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幻想級迎撃
好きな人の前だけだからね!
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「そこになおれぇー!!」
「いや、もう、これ以上は……」
既に床で正座だし。
なんか床で正座に慣れてきているのが怖い。
どうってことなくね? って思ってしまう。
「貴様! 俺の娘になにをした!」
「いや、これに関しては確実に俺じゃないんですよ……」
謎の女性冒険者の心遣いによるものだからな。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
プリンセから遅れること数十秒、レインも走り込んできた。
もちろん、レインは普通の恰好だ。
「すみません……。僕じゃプリンセちゃんに追い付けなくて……」
「いや、このスピードでついてこれてるのは凄いと思うぞ」
俺ならもっと遅れてる。
いや、そうじゃなくて。
「レイン、どうしてこうなったよ」
「いえ、それが僕にもよくはわからなくてですね……」
「では、犯人に話を聞こうか」
「……?」
まだ俺たちが何の話をしているかわかっていないプリンセは小首をかしげる。
「プリンセ、なぜその恰好なんだ?」
「……サプライズ?」
「なんのだ……」
それにしてもだろ……。
「いいか、プリンセ」
「……ん」
「そういうのは気軽に人前でやっちゃダメだぞ」
「……なんで?」
「女の子は人前で簡単に肌をさらしちゃいけないんだよ」
「……じゃあ、いつならいいの?」
「え、そんなの聞いてくる?」
普通、いつでもよくないと思うんだけど……。
「敢えて言うなら、好きな人の前でだけ?」
「……ん、わかった。リブレさんの前だけにするね」
「そうなんだけど、そうじゃないんだよなぁ!」
プリンセは俺のツッコミににっこり笑い返して着替えるために去っていった。
爆弾発言だけしていったな。
ガッ!!
俺の頭が掴まれ、そのまま持ち上げられる。
やばいやばいやばいやばい!
首!
首がとれる!
抜ける!
「貴様ぁー……!」
「いや、今の点に関しては俺に落ち度はないって!」
助けて!
必死で虎族族長の腕にしがみついて首が抜けるのを防ぐ。
本当にまずい!
「キラ!」
「はいはい」
キラが俺を族長の腕から引き取ってくれる。
「ゲホッ!」
ただし、引き離す際にキラが掴んだのは俺の首裏のため結局絞まった。
助けてくれたのはありがたい。
キラは知らないかもしれないが、人は呼吸が出来ないとすぐ死ぬんだぞ!
「よくもうちの娘を……!」
怒り心頭といった様子の虎族族長。
周りなんかお構いなしにとりあえず俺を追ってくる。
「待ってくれよ! 話を聞いてくれって!」
「貴様なんぞの話に貸す耳はないわたわけが!」
「まぁ、待てって。おい」
「は」
カイルさんの指示で俺と虎族族長の間にライオン族族長と鷹族族長が割って入る。
「落ち着け。まだなにをされたわけでもあるまい」
「これから何かされるってことだろう!」
「そうだとしても、娘さんは少なくともこいつを純粋に好いているように見えたが?」
「それでもだ!」
語調の荒さは変わっていないが、先ほどのようにこちらに歩みを進めてはいない。
互いがマウントを取り合う族長同士。
そのうち2人が相手ということになると、簡単には動けないのだろう。
「悪い、カイルさん。助かったよ」
「あぁ、気にするな。ところで……」
「ん?」
「とりあえず、プリンセちゃんのあの格好に関しては説明を要求したいんだが?」
そっか。
こいつもプリンセを溺愛してたんだった。
「いや、もう、これ以上は……」
既に床で正座だし。
なんか床で正座に慣れてきているのが怖い。
どうってことなくね? って思ってしまう。
「貴様! 俺の娘になにをした!」
「いや、これに関しては確実に俺じゃないんですよ……」
謎の女性冒険者の心遣いによるものだからな。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
プリンセから遅れること数十秒、レインも走り込んできた。
もちろん、レインは普通の恰好だ。
「すみません……。僕じゃプリンセちゃんに追い付けなくて……」
「いや、このスピードでついてこれてるのは凄いと思うぞ」
俺ならもっと遅れてる。
いや、そうじゃなくて。
「レイン、どうしてこうなったよ」
「いえ、それが僕にもよくはわからなくてですね……」
「では、犯人に話を聞こうか」
「……?」
まだ俺たちが何の話をしているかわかっていないプリンセは小首をかしげる。
「プリンセ、なぜその恰好なんだ?」
「……サプライズ?」
「なんのだ……」
それにしてもだろ……。
「いいか、プリンセ」
「……ん」
「そういうのは気軽に人前でやっちゃダメだぞ」
「……なんで?」
「女の子は人前で簡単に肌をさらしちゃいけないんだよ」
「……じゃあ、いつならいいの?」
「え、そんなの聞いてくる?」
普通、いつでもよくないと思うんだけど……。
「敢えて言うなら、好きな人の前でだけ?」
「……ん、わかった。リブレさんの前だけにするね」
「そうなんだけど、そうじゃないんだよなぁ!」
プリンセは俺のツッコミににっこり笑い返して着替えるために去っていった。
爆弾発言だけしていったな。
ガッ!!
俺の頭が掴まれ、そのまま持ち上げられる。
やばいやばいやばいやばい!
首!
首がとれる!
抜ける!
「貴様ぁー……!」
「いや、今の点に関しては俺に落ち度はないって!」
助けて!
必死で虎族族長の腕にしがみついて首が抜けるのを防ぐ。
本当にまずい!
「キラ!」
「はいはい」
キラが俺を族長の腕から引き取ってくれる。
「ゲホッ!」
ただし、引き離す際にキラが掴んだのは俺の首裏のため結局絞まった。
助けてくれたのはありがたい。
キラは知らないかもしれないが、人は呼吸が出来ないとすぐ死ぬんだぞ!
「よくもうちの娘を……!」
怒り心頭といった様子の虎族族長。
周りなんかお構いなしにとりあえず俺を追ってくる。
「待ってくれよ! 話を聞いてくれって!」
「貴様なんぞの話に貸す耳はないわたわけが!」
「まぁ、待てって。おい」
「は」
カイルさんの指示で俺と虎族族長の間にライオン族族長と鷹族族長が割って入る。
「落ち着け。まだなにをされたわけでもあるまい」
「これから何かされるってことだろう!」
「そうだとしても、娘さんは少なくともこいつを純粋に好いているように見えたが?」
「それでもだ!」
語調の荒さは変わっていないが、先ほどのようにこちらに歩みを進めてはいない。
互いがマウントを取り合う族長同士。
そのうち2人が相手ということになると、簡単には動けないのだろう。
「悪い、カイルさん。助かったよ」
「あぁ、気にするな。ところで……」
「ん?」
「とりあえず、プリンセちゃんのあの格好に関しては説明を要求したいんだが?」
そっか。
こいつもプリンセを溺愛してたんだった。
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