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15話
しおりを挟む崩れ落ちたナタリーを尻目に、国王はローズに質問する。
「ローズ。さっきから私だけ話してしまって申し訳ない。処罰に関して何か言いたいことや要望があるなら教えてほしい」
「いえ、私が言いたいことは全て国王様が仰ってくれました。正直私が何を言っても響かなそうですので、国王様から言ってもらえて感謝しています。ただ……」
ローズには国王にまだ手伝ってほしい事があった。
「何かあるのか?」
国王はローズに質問する。
「レイ様の言葉では、私に冤罪を着せようとした協力者が複数人いるようです。それを探し出すのを協力してほしいと思います」
「分かった。元々王家の失態だ。協力は惜しまない。レイに拷問でも何でもして吐かせることにしよう」
「ご、拷問っ!?」
只ならぬ言葉にレイは大げさに驚く。
「そんな! 拷問なんてしてもいい──」
「黙れ。もう王子でなくなるお前がまともな扱いを受けられる訳がないだろう。拷問が嫌ならさっさと吐けばいい」
このままではまた騒ぎだしそうだったレイに国王は早めに釘を差す。
「私からの要望は以上です。これより詳細なことは父との話し合いで決めて頂きたいと思います」
「分かった」
国王は頷く。
そして暗い表情で俯くレイとナタリーに目を向けた。
「お前たちまだ居たのか。もう部屋から出ていけ。これ以上居られると邪魔だ」
国王はもう興味が無さそうにレイとナタリーを追い払った。
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