22 / 28
野営と精霊石 編
3
しおりを挟む
「じゃあ、私もちょっと探索してくるね!」
「何かあったら真上に魔法打ち上げて結界張るんだぞ!」
「わかった!」
「無理すんなよー」
「ヒヒーンッ!」
「ブルルルッ」
え?ひとりで行くの?と思ったかもしれないけれど……ダンジョンならまだしもちょっとした探索ならうちの家族は大体個人行動だ。
それだけ強いか信頼されているってことなんだけど……聖女遠征ではいつも護衛がぴったりとくっついていたのでなんか新鮮。
私が転びでもしたら聖女様っ!て何人も駆け寄ってくるレベルで過保護だったからねぇ……まぁ、国に数えるほどしかいない希少種?だからそんな扱いでもおかしくはないか。
王族はもっとすごいらしいし……そう思うと今回の婚約破棄はよかったかも。束縛されて身動きできないとかストレスたまりそうだもの。
辺境伯はどうなんだろう?本人もダンジョンやら遺跡やらの探索に励んでいるようだし好きに過ごせるのかな?まあ、会ってみればわかるかな。
精霊石はわりと身近に転がってるけれど、やはり洞窟の中やダンジョン、水辺で見つかることが多い。質の良いものはやはり魔力が濃いところにある。魔力が濃いところは魔物も心地よいのかたくさんいたりするので、すこし危険ともいえる。
5分ほど歩いたところに川があるようなのでその付近で探すつもり……迷子にならないよう木や岩を目地として覚えながら進む……気をつけなくちゃ。迷子になってお迎えを待つのは恥ずかしい。
ゆるやかな流れの川は太陽の光が反射しキラキラしている。
アヤネ様のキラキラよりよっぽど好き。あれは目がチカチカしたけれど、これはゆらめく波が綺麗だ。
「おお、以外とたくさんあるな……」
思ったより色々なサイズの精霊石が川の中に見つかった。
「うーん……靴を脱ぐべきか脱がざるべきかそれが問題だ……」
ここが安全な場所ならば迷わず脱いで入るんだけど、魔物に遭遇した場合を考えると靴は履いていたほうがいい。
魔物の気配?そんなものを感じられるのは高ランクの冒険者か専門職くらいなもの。わたしにそんな技能はない。行き当たりばったりだ……自分の結界にそれなりに自信があるからこそ、こうして危機感もなくふらふら出来ている。
魔物とばったり遭遇したらまずは結界張って、空に魔法打ち上げて、それから杖を使った魔法で攻撃する予定だ……え?攻撃するのかって?魔物は基本的に討伐対象だもの。当然、するでしょう。ただ、杖を使った魔法だと手加減ができなさそうなので素材や食料として手に入れることは難しいかも。
もし、ごく一部いる討伐対象外の人間にとって有益な魔物だったら攻撃はせずどこかへ行くまで放っておくつもりではいる。
よし、後で乾かそう。ぐしょぐしょして気持ち悪いけど背に腹は代えられない。
ざぶざぶと川へ入り、めぼしい精霊石を拾っていく。屑石も実験で使うため多めに。ポシェットへどんどん詰め込んでいく。
結界石はギルドで買い取りはしてもらえないだろうけど、誰かにプレゼントするのは問題ないだろう……私の魔力以外実質無料みたいなものだし。
あまり目立ちすぎると怒られるだろうけど、お世話になったり人に渡すのはお目溢しがあるはず。聖女たちだって家族にはプレゼントしてたもんね。
結界石は神殿の専売特許みたいなところがある。一般に流れるものは基本的に神殿から……神殿が効果を保証する形なのだ。出どころ不明の結界石は忌避される傾向にある。
「うわぁ……腰がバキバキ……」
川から上がりストレッチ……それでもまだ強張っていたので治癒魔法をかけた。杖を使用したら一瞬で体が軽くなった。
「杖、すごい」
木々の間から空を見上げると日が暮れてきた……早めに戻ろう。
めぼしい食材を探しながら行きに目印にした木や岩を逆にたどっていると……
「おおっ!これは!」
帰り道、行きがけには見つけられなかったキノコを発見した。
この色!この形……
「ドクタケだぁ!」
ドクタケは極彩色のキノコである。
名前とは違い火を通すことで美味しく食べられる。栄養も豊富で妊婦に食べさせたい食材ナンバーワンである。スウィの実と並んで人気の食材だ!
