入れが有る訳が無い。 復讐する相手も居ないし、後やれる事は神界を俺の物にする事くらいだろうが!? だから、デウスは神界に単独で行ける神の血を引く子供を大量生産中だ」
『き、貴様は人間の分際で神の世界まで手に入れるつもりなのか!?』
「文句は俺を巻き添えで召喚しちまったフローディアと俺にこんな力を与えちまった邪神ヴェルドを恨むんだな、あいつらも既に死んでいるからあの世で会えたならたっぷりとお説教をしてやれ」
『デウスなどよりも、貴様の方を危険視するべきだった! こんな神をも恐れぬ奴がこの世に居たなんて!?』
「もういい加減話疲れたろう? 楽にしてやるから、とっとと死ね」
俺はガングニールを無造作に投げると、さっきまで話をしていた神を貫き更に視線の先に居た連中まで次々と貫いていく。
「領内の連中に奴等の姿が完全に消えるまで、ガングニールを投げ続ける様に伝えろ! そして、人族の領内にも同じ数のガングニールを送りこう言ってやれ! 今日をもって地上は神からの干渉や侵攻を一切受け付けない本当に自由な世界に生まれ変わったとな!!」
外でガングニールを投げている連中に、そう告げると店の中に戻る。 店の中ではサーラ達も一応ガングニールを持って待機させておいた。
「今日、襲ってきた神の連中は大体殲滅出来るだろう。 デウスが生まれた子供達を急成長させれば、次は神界に引越しだ。 悪ぃが地上とも当分お別れになる、済まないがみんな俺に付いてきてくれ」
「はい!」
皆、一斉に返事をしてくれる。神界がどんな場所かはよく知らないが、まだまだ俺が楽しめる物がきっと有るだろう。そんな考えをしている俺を、デウスの余計な一言がより深刻な問題を思い出させてくれた。
「ミツクニ様、早く生まれた子供達に名前を付けて頂きませんと1分で6000人今も産まれておりますよ?」
「あ・・・・!?」
「頑張って1年で3億人分の名前を考えてくださいね、てへっ♪」
「1年以内に3億人は無理に決まっているだろ! しばらくは名無しの権兵衛で我慢させておけ!?」
どうやら、俺は死ぬまで子供の名前に悩み続ける事になりそうだ。だが、こんな人生も面白い。どうせ元の世界に戻れないなら俺の好き勝手に生きてやる!次の神界でどんな事をしてやろうか考えながら、外で殺されている神軍の連中を気にする事も無く、俺はサーラ達を連れて店の奥に消えるのだった。 【完】
小説を書き始めてからまだ2ヶ月しか経っていない自分のこの作品を最後まで読んで戴きまして真に有難う御座いました。主人公の性格が後半丸くなってしまったと反省している部分も有ります。この作品で反省した点を踏まえて、今書いている他の作品でも少しずつ活かしていこうと思います。
最後に小説を書くのは楽しいです。 自分が書き始めたきっかけと同じ様に、見ている中の誰か1人でも自分も試しに書いてみようと思えて戴けるなら幸いです。
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