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主と従者の章
『学府』からの風
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侍達が到着して、一月が経った。
仕事を終えた『カトウ』を安全にヒノモトへ送り届ける為、『シマヅ』が連れ立ってトーリボルを立って数日後。
早朝、まだ陽も昇りきらぬ中、一羽のハイタカが城の前に降り立ち──人の姿を取る。
すらりとした優雅な出立ちは、魔術師のそれだ。
長い銀の髪は、動く邪魔にならない様に編み込まれて一つにまとめられている。
目立つのは、復旧に入ってから時折この街でも見かける様になった森の民・エルフ族よりも長くて大きい耳。
──外界とは滅多に接触しないと言われている、エンシェントエルフと呼ばれる存在である。
西の共和国の森の奥深くに居るとされるが、目撃数も少なく定かでは無い、そんな存在だ。
「ここか」
折からの風に服をはためかせ、何かを探る様子で数秒、立ち尽くし
「間に合ったな」
勝手知ったるなんとやらな風に、城内へと足を踏み込む。
人間の感覚では、早朝の来訪も声も掛けないのも失礼に値するのは理解しての事だが、それよりも早く、ここにいる者に、伝えねばならない事がどうしてもある。
「──どちら様で」
そう。
一歩足を踏み入れた途端、首筋に鋒を突きつけられようとも。
「『学府』から来た」
しかし意にも介さず、エンシェントエルフは告げる。
「ここに一人、人間の魔術師が居るはずだ。
銀の髪、青い瞳、少しだけ人間の成人男性の身体としては痩せぎすやもしれない。
歳の頃は…というか、見かけは君よりも少し年嵩が上、といった所だ」
稀にも見かけない、天空の色の瞳で、エンシェントエルフは赤毛の侍と向き合った。
──ああ、このこも、こわれているのか。
「そうか、だいぶ時も経つ。
拾い子の一人や二人、居てもおかしくはないな」
瞬間、走る更なる緊張に、すまない、この目を持つのでどうしても見えてしまうのだ、と、エンシェントエルフはすっ、と一歩下がった。
「私が会いたい相手は「エルダナス」と言う。
もしかしたら違う名を名乗っているかもしれない。
私はここから動かないので、もしも先に告げた特徴の者が居るなら良ければ呼んできて貰えないだろうか?」
「その必要はありません」
階段の上から声が降りて来た。
「師父?」
「『ミフネ』、剣を降ろしていい。その方は私の──いや、説明するのも時間が惜しい。
その方を上へ案内して貰えないか?」
「お前ね、師との再会に降りて来ないなど──いや、なんとなく状況は理解した。出向こう。」
「…師?」
師父の言葉に刀を鞘に収めながら、少し首を傾げた赤毛の青年に
「うむ。話に付いて来れてないだろうが、アレは『学府』で私に師事していた。
元々聡すぎる子でね──きっと、私が来た事で、色んな意味でこちらに降りて来られない状況だと思うのだ。
それでも伝えなければならない事がある故、案内を頼めるかな?」
───
師父に言われた通り、『ミフネ』が早朝の来訪者を三階の執務室に連れて行くと、この短い時間にリヴォワールも起きて来ていた
「ほえぁ」
初めて見るエンシェントエルフに、とても正直に間の抜けた声が漏れる。
「…失礼。ここの領主のリヴォワールドだ。
貴方は?」
握手を交わし、席を勧める領主に
「『学府』より来た、そこで震えてる者の師でフェンディセーザ・スリスファーゼという。
皆フェンティスと呼んでいるので、それで」
応接の椅子には、小さくなって震えているエルドナスと、その後ろにフールが立っている。
「……あ、フェンティス殿、少し待って貰えるだろうか?今『替わる』」
いきなり意味不明な事を告げ、同席している『ミフネ』に「後でちゃんと説明させてくれ」と一言断ると、目の前の領主の雰囲気がガラリと変わった。
そして
「───」
聞いたことの無い言葉で、短く、領主がフェンティセーザに言葉を掛ける。
「───」
一瞬、驚いた顔をしたフェンティセーザだが、しかし微笑みながら短く何事かを返した。
「有難い。良ければ自分と後ろの赤毛の侍も同席してよろしいか?」
「是非に。信頼の置ける人目はどれだけあっても良いので」
そうして、座ったまま動けずにいるエルドナスに歩み寄る。