ただ、見つかった当初は色からして毒があると考えられ……生で食べると幻覚と腹痛に数日苦しむことからドクタケと名付けられた。
何度も幻覚と腹痛に苦しみながら安全な食べ方を発見したらしい。
食への執着がすごい……安全な食べ方をしたら腹痛で痩せ細った体があっという間に元に戻ったことからかなりの栄養があるのでないかと国の機関に相談し……その後、鑑定の魔道具で栄養豊富で火を通すことで安全に食べられることが確認された。
通常……食用のキノコと、毒のあるキノコの判別は素人には難しい。
だが、このドクタケに関しては似たキノコが他にないため素人でも安心して採ることができる珍しい食材だ。
私の場合は他の食材でも両親と旅をしていた経験と候補者時代の勉強の成果もあって薬草や食べられるものはある程度把握しているので問題なく採取できる。聖女遠征では田畑が被害を受けて食べるものがないということも少なくないからしっかりと叩き込まれるのだ。
安心してほしい。私は毒でもポーションや治癒魔法で何とかなるからと持ち帰るタイプではないのだ。
ふふ……聖女仲間には食べた後、即死じゃなきゃ治癒魔法で治すから大丈夫よ!ってひとがいたのだ。知らずに食べて何度か腹痛や吐き気に苦しんだ。
そして、治癒魔法の実験台にされるのだ……でも、恐ろしいのは彼女も同じように食べているのに全く影響がないこと。
悪食系や毒耐性のスキルを持っていると確信していたのに持っていなかった……純粋に鋼の胃袋を持っていただけ。彼女のようなひとが新たに食べられる食材を見つけ出すのだろう。
根元からもぎ取ってドクタケを採集していく。
流石にこれはポーションに混ぜても美味しくはなさそうだ……今晩の食料にしよう。焼くかスープにするか……それとも両方か。じゅるり。お父さんに相談しよう。
食材をゲットしホクホクしていると視界の端にうごめくものが見えた。
「……魔物?」
とりあえず結界を張り近寄ってみると……
「スライムか……結界いらなかったかな?」
「何かあったら真上に魔法打ち上げて結界張るんだぞ!」
「わかった!」
「無理すんなよー」
「ヒヒーンッ!」
「ブルルルッ」
え?ひとりで行くの?と思ったかもしれないけれど……ダンジョンならまだしもちょっとした探索ならうちの家族は大体個人行動だ。
それだけ強いか信頼されているってことなんだけど……聖女遠征ではいつも護衛がぴったりとくっついていたのでなんか新鮮。
私が転びでもしたら聖女様っ!て何人も駆け寄ってくるレベルで過保護だったからねぇ……まぁ、国に数えるほどしかいない希少種?だからそんな扱いでもおかしくはないか。
王族はもっとすごいらしいし……そう思うと今回の婚約破棄はよかったかも。束縛されて身動きできないとかストレスたまりそうだもの。
辺境伯はどうなんだろう?本人もダンジョンやら遺跡やらの探索に励んでいるようだし好きに過ごせるのかな?まあ、会ってみればわかるかな。
精霊石はわりと身近に転がってるけれど、やはり洞窟の中やダンジョン、水辺で見つかることが多い。質の良いものはやはり魔力が濃いところにある。魔力が濃いところは魔物も心地よいのかたくさんいたりするので、すこし危険ともいえる。
5分ほど歩いたところに川があるようなのでその付近で探すつもり……迷子にならないよう木や岩を目地として覚えながら進む……気をつけなくちゃ。迷子になってお迎えを待つのは恥ずかしい。
ゆるやかな流れの川は太陽の光が反射しキラキラしている。
アヤネ様のキラキラよりよっぽど好き。あれは目がチカチカしたけれど、これはゆらめく波が綺麗だ。
「おお、以外とたくさんあるな……」
思ったより色々なサイズの精霊石が川の中に見つかった。
「うーん……靴を脱ぐべきか脱がざるべきかそれが問題だ……」
ここが安全な場所ならば迷わず脱いで入るんだけど、魔物に遭遇した場合を考えると靴は履いていたほうがいい。
魔物の気配?そんなものを感じられるのは高ランクの冒険者か専門職くらいなもの。わたしにそんな技能はない。行き当たりばったりだ……自分の結界にそれなりに自信があるからこそ、こうして危機感もなくふらふら出来ている。
