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6話
しおりを挟む王宮にやって来た。
ローズはレイ達よりも遅れて国王が待つ部屋へと入った。
部屋の中にはすでに国王とレイとナタリーが待っていた。
国王は目を閉じて、口を閉していたがローズが来ると目を開き、着席を促した。
「座ってくれ」
「はい」
ローズは椅子へと座る。
「それで、何があったんだ?」
「ローズがナタリーを虐めていたのです!」
レイがすかさず国王に告げる。
全くの嘘を。
レイはローズに一言も発させないことで、押し通そうとしていた。
ナタリーは不安そうにレイを見ている。
「ほう」
国王はレイの話を聞く姿勢に入った。
ただ公平に話を聞こうとしているだけだったが、それをレイは自分の味方をしていると勘違いし、まくしたてる。
ローズは黙ってそれを見ていた。
「ローズはひどい仕打ちをナタリーにしていました。俺とナタリーの仲に嫉妬していたからです! これは到底許されることではありません」
レイはローズを指差す。
「今すぐにでも罰を下し、牢屋に閉じ込めるべきです!」
「そうか」
国王は無感情に相槌を打つ。
「どうですか、父上!」
「レイ。ローズがそのナタリーを虐めていたという話だが、ローズは先日まで留学していたはずだ」
勿論、国王もローズが留学していたことは知っているので、レイの嘘の矛盾点を指摘する。
「っ……!」
レイは焦る。
国王は自分の味方をしているので話を合わせてくれると思っていたからだ。
「留学していたのに虐める、なんて出来るわけがない」
「そ、それは、ローズは留学していたと見せかけ、書類を偽造して国内に留まっていたんです!」
そしてレイは国王にとんでもない事を言い始めた。
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