「…師、」
「よく、生きていてくれた」
ふわりと、包み込む様に抱き締める。
「苦労したな」
ぽんぽん、と、短くなった銀の髪を撫でてやると、少しだけ力が抜けた様に感じられた。
「きみも」
そして、今度は立ち上がると、後ろに立っていた壮年の男も、包み込む様に抱き締める。
「大変だったな」
天空の色の瞳の持ち主は、生まれながらにして「鑑識眼」を持つ、とされている。
劣性遺伝の色とされていて、この色を持って生まれてくる者に一生に一度、相見えられれば幸運と言われるほどだ。
しかしその目は、見なくていいものや見たくないものをも持ち主に見せてしまう──
「さて、エル」
エルドナスの前に座り直すと、淡々とフェンティセーザは告げた。
「言いたいこともやりたい事も山ほどあるが、それを差し置いてでも伝えねばならない良い知らせととても悪い知らせとある」
まず良い知らせは、と返事も聞かずに前置きして、フェンティセーザは懐から書類を取り出した。
「私の到着を以て、トーリボルの街とその下にある地下迷宮は全て『学府』傘下となった」
審査がとても厳しく、許可を得るのに平気で年単位が掛かるのはあまり知られていない事だが、詳しい探索や解析が必要な遺跡として『学府』傘下となった場合、どこの国も手出しができなくなる──そう、この土地を自国の領土とする王都ですらも、だ。
もしもそれを押して手出しをして来た場合、『学府』の呼びかけにより強制保全の動き──この場合は戦争となる。
この大陸には、『試練場』と同じ様に、移動移設不可の、古代遺跡扱いの地下迷宮が少なからずあり、安全と保全の為に『学府』から専門の学府員が派遣され、地下迷宮からの脅威を減らす役割を担っているのだ──なので、どの国も、『学府』の呼びかけを無視など出来ない。無視したらどうなるかが判っているからだ。
「どう、やって」
冒険者ギルドを通じて、各方面に救援依頼を出した時に、『学府』にまで届くであろう事は、エルドナス自身も予想はしていた。しかしいくらなんでも早すぎる──
「ん?いつも通り『ゴリ押した』だけだ」
優しい微笑みを崩さない師の答えに、無意識でエルドナスはフールの腕に縋り付いた。
師のゴリ押しは本当にえげつないのだ。
スピードと重さを乗せた力強い一撃で一点集中で貫くがごとく、誰も反論出来ない尤もな理由を添えて押してもぎ取る──もぎ取ってしまえばこちらのものだ、と言わんばかりに。そこからの処理も迅速すぎて取り消しも効かない。それでも言ってきた相手にはエンシェントエルフの美しい微笑みで魅了して黙らせる。
一度だけ妹君が絡んだ時の事などは思い出したくもない──あの時の相手は既に『学府』に籍はない。下手をしなくてもとっくに命もないかもしれない。
その反応を踏まえて、しかしフェンティセーザはさらに続ける。
「とても悪い知らせは、お前の生存と所在をアレンティーに知られた」
その一言に、ひゅっ、と音を立てて息を呑み、顔を真っ青にしてフールの腕をよじ登る勢いで縋り付く。
見たことのない魔術師の姿に、赤毛の侍は唖然とし、領主は笑いを隠そうともしなかった。
「いっ、いやです、いやです、なんであの方に知られてしまったんですか?!」
「照会を兼ねた知らせを受けた時は私一人だったんだがな…終わって後ろを振り向いた時には『居た』んだ」
さすがに私も驚いたぞ、とため息を吐く師に、エルドナスは既に泣きそうである。
「あの…『アレンティー』とは?」
「ああ、私の妹で、『学府』におけるエルの後見人だ」
恐る恐る尋ねて来た侍に、ここまで怯える理由は逢えば分かる、とだけ続けて額を押さえると
「その知らせを聞いてから準備もそこそこに、一番の早馬を奪取してお前の所に飛び出して行ったからな…そこから最速で『学府』傘下への許可を取って、それだけ持って『飛んで』きたのだ」
何気なく続けられるあり得ない内容に、笑いをなんとか収めた領主が
「…貴殿の妹君は、余程の烈女とお見受けした」
「烈女の範囲で済めばいいのですがね」
軽口の応酬で、やっと『ミフネ』も理解が追いついた。
そうして、さもありなんと言わんばかりの態度で、『学府』からの来訪者は弟子に突きつけた。
「さあ、エル。私も出来る限りの準備に付き合おう。
妹が着く前に、レポート代わりに実物を提供するのが一番効率的だと私は考えるのだがね?
