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王子に取り憑いた魔。
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ノワールの前でひざまづき、項垂れる三人。
しばらくの沈黙の後、剣士ソユーズが一歩前に出て。
「ノワール殿下。我らがしでかした事、許しを乞おうとは思ってはおりませぬ。その剣でどうか我らの首を刎ねていただけたら、と」
そう頭を垂れた。
「お前たち……」
「ただ、一つだけお願いがございます。どうか兄上様、レヒト殿下に取り憑いた魔を祓ってはいただけませんでしょうか?」
「兄上の?」
「我ら三人は近衛騎士、レヒト殿下に忠誠を誓った親衛隊でございます。主が白と言ったなら黒でも白。殿下がノワール殿下を害せよと言えば、我らにはそれに否と答える選択肢はありませぬ。しかし」
ソユーズは額を地面に擦り付けるように、懇願する。
「レヒト様に非はありませぬ。この度の所業は全て主に取り憑いた魔の仕業。どうか、どうか、ノワール殿下。あなた様に兄上様を気にかけてくださるお心が少しでも残っていらっしゃるのであれば。どうか、レヒト殿下をお救いくださいませ」
「それほどまでレヒト兄様に忠誠を誓うのであれば、どうしてお前たちは自分の手でそれを成そうとしない?」
「これを」
懐から銀のプレートを取り出すソユーズ。ってこれ、ノワールの冒険者カード?
「我らはこれをノワール殿下の死の証として持ち帰り、レヒト殿下の前に赴くつもりでした。そこで、その場で、不敬と謗られようともなんとしてもレヒト様を拘束し魔を払おうと、そう誓っておりました。しかし」
「それしかもう我々にはレヒト殿下のおそば近くに赴くチャンスが見つからなかったのです」
はう、サイレンも。
「しかし、こうしてノワール殿下が生きておられた。いや、そのお姿、蘇ったといった方が正しいのでしょう。このままあなた方と争って我々が生きていられる保証はありませぬ。そちらのお嬢さんが本気を出せば、我々など消し炭になっていたところでしょうし」
チラッとあたしを見てそういうソユーズ。
背後の二人も同意するように頷いている。
「で、あれば。このまま我らが倒された挙句レヒト殿下にまでノワール殿下の手が伸びるのは我々の本意ではありませぬ。お二人を仲違いさせることを望んではおりません。ですから」
もう一度額を地面に擦り付け、ソユーズ。
「どうか、どうか、レヒト様を害することの無きよう、お助けくださいますよう、この命に変えてお願い申し上げます」
そう声を絞り出した。
「あなたさまを害し、おそらく一度は死に至らしめた我々がこんなことをお願いするのは虫が良すぎるとお思いでしょうが、どうか殿下、我らの命は差し上げます。どうか兄殿下だけはお助けくださいませ」
うしろの二人も同様に、額を地面に擦り付ける。
はう。土下座の風習がここにあるのかどうかはあたしは知らない。
だけど。
彼らの真剣な姿は本物だと、そう思った。
しばらくの沈黙の後、剣士ソユーズが一歩前に出て。
「ノワール殿下。我らがしでかした事、許しを乞おうとは思ってはおりませぬ。その剣でどうか我らの首を刎ねていただけたら、と」
そう頭を垂れた。
「お前たち……」
「ただ、一つだけお願いがございます。どうか兄上様、レヒト殿下に取り憑いた魔を祓ってはいただけませんでしょうか?」
「兄上の?」
「我ら三人は近衛騎士、レヒト殿下に忠誠を誓った親衛隊でございます。主が白と言ったなら黒でも白。殿下がノワール殿下を害せよと言えば、我らにはそれに否と答える選択肢はありませぬ。しかし」
ソユーズは額を地面に擦り付けるように、懇願する。
「レヒト様に非はありませぬ。この度の所業は全て主に取り憑いた魔の仕業。どうか、どうか、ノワール殿下。あなた様に兄上様を気にかけてくださるお心が少しでも残っていらっしゃるのであれば。どうか、レヒト殿下をお救いくださいませ」
「それほどまでレヒト兄様に忠誠を誓うのであれば、どうしてお前たちは自分の手でそれを成そうとしない?」
「これを」
懐から銀のプレートを取り出すソユーズ。ってこれ、ノワールの冒険者カード?
「我らはこれをノワール殿下の死の証として持ち帰り、レヒト殿下の前に赴くつもりでした。そこで、その場で、不敬と謗られようともなんとしてもレヒト様を拘束し魔を払おうと、そう誓っておりました。しかし」
「それしかもう我々にはレヒト殿下のおそば近くに赴くチャンスが見つからなかったのです」
はう、サイレンも。
「しかし、こうしてノワール殿下が生きておられた。いや、そのお姿、蘇ったといった方が正しいのでしょう。このままあなた方と争って我々が生きていられる保証はありませぬ。そちらのお嬢さんが本気を出せば、我々など消し炭になっていたところでしょうし」
チラッとあたしを見てそういうソユーズ。
背後の二人も同意するように頷いている。
「で、あれば。このまま我らが倒された挙句レヒト殿下にまでノワール殿下の手が伸びるのは我々の本意ではありませぬ。お二人を仲違いさせることを望んではおりません。ですから」
もう一度額を地面に擦り付け、ソユーズ。
「どうか、どうか、レヒト様を害することの無きよう、お助けくださいますよう、この命に変えてお願い申し上げます」
そう声を絞り出した。
「あなたさまを害し、おそらく一度は死に至らしめた我々がこんなことをお願いするのは虫が良すぎるとお思いでしょうが、どうか殿下、我らの命は差し上げます。どうか兄殿下だけはお助けくださいませ」
うしろの二人も同様に、額を地面に擦り付ける。
はう。土下座の風習がここにあるのかどうかはあたしは知らない。
だけど。
彼らの真剣な姿は本物だと、そう思った。
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