魔物とばったり遭遇したらまずは結界張って、空に魔法打ち上げて、それから杖を使った魔法で攻撃する予定だ……え?攻撃するのかって?魔物は基本的に討伐対象だもの。当然、するでしょう。ただ、杖を使った魔法だと手加減ができなさそうなので素材や食料として手に入れることは難しいかも。
もし、ごく一部いる討伐対象外の人間にとって有益な魔物だったら攻撃はせずどこかへ行くまで放っておくつもりではいる。
よし、後で乾かそう。ぐしょぐしょして気持ち悪いけど背に腹は代えられない。
ざぶざぶと川へ入り、めぼしい精霊石を拾っていく。屑石も実験で使うため多めに。ポシェットへどんどん詰め込んでいく。
結界石はギルドで買い取りはしてもらえないだろうけど、誰かにプレゼントするのは問題ないだろう……私の魔力以外実質無料みたいなものだし。
あまり目立ちすぎると怒られるだろうけど、お世話になったり人に渡すのはお目溢しがあるはず。聖女たちだって家族にはプレゼントしてたもんね。
結界石は神殿の専売特許みたいなところがある。一般に流れるものは基本的に神殿から……神殿が効果を保証する形なのだ。出どころ不明の結界石は忌避される傾向にある。
「うわぁ……腰がバキバキ……」
川から上がりストレッチ……それでもまだ強張っていたので治癒魔法をかけた。杖を使用したら一瞬で体が軽くなった。
「杖、すごい」
木々の間から空を見上げると日が暮れてきた……早めに戻ろう。
めぼしい食材を探しながら行きに目印にした木や岩を逆にたどっていると……
「おおっ!これは!」
帰り道、行きがけには見つけられなかったキノコを発見した。
この色!この形……
「ドクタケだぁ!」
ドクタケは極彩色のキノコである。
名前とは違い火を通すことで美味しく食べられる。栄養も豊富で妊婦に食べさせたい食材ナンバーワンである。スウィの実と並んで人気の食材だ!
ただ、見つかった当初は色からして毒があると考えられ……生で食べると幻覚と腹痛に数日苦しむことからドクタケと名付けられた。
何度も幻覚と腹痛に苦しみながら安全な食べ方を発見したらしい。
食への執着がすごい……安全な食べ方をしたら腹痛で痩せ細った体があっという間に元に戻ったことからかなりの栄養があるのでないかと国の機関に相談し……その後、鑑定の魔道具で栄養豊富で火を通すことで安全に食べられることが確認された。
通常……食用のキノコと、毒のあるキノコの判別は素人には難しい。
だが、このドクタケに関しては似たキノコが他にないため素人でも安心して採ることができる珍しい食材だ。
私の場合は他の食材でも両親と旅をしていた経験と候補者時代の勉強の成果もあって薬草や食べられるものはある程度把握しているので問題なく採取できる。聖女遠征では田畑が被害を受けて食べるものがないということも少なくないからしっかりと叩き込まれるのだ。
安心してほしい。私は毒でもポーションや治癒魔法で何とかなるからと持ち帰るタイプではないのだ。
ふふ……聖女仲間には食べた後、即死じゃなきゃ治癒魔法で治すから大丈夫よ!ってひとがいたのだ。知らずに食べて何度か腹痛や吐き気に苦しんだ。
そして、治癒魔法の実験台にされるのだ……でも、恐ろしいのは彼女も同じように食べているのに全く影響がないこと。
悪食系や毒耐性のスキルを持っていると確信していたのに持っていなかった……純粋に鋼の胃袋を持っていただけ。彼女のようなひとが新たに食べられる食材を見つけ出すのだろう。
根元からもぎ取ってドクタケを採集していく。
流石にこれはポーションに混ぜても美味しくはなさそうだ……今晩の食料にしよう。焼くかスープにするか……それとも両方か。じゅるり。お父さんに相談しよう。
食材をゲットしホクホクしていると視界の端にうごめくものが見えた。
「……魔物?」
とりあえず結界を張り近寄ってみると……
「スライムか……結界いらなかったかな?」
41
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!
隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。
※三章からバトル多めです。
聖女を騙った罪で追放されそうなので、聖女の真の力を教えて差し上げます
香木陽灯
恋愛
公爵令嬢フローラ・クレマンは、首筋に聖女の証である薔薇の痣がある。それを知っているのは、家族と親友のミシェルだけ。
どうして自分なのか、やりたい人がやれば良いのにと、何度思ったことか。だからミシェルに相談したの。
「私は聖女になりたくてたまらないのに!」
ミシェルに言われたあの日から、私とミシェルの二人で一人の聖女として生きてきた。
けれど、私と第一王子の婚約が決まってからミシェルとは連絡が取れなくなってしまった。
ミシェル、大丈夫かしら?私が力を使わないと、彼女は聖女として振る舞えないのに……
なんて心配していたのに。
「フローラ・クレマン!聖女の名を騙った罪で、貴様を国外追放に処す。いくら貴様が僕の婚約者だったからと言って、許すわけにはいかない。我が国の聖女は、ミシェルただ一人だ」
第一王子とミシェルに、偽の聖女を騙った罪で断罪させそうになってしまった。
本気で私を追放したいのね……でしたら私も本気を出しましょう。聖女の真の力を教えて差し上げます。
国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました。もう聖女はやりません。
香木陽灯
恋愛
聖女は217歳!?
ルティシア国の聖女であるニーナは、不老不死の存在として国を200年間支えていた。
ルティシア国境のみに発生する瘴気の浄化や人々の治癒。
ニーナは毎日人々のために聖女の力を使い続けていた。
しかし、ある日突然王子に国外追放を言い渡される。
それも聖女の座を恋人に渡したいという馬鹿らしい理由で……
聖女の力を奪われ追放されたニーナは、隣国セレンテーゼ帝国の大賢者に弟子入りを決意する。
「力が使えないなら知識をつければいいわけよ」
セレンテーゼの大賢者フェルディナンドはルティシア嫌いで有名だったが、なぜかニーナには優しくて……
「貴女の目を見れば誠実な人であることくらい分かります」
フェルディナンドのもとで暮らすことになったニーナは、大賢者の弟子として街の人々の困りごとを助けていく。
人々の信頼を勝ち取り、ついには皇帝陛下にも認められるニーナ。
一方、ルティシアでは新聖女が役目を果たせず国が荒れ始めていた。
困り果てた王子はニーナの力を借りようとするが……
ニーナを追放したルティシア、受け入れたセレンテーゼ。
それぞれが異なる問題を抱え、やがて聖女の力に翻弄され始める。
その裏には糸を引く人物がいるようで……。
※ふんわり設定です
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
【完結】離縁王妃アデリアは故郷で聖姫と崇められています ~冤罪で捨てられた王妃、地元に戻ったら領民に愛され「聖姫」と呼ばれていました~
猫燕
恋愛
「――そなたとの婚姻を破棄する。即刻、王宮を去れ」
王妃としての5年間、私はただ国を支えていただけだった。
王妃アデリアは、側妃ラウラの嘘と王の独断により、「毒を盛った」という冤罪で突然の離縁を言い渡された。「ただちに城を去れ」と宣告されたアデリアは静かに王宮を去り、生まれ故郷・ターヴァへと向かう。
しかし、領地の国境を越えた彼女を待っていたのは、驚くべき光景だった。
迎えに来たのは何百もの領民、兄、彼女の帰還に歓喜する侍女たち。
かつて王宮で軽んじられ続けたアデリアの政策は、故郷では“奇跡”として受け継がれ、領地を繁栄へ導いていたのだ。実際は薬学・医療・農政・内政の天才で、治癒魔法まで操る超有能王妃だった。
故郷の温かさに癒やされ、彼女の有能さが改めて証明されると、その評判は瞬く間に近隣諸国へ広がり──
“冷徹の皇帝”と恐れられる隣国の若き皇帝・カリオンが現れる。
皇帝は彼女の才覚と優しさに心を奪われ、「私はあなたを守りたい」と静かに誓う。
冷徹と恐れられる彼が、なぜかターヴァ領に何度も通うようになり――「君の価値を、誰よりも私が知っている」「アデリア・ターヴァ。君の全てを、私のものにしたい」
一方その頃――アデリアを失った王国は急速に荒れ、疫病、飢饉、魔物被害が連鎖し、内政は崩壊。国王はようやく“失ったものの価値”を理解し始めるが、もう遅い。
追放された王妃は、故郷で神と崇められ、最強の溺愛皇帝に娶られる!「あなたが望むなら、帝国も全部君のものだ」――これは、誰からも理解されなかった“本物の聖女”が、
ようやく正当に愛され、報われる物語。
※「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる