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14話
しおりを挟むナタリーが大声をあげる。
「わ、私が大罪人で処刑!?」
「そうだ。お前は王子であるレイを誑かし、王家と公爵家が争うように仕向けた。」
「違っ、それは──」
ナタリーは否定しようとする。
自分にそんなつもりは無かった、と。
「だが、実際にレイを誑かしたのだろう? さっき自分でそう言っていたではないか」
「っ……」
ナタリーは言い返せなかった。
確かにさっき自分はレイに金銭目的で近づいたことを自白した。
カッとなってしてしまった言動をナタリーは今更になって後悔し始める。
言質はしっかりと取られている。
「それにお前の行動の結果、王家と公爵家が対立し、内戦一歩手前まで至っているのは事実だ」
確かにそうだ。
レイを誑かし、ローズと婚約解消するように誘導したことでこんな事態になった。
「つまりお前は国家転覆を図った大罪人だ。これだけの事をしておいて、なぜ処刑されないと思っているんだ?」
「冤罪です! 私は本当にローズ様に冤罪を着せようなんて思っていなくて……! こんな事になるとは思っていませんでした」
ナタリーは本当にこんな事になるとは思っていなかった。
そのことを国王に泣きながら訴える。
「黙れ」
国王はナタリーの言葉を遮る。
「人を陥れようとしたお前が、今になって話を聞いてもらえると思っているのか?」
「そんな……」
「それに結果が全てだ。お前がした事はこの国にとって大損害とも言える結果をもたらした。その責任は、自分で払え」
取り付く島もない言い方に、ナタリーはもう国王の決定は覆らないことを悟り、絶望した。
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