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第69話知っている顔がいた
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おすすめの町のおもちゃ屋は学校からそう遠くない場所にあった。
杏樹は、楠君に書いてもらった地図を片手に噂のおもちゃ屋にやってくると、まず見た目に驚いた。
「……なんかすごく古風」
『おもちゃの洋館』と書かれた看板には偽りはない。
どこか魔女の館を思わせる木造の建物は、よく見ると新築らしく建物の様式が新しいのが分かった。
「……これは、なんというか、雰囲気を出そうとしている?」
情報を仕入れて来たからか、そんな風に思えてしまう。
ガラス張りのディスプレイの中にはきちんと見知ったおもちゃも沢山並べてあるわけだし、繁盛しているおもちゃ屋さんであることは間違いなさそうだった。
杏樹は意を決して建物に足を踏み入れる。
するとそこには思ったよりも沢山の子供達がいて、店内は異様な熱気に包まれていた。
「うおおおおお! 猫丸! 氷燐斬だ!」
透き通る青い武者鎧を身に着けた猫の妖怪が氷の刃を片手に飛び掛かる。
相手は猫よりも一回り大きな黒い龍で、相手のプレイヤーは小学生というには明らかに身長が大きかった。
「フン……。受けろ、龍ノ助。黒堰断葬」
なんだかよくわからないけど、かっこよさそうなワードが飛び交っている。
杏樹はなんとなく子供達の壁に近づき、対戦の様子を覗き見た。
そこは専用のバトルフィールドのようなもので、みんなで観戦できるように広めにスペースがとってあるらしい。
「……ここが出所で間違いないか……あ、でも、あんなに氷とかビームとか出てるのに室内で大丈夫なんだな」
なんとも不思議な現象である。
とてもよく出来た立体映像にも見えるそれは、やはり妖怪の気配がした。
「こう……ホビーだとすれば、明らかにオーバーテクノロジーすぎる気がするけれど誰も疑問に思っていないのが不思議だ」
だが、考えてみれば最新技術でないなら目の前のこれはなんなんだと言う話になる。
出来ているものは出来ているのだし、細かい理屈がよくわからないものなんて世の中にはたくさんあるのはそれはそうだ。
なんとも複雑な表情で杏樹が悩んでいると、大爆発が起こって猫の妖怪が地面に転がる。
杏樹は勝負がついたかと対戦している人物に目を向けて―――目を見開いた。
「ふん……他愛ない」
「やっぱ、蘆屋にーちゃんつえー!」
「フハハハハ。そうだろうそうだろう。うん、お前は見所がある。健闘の褒美にこの新弾の未開封パックをくれてやろう」
「わーい」
小学生を完膚なきまでに叩きのめし、気前よくおもちゃを買ってあげているその高校生に杏樹はとても、見覚えがあった。
「あれは……確か、蘆屋 満月君?」
「おお! そこにいるのは楠のところの部員ではないか。どうした?」
困惑している間にすぐに発見されてしまった。
杏樹は表情こそひきつってしまったが、ひとまず手を振って挨拶することだけには成功した。
「ど、どうも……」
「ふむ……よし! 今日はここまでとしよう。少し用事が出来た」
「ええー! もっと遊ぼうよ蘆屋にーちゃん!」
「うむ、名残惜しいが、今度は皆で遊ぶのだ。ほぅら! まだ持っていない者には、このスターターパックをくれてやるぞ!」
「「「わーい」」」
なんなんだろこの人。いろんな意味ですごいな。
惜しみなく子供を援助している蘆屋 満月は、ずいぶんとこのホビーを楽しんでいるようだった。
杏樹は、楠君に書いてもらった地図を片手に噂のおもちゃ屋にやってくると、まず見た目に驚いた。
「……なんかすごく古風」
『おもちゃの洋館』と書かれた看板には偽りはない。
どこか魔女の館を思わせる木造の建物は、よく見ると新築らしく建物の様式が新しいのが分かった。
「……これは、なんというか、雰囲気を出そうとしている?」
情報を仕入れて来たからか、そんな風に思えてしまう。
ガラス張りのディスプレイの中にはきちんと見知ったおもちゃも沢山並べてあるわけだし、繁盛しているおもちゃ屋さんであることは間違いなさそうだった。
杏樹は意を決して建物に足を踏み入れる。
するとそこには思ったよりも沢山の子供達がいて、店内は異様な熱気に包まれていた。
「うおおおおお! 猫丸! 氷燐斬だ!」
透き通る青い武者鎧を身に着けた猫の妖怪が氷の刃を片手に飛び掛かる。
相手は猫よりも一回り大きな黒い龍で、相手のプレイヤーは小学生というには明らかに身長が大きかった。
「フン……。受けろ、龍ノ助。黒堰断葬」
なんだかよくわからないけど、かっこよさそうなワードが飛び交っている。
杏樹はなんとなく子供達の壁に近づき、対戦の様子を覗き見た。
そこは専用のバトルフィールドのようなもので、みんなで観戦できるように広めにスペースがとってあるらしい。
「……ここが出所で間違いないか……あ、でも、あんなに氷とかビームとか出てるのに室内で大丈夫なんだな」
なんとも不思議な現象である。
とてもよく出来た立体映像にも見えるそれは、やはり妖怪の気配がした。
「こう……ホビーだとすれば、明らかにオーバーテクノロジーすぎる気がするけれど誰も疑問に思っていないのが不思議だ」
だが、考えてみれば最新技術でないなら目の前のこれはなんなんだと言う話になる。
出来ているものは出来ているのだし、細かい理屈がよくわからないものなんて世の中にはたくさんあるのはそれはそうだ。
なんとも複雑な表情で杏樹が悩んでいると、大爆発が起こって猫の妖怪が地面に転がる。
杏樹は勝負がついたかと対戦している人物に目を向けて―――目を見開いた。
「ふん……他愛ない」
「やっぱ、蘆屋にーちゃんつえー!」
「フハハハハ。そうだろうそうだろう。うん、お前は見所がある。健闘の褒美にこの新弾の未開封パックをくれてやろう」
「わーい」
小学生を完膚なきまでに叩きのめし、気前よくおもちゃを買ってあげているその高校生に杏樹はとても、見覚えがあった。
「あれは……確か、蘆屋 満月君?」
「おお! そこにいるのは楠のところの部員ではないか。どうした?」
困惑している間にすぐに発見されてしまった。
杏樹は表情こそひきつってしまったが、ひとまず手を振って挨拶することだけには成功した。
「ど、どうも……」
「ふむ……よし! 今日はここまでとしよう。少し用事が出来た」
「ええー! もっと遊ぼうよ蘆屋にーちゃん!」
「うむ、名残惜しいが、今度は皆で遊ぶのだ。ほぅら! まだ持っていない者には、このスターターパックをくれてやるぞ!」
「「「わーい」」」
なんなんだろこの人。いろんな意味ですごいな。
惜しみなく子供を援助している蘆屋 満月は、ずいぶんとこのホビーを楽しんでいるようだった。
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