──この下に『ワーダナットの地下宝物庫』があるのだろう?」
仕事を終えた『カトウ』を安全にヒノモトへ送り届ける為、『シマヅ』が連れ立ってトーリボルを立って数日後。
早朝、まだ陽も昇りきらぬ中、一羽のハイタカが城の前に降り立ち──人の姿を取る。
すらりとした優雅な出立ちは、魔術師のそれだ。
長い銀の髪は、動く邪魔にならない様に編み込まれて一つにまとめられている。
目立つのは、復旧に入ってから時折この街でも見かける様になった森の民・エルフ族よりも長くて大きい耳。
──外界とは滅多に接触しないと言われている、エンシェントエルフと呼ばれる存在である。
西の共和国の森の奥深くに居るとされるが、目撃数も少なく定かでは無い、そんな存在だ。
「ここか」
折からの風に服をはためかせ、何かを探る様子で数秒、立ち尽くし
「間に合ったな」
勝手知ったるなんとやらな風に、城内へと足を踏み込む。
人間の感覚では、早朝の来訪も声も掛けないのも失礼に値するのは理解しての事だが、それよりも早く、ここにいる者に、伝えねばならない事がどうしてもある。
「──どちら様で」
そう。
一歩足を踏み入れた途端、首筋に鋒を突きつけられようとも。
「『学府』から来た」
しかし意にも介さず、エンシェントエルフは告げる。
「ここに一人、人間の魔術師が居るはずだ。
銀の髪、青い瞳、少しだけ人間の成人男性の身体としては痩せぎすやもしれない。
歳の頃は…というか、見かけは君よりも少し年嵩が上、といった所だ」
稀にも見かけない、天空の色の瞳で、エンシェントエルフは赤毛の侍と向き合った。
──ああ、このこも、こわれているのか。
「そうか、だいぶ時も経つ。
拾い子の一人や二人、居てもおかしくはないな」
瞬間、走る更なる緊張に、すまない、この目を持つのでどうしても見えてしまうのだ、と、エンシェントエルフはすっ、と一歩下がった。
「私が会いたい相手は「エルダナス」と言う。
もしかしたら違う名を名乗っているかもしれない。
私はここから動かないので、もしも先に告げた特徴の者が居るなら良ければ呼んできて貰えないだろうか?」
「その必要はありません」
階段の上から声が降りて来た。
「師父?」
「『ミフネ』、剣を降ろしていい。その方は私の──いや、説明するのも時間が惜しい。
その方を上へ案内して貰えないか?」
「お前ね、師との再会に降りて来ないなど──いや、なんとなく状況は理解した。出向こう。」
「…師?」
師父の言葉に刀を鞘に収めながら、少し首を傾げた赤毛の青年に
「うむ。話に付いて来れてないだろうが、アレは『学府』で私に師事していた。
元々聡すぎる子でね──きっと、私が来た事で、色んな意味でこちらに降りて来られない状況だと思うのだ。
それでも伝えなければならない事がある故、案内を頼めるかな?」
───
師父に言われた通り、『ミフネ』が早朝の来訪者を三階の執務室に連れて行くと、この短い時間にリヴォワールも起きて来ていた
「ほえぁ」
初めて見るエンシェントエルフに、とても正直に間の抜けた声が漏れる。
「…失礼。ここの領主のリヴォワールドだ。
貴方は?」
握手を交わし、席を勧める領主に
「『学府』より来た、そこで震えてる者の師でフェンディセーザ・スリスファーゼという。
皆フェンティスと呼んでいるので、それで」
応接の椅子には、小さくなって震えているエルドナスと、その後ろにフールが立っている。
「……あ、フェンティス殿、少し待って貰えるだろうか?今『替わる』」
いきなり意味不明な事を告げ、同席している『ミフネ』に「後でちゃんと説明させてくれ」と一言断ると、目の前の領主の雰囲気がガラリと変わった。
そして
「───」
聞いたことの無い言葉で、短く、領主がフェンティセーザに言葉を掛ける。
「───」
一瞬、驚いた顔をしたフェンティセーザだが、しかし微笑みながら短く何事かを返した。
「有難い。良ければ自分と後ろの赤毛の侍も同席してよろしいか?」
「是非に。信頼の置ける人目はどれだけあっても良いので」
そうして、座ったまま動けずにいるエルドナスに歩み寄る。
「…師、」
「よく、生きていてくれた」
ふわりと、包み込む様に抱き締める。
「苦労したな」
ぽんぽん、と、短くなった銀の髪を撫でてやると、少しだけ力が抜けた様に感じられた。
「きみも」
そして、今度は立ち上がると、後ろに立っていた壮年の男も、包み込む様に抱き締める。
「大変だったな」
天空の色の瞳の持ち主は、生まれながらにして「鑑識眼」を持つ、とされている。
劣性遺伝の色とされていて、この色を持って生まれてくる者に一生に一度、相見えられれば幸運と言われるほどだ。
しかしその目は、見なくていいものや見たくないものをも持ち主に見せてしまう──
「さて、エル」
エルドナスの前に座り直すと、淡々とフェンティセーザは告げた。
「言いたいこともやりたい事も山ほどあるが、それを差し置いてでも伝えねばならない良い知らせととても悪い知らせとある」
まず良い知らせは、と返事も聞かずに前置きして、フェンティセーザは懐から書類を取り出した。
「私の到着を以て、トーリボルの街とその下にある地下迷宮は全て『学府』傘下となった」
審査がとても厳しく、許可を得るのに平気で年単位が掛かるのはあまり知られていない事だが、詳しい探索や解析が必要な遺跡として『学府』傘下となった場合、どこの国も手出しができなくなる──そう、この土地を自国の領土とする王都ですらも、だ。
もしもそれを押して手出しをして来た場合、『学府』の呼びかけにより強制保全の動き──この場合は戦争となる。
この大陸には、『試練場』と同じ様に、移動移設不可の、古代遺跡扱いの地下迷宮が少なからずあり、安全と保全の為に『学府』から専門の学府員が派遣され、地下迷宮からの脅威を減らす役割を担っているのだ──なので、どの国も、『学府』の呼びかけを無視など出来ない。無視したらどうなるかが判っているからだ。
「どう、やって」
冒険者ギルドを通じて、各方面に救援依頼を出した時に、『学府』にまで届くであろう事は、エルドナス自身も予想はしていた。しかしいくらなんでも早すぎる──
「ん?いつも通り『ゴリ押した』だけだ」
優しい微笑みを崩さない師の答えに、無意識でエルドナスはフールの腕に縋り付いた。
師のゴリ押しは本当にえげつないのだ。
スピードと重さを乗せた力強い一撃で一点集中で貫くがごとく、誰も反論出来ない尤もな理由を添えて押してもぎ取る──もぎ取ってしまえばこちらのものだ、と言わんばかりに。そこからの処理も迅速すぎて取り消しも効かない。それでも言ってきた相手にはエンシェントエルフの美しい微笑みで魅了して黙らせる。
一度だけ妹君が絡んだ時の事などは思い出したくもない──あの時の相手は既に『学府』に籍はない。下手をしなくてもとっくに命もないかもしれない。
その反応を踏まえて、しかしフェンティセーザはさらに続ける。
「とても悪い知らせは、お前の生存と所在をアレンティーに知られた」
その一言に、ひゅっ、と音を立てて息を呑み、顔を真っ青にしてフールの腕をよじ登る勢いで縋り付く。
見たことのない魔術師の姿に、赤毛の侍は唖然とし、領主は笑いを隠そうともしなかった。
「いっ、いやです、いやです、なんであの方に知られてしまったんですか?!」
「照会を兼ねた知らせを受けた時は私一人だったんだがな…終わって後ろを振り向いた時には『居た』んだ」
さすがに私も驚いたぞ、とため息を吐く師に、エルドナスは既に泣きそうである。
「あの…『アレンティー』とは?」
「ああ、私の妹で、『学府』におけるエルの後見人だ」
恐る恐る尋ねて来た侍に、ここまで怯える理由は逢えば分かる、とだけ続けて額を押さえると
「その知らせを聞いてから準備もそこそこに、一番の早馬を奪取してお前の所に飛び出して行ったからな…そこから最速で『学府』傘下への許可を取って、それだけ持って『飛んで』きたのだ」
何気なく続けられるあり得ない内容に、笑いをなんとか収めた領主が
「…貴殿の妹君は、余程の烈女とお見受けした」
「烈女の範囲で済めばいいのですがね」
軽口の応酬で、やっと『ミフネ』も理解が追いついた。
そうして、さもありなんと言わんばかりの態度で、『学府』からの来訪者は弟子に突きつけた。
「さあ、エル。私も出来る限りの準備に付き合おう。
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