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第一夜 (15)
しおりを挟む背中にぽつりぽつりと、彼の汗が降ってくるようになった。
時間がかかるとは言っていたが、どれくらい経っただろう。
体力の限界が来ちゃう。私は待っているだけなのに。
「私も動いた方が良いですか」
「んっ、それは次の夜でも良いですよ」
「……次の夜」
「おや、まだ置かれている状況がお分かりでないか」
一心不乱に穿ちながら、物悲しそうに言う。
「どういうこと。これからアルフィー様とこういうことになるのだと」
イザベラも話していた。アルフィー様で駄目なら、違うお方になると。
つまり、アルフィー様で良いなら、ずっと彼なのではないのか。
「詳細は、お互いに一眠りした後に話しましょう。今は、感じることだけに集中してほしい」
切実な訴えだった。ここまでして献身的になる必要がどこにある。
行動だけで考えるなら、彼は私を大切にしてくれている。
彼の指が、顔にかかった髪を耳にかけるために、頭皮を掠めた。
その瞬間、微弱な電流が流れたと思うように、突かれているそこから頭の先まで、甘い痺れが走った。
「あっ、ああっ、きゃあっ、ああっ」
突如として、外側の突起の包皮を剥いた時のような、いや、それ以上の刺激が体の奥に押し寄せてくる。
「やっと繋がりましたね。貴女のその美しい肢体に、新たに感覚を刻み込んだのですよ」
「あんっ、あっ、ああんっ」
「喘ぐことしかできないですか。賭けは僕の勝ちですね」
一定だった動きが急速になる。腰が激しく揺さぶられ、抜き差しが始まった。
「ふふ、腰が動いてますよ。共に果てましょう」
「んんんっ、いやっ、あっ、ああっ、きゃっ」
かつてない快楽がもうすぐ来る。
今にもはち切れそうな彼も、それを激しく求めているのが伝わってくる。
「あああっ」
深く突き刺されたと思うと、自分の体が水を得た魚のように、飛び跳ねる。
「くっ」
熱いものが注がれると思って待っていると、咥え込もうとしているそこから勢いよく抜かれてしまった。
「ひゃあっ」
火傷しそうな熱さを太ももに感じたのも一瞬である。
余韻でまたもやじりじりと己の体が悦んでいる。
「はぁ、私の負けです」
「賭けには負けたかも知れませんが、この夜に神聖な魔力が満ちていくのを感じて、僕は、生まれて此の方、感じたことのない喜びの中にいます」
「上手く事が済んだのですね」
「お疲れでしょう。良い眠りを」
目元を大きな掌で覆われて、真っ暗闇の中に閉じ込められる。柔らかな微睡みに、抵抗などできなかった